カメラパーツ 本塗り

先日調色&艶調整作業を終えていたカメラ用のパーツです。その後溶剤(洗浄用シンナー)に浸け置いて既存の塗膜を剥離しました。

そんなに強い塗膜では無かったようで一日浸け置き&ワイヤーブラシで擦って綺麗に剥がれました。

その後ダブルアクションサンダー#180で研磨して素地調整&足付け処理を行います。アルマイト処理されている場合を想定しての作業ですね。

その後リン酸処理を行います。アルマイト処理されているとこれが効かないので(完全に効かない訳ではないですが効き難い箇所と効く箇所でムラが起きてしまう為)、最初に物理的な研磨をしておいたという訳です。対してこちらは化学的な素地調整=化成処理といった感じですね。

裏側は元々塗装されていなかったので今回も塗料が着かないようにマスキングしておきます。

台にセットし、

よく脱脂清掃を行います。

まずはプライマーを塗布します。

元々塗られていた塗膜は、今回行っている足付け処理・化成処理・プライマー塗装が行われていなかった為に経年でペリペリと剥がれて来てしまっていたのだと思います。

職業訓練学校時代に金属塗装業界の権威のような方が講師として来ていて、金属塗装=工業塗装は「如何にコストを落として量産出来るか」が肝なので、自動車ボディのように下塗り、中塗りは行わず、どうやってそれを省けるか(上塗りのみで済ませるか)に重きを置いているとの事でした。また大抵の場合直すよりも買った方がトータルコストが低いというのも理由の一つなのだそうです。2千円で売っているオーブントースターが壊れて、メーカーに修理をお願いする人はまず居ないですよね(往復送料だけでその金額になってしまいますので…)。

その点自動車は屋外雨ざらしで使う事が前提で、しかもそれで錆が出たりしたら大きな問題ですから、量産品だとしてもかなりしっかりとした塗装が行われているという訳です。身近にある物としては非常に優秀で且つ高級な塗膜なんですよね。

続けてベースコートを塗布します。黒に近いグレーです。

ベースコートのみだと缶スプレー(1液ラッカー系塗料)とさほど変わらないので強度としては低いですから、

最後にクリアー(2液アクリルウレタン型)を塗って本塗り完了となります。お待たせしました!

クリアーは事前にテストしていた内容通り、半艶:艶消し=1:2の割合で、スプレーガンも同じ口径0.5mmを採用しています。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

元々あった見本が無いので(剥がしてしまったので)見比べられませんが、

事前に作っていた艶確認用のピースを見本用の色板として作成しておきました。

良い感じに艶具合を合わせられたと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フォレスターSJドアミラー&ピラーカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたスバルフォレスターSJの純正ミラーユニットとAピラーカバーです。

こちらのオーナー様は先日同車テールランプ&リフレクターレンズと、その前にはフロントグリル一式フォグカバー&スバルエンブレムの塗装をご依頼頂いていた方でして、この度も当店をご贔屓頂きありがとうございます!

ミラーユニット=本体と土台部分は以前ご依頼頂いた内容と同じく「半艶黒」で、

ミラー本体下部に着くこちらのカバーパネルは、スバル純正色の「クリスタルブラックシリカ」(カラーコード:D4S)、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っています。

助手席カバーのカバーパネルは死角を確認出来る補助ミラーが別の2部品構成となっています。

今回塗装するにあたってのネックとしては、ミラー本体と土台部分が繋がっている事で、

この状態だとそれぞれの部品が重なって塗れない箇所がありますから、それぞれを別ける必要があります。

ミラーを動かす為のモーター部分はネジで止まっているので取り外しは出来るのですが、配線を抜けないので今回こちらはこのままとします。

土台部分の車体に取り付ける箇所にはゴムパッキンが嵌っていて、

 

それを引き抜くと奥にトルクスネジが見えるので、それらを外してミラー本体と土台を切り離しました。これについてはこちらのサイトを参考とさせて頂きました。大変助かりました。お礼申し上げます!

ただ完全に切り離すにはこのカプラーから各配線を引き抜く必要があり、それには専用の工具(または固い針状の物)を使うのですが、当店では車体取り付けでの稼働テストが出来ないので今回はこのまま行う事にします。ちなみに昔のポルシェなんかはこのコネクターを分解しないと車体からドアミラー自体を取り外せないので、そういったケースでは何度か経験はあります。

ちなみにこのままの状態でミラー本体と土台を天井からぶら下げて塗ったりする事も出来ますが、私的には安定した状態で塗装をしたいので、

アルミパイプを同じ長さにカットし、

M5×50mmのネジを使って固定します。

ネジ穴自体は元々ある物を利用し、

その間にアルミパイプをワッシャー代わりに挟んでミラー本体と土台の間に空間を作る!という作戦となります。これなら安定した状態で固定が出来て、且つ重なった箇所も一緒に塗れる!という算段です。

土台を取り外してみて気が付きましたが、一か所フエルトテープが貼ってあります。

粘着面に触れず(皮脂をつけず)綺麗に剥がせれば再利用も可能ですが、フェルト生地と両面テープが剥がれる自己破壊型タイプだったので、

同じような物をカットして新たに作り直しました。

目見当でカットし、良さそうな物を使います。

ちなみにこのフエルトテープ、後からビビリ音対策などで貼られたのかと思いきや、

土台本体にちゃんと貼り付け部の印が作られています。設計段階で考えられていたみたいですね。素晴らしい・・・。

こちらはAピラーカバーパネルです。ミラー土台の隣に装着されるパーツですね。

作業中に防水パッキンが外れて無くなってしまうとマズイので、

予め取り外しておきます。これ一つで車内(ドア内部)に水漏れとか起きたりするので結構怖いですよね。

死角用の補助ミラーは、

ネジ一本で取り外せました。

と言う訳で、ようやくこれで塗装前準備が完了です。

色としては、こちらのミラー本体と土台が「半艶黒」で、これについてはこれまでご依頼頂いた時と同じく「STANDOX K9140とK9150を1:1で混合、ハードナー 27%、シンナー18%」)を想定しています。記録を残しておくと後からのご依頼でも同じ質感(色艶)に出来るのが良いですね。

そしてこちらのパーツがクリスタルブラックシリカ(D4S)艶あり仕上げ、クリスタルクリアー仕様となります。若干ザラザラとした感じですが凹凸は少なく切削性の良い樹脂(ABS)なので、足付け処理のみでそのまま上塗りとする予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

レイバック エンブレムプレート表 本塗り

先日裏側の黒を塗っておいたスバルレイバックの純正エンブレムアクリルプレートです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

表面には塗料ミストが飛んでいるので#1500で表面を削り、足付け処理を行います。

手で持って塗れるよう芯棒に固定し、

よく脱脂清掃をしたら、

プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。

今回はクリアーのみなので、これで本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは常温硬化するタイプのスタンドックスエクストリームプラスを使用しています。

ご指定頂いているのはクリスタルクリアーですが、エクストリームプラスはそれより上位に位置していますのでご安心くださいませ(コストも高いですが熱を入れなくて良いのでそこで相殺しています)。

ただ1時間程で硬化するので(磨けるので)、ゆっくりやっていると粘度が高くなったり、スプレーガンの中で固まり始めるなどするので注意が必要です。

しっかり真っ黒になりました。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ カーボンステアリングトリム 本塗り

先日二回目のクリアー下塗りを行っておいたポルシェ純正のカーボンステアリングトリムです。

大分綺麗になっていて、このまま完成としても構わない仕上がりになっていますが、

折角の機会なのでここは容赦なく#400で研いでさらにライン出しを行い、

#600でペーパー目を均し、全体の肌を#800で落とし、#1500でペーパー傷の目消しを行います。

その後は#800→#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン→オレンジ)で細部の足付け処理を行います。

よく脱脂清掃し、

エアーブローで埃を飛ばしたら本塗り開始です。

クリアーはこれまでと同様、常温で硬化するタイプのスタンドックスエクストリームプラスを使っています。

コート数も同じくウェットで2コート塗っています。

一時期はどうなるかと思っていた素地から剥がれていたカーボン地ですが、その後問題無くくっ付いていて一安心です。

元々あった巣穴や肌の悪さも今回の3工程分のクリアー塗装でほぼ払しょくされたと思います。

置いている位置が高いので正面が撮り難く、分かり易いよう持って撮影しました。動画も撮影したのでそちらも紹介します(このサーバーでは負荷が多き過ぎるのでSNSのリンクを貼っています)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レイバック グリルメッキモール&エンブレム 本塗り

先日クリアーの下塗りを行っておいたスバルレイバックのエンブレムアクリルプレートです。

このまま塗っても塗料は密着しませんので、

ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って研磨足付け処理を行います。被塗面の表面積を増やし、アンカー効果を期待して剥がれ難くします(身近な物だとマジックテープのような感じですかね)。

メッキパーツは表面にガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておき、

それを見ながら研ぎ残しが無いよう表面を研磨してサーフェサーの肌を平滑にします。

爪で固定する箇所などのマスキングを行い、

手で持って塗れるよう芯棒に固定します。

よく脱脂清掃し、

ファンを回してブース内にクリーンなエアーが流れるようになったらエアーブローをして埃を飛ばします。

画像だと壁の傍に置いてありますが、実際は排気口の傍でエアーブロー&塗装を行っています。

またエアーで飛ばしきれない埃が付着している場合もあるので、

専用のウエス=タッククロス(不織布に粘着物質を塗着させたような物)を当ててそれらも除去します。

また空気が乾燥したこの時期はエアーブローによる空気の摩擦で静電気が発生→余計に埃が着いてしまったりするので、床には水を撒いてブース内の湿度を上げたり、専用の除電ガンを使って埃が付き難くします。

モールはフチまでしっかり塗れるよう裏側に広いスペースを設けています。

まずはベースコートを塗布します。

今回は艶あり黒でご指定頂いていますので、ベースコートに使うのはスタンドックス原色の黒=MIX571となります。

隠蔽力が強いので3コート程で終了出来ます。

ベースコートの時点で肌を荒らしてしまうと(ドライコートをしてしまうと)、いくらこの後に塗るクリアーを艶々にしても完全硬化後に艶引けを起こしてしまうので、

しっかりウェットで塗り込みツルンとした肌になるようにします。

スプレーガンの口径はこういった被塗物のサイズに合わせる必要もあって、例えばこれを口径0.5mm(エアーブラシ等)で塗ろうとするとどうしてもドライコート気味になって肌が荒れてしまう為、せめて0.8mm、通常は1.0mm以上のガンを使います。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

尚、気温が低すぎると塗料の粘度が高くなって塗り難くなる為、

予めクリアーを温めておいたり、

エアコンを可動させてブース内の雰囲気温度を上げるようにしています(今の時期は大体両方行っています)。

尚、エンブレムのアクリルプレートは表側のクリアー塗装も承っていますので、こちらはもう1工程行うようになります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!