トゥデイエンブレム 本塗り

先日お預かりしておりましたtoday用のアクリル製エンブレムです。

尚こちらは予備用として前回のご依頼完成時にお渡ししていた物で、今回これに追加で足りないパーツを作成します。

データ自体は前回作った物があるので、そちらを利用します。

ただその時に使用したパラメーター値を記録していなかったようで、今回も色々試しながらの制作となりました。それぞれレーザー彫刻時の出力や回数などを変えています。

その他「today」や「Xi」についても、念のため作っておく事にしました。

こちらも前回作ったデータがあるのでそのままカットします。

カットした物と今回お預かりした物を比べて相違ない事を確認しておきます。

尚、レーザーカットした断面はこのようにガタガタと波打っている為、

#240→#320→#400→#500→#800と研磨して平滑にしておきます。

そして足付け処理です。

切り文字はそのままだと強い力が加わった時に割れてしまうので、塗装しない面=裏側をガムテープで固定します。

ペーパーが入らない箇所にはウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)とナイロンブラシを使って足付け処理を行います。

表面はペーパーを当てられますが、側面全てでそれをするのは難しいのでこの方法で足付け処理を行っています。ウェットブラストでも良いのですが、それだと余計に手間と時間が掛かってしまうので今回の場合はナンセンスですね。

よく洗い流して乾かしておきます。

そして本塗り準備完了です。

(一部テスト用として今回のご依頼品とは関係ない物がありますが気にしないで大丈夫です。)

お納めするのは1個ですが、一番良い物をお渡し出来るよう4個塗る事にしました。

同じようにこちらの「today」と「Xi」も2セット塗ります。

ちなみに前回は気にしていませんでしたが、今回は各パーツを固定するテープ(ガムテープを細く丸めた物)が外に食み出ないようにしています。極力バリが出来ないようにですね。

プラスチックプライマーを塗布し、ベースコートの黒を塗ったら

トップコート=艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

ちなみに2セット塗ったのは「ゴミが着いたら捨てる」方式で、塗る数が増えればその分手間は増えますが、何かあって塗り直しをする場合に比べれば数十倍楽ですし、精神的ダメージも少ないのでこの方が確実です。失敗して直ぐに塗り直せればまだ良いのですが、一旦完全硬化させてからじゃないと出来なく大抵は翌日となりますから、その後のストレスが半端ないんですよね…。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

クリアーはスタンドックスK9150スーパーマット100%となります(半艶クリアーのK9140と混ぜて使ったりもします)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

最後にこれより一回り小さくカットした両面テープを貼っておくようにします。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

STIエンブレム塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたスバルSTI純正エンブレムの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はメッキが施された物を、オーナー様自ら薬品を使ってそれを剥がした状態になっていました。

下地処理は足付け処理のみで、その後プラスチックプライマー→上塗りとしています。

ベースコートの黒に艶消しクリアーを施した2コート仕上げとなります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ちなみに元々溝に嵌っていた赤いプラスチックはこの後取り付けるのかどうか知らないのですが、このまま使っても問題無いよう仕上げておりますのでご安心くださいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

マセラティリモコンキー 下準備

先日お預かりしておりましたマセラティのグラントゥーリズモ純正リモコンキーです。

まずはエンブレムの下にあるネジを外します。

エンブレムを傷つけないよう注意しながら、カッターの刃先や精密ドライバー等を使って取り外します。今回は両面テープがかなりしっかり着いていて外し難く、本体側にかなり深い傷が入りましたが、こちらは修正可能ですので全く問題ありません。むしろエンブレムに傷が付いたら取り返しがつかないので、点数で言うと今回は(今回も)100点です。

こちらのリモコンキーはネジ以外にも3箇所の爪で固定されていて、電池を外した奥にある箇所は自作の工具で生きたまま取り外しが可能です。ちなみに一番最初のご依頼では構造が全く分からなかったのでこの爪3箇所と、ネジで固定された部分も破壊して分解しました。

今回は3箇所の内1一か所のみの破損で済みました(通常は大体2箇所割れます)。ちなみにこれらの箇所はアクセス不可能な場所なので無理やり引っ張るしか方法はありません(出来る事としては素材を温めて割れにくくするくらいで勿論そちらも実行しています)。

割れた破片は元の通りに接着します。まずは周りの部分を#240で研磨して足付け処理を行います。接着剤がしっかり密着するようにですね。

それぞれの破片にも足付け処理を行い、脱脂清掃をしたら綿棒でプラスチックプライマーを塗布します。ちなみにこちらの樹脂素材は不明ですが、プライマー無しではエポキシ接着剤も密着しません(ですのPA=ポリアミドではないかと思っています)。

まずは破片同士をくっつけます。

それが固まったら本体にくっつけて完了です。この後一日以上寝かします。

そして後日、下地処理を行います。

こちらのリモコンキーカバーは塗装が施されている訳ではないのですが(着色樹脂素地)、成型時のヒケで表面が凸凹しているので、

まずは#120でライン出しを行い、その後#180→#240で均したら、

最後にナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って細部の足付け処理を行います。

よく乾かして脱脂清掃をしたら芯棒に固定してサフェを塗る準備を行います。

ちなみにボタンが着いているカバー側はフチに溝があるフランジ状になっているので、

そこがサフェで埋まらないようマスキングをします。ここに傷がある場合は削り落としてしまう事もあるのですが、残せるのであれば極力オリジナル通りにするようにしています。

プラスチックプライマー塗布後、サーフェサーを塗布します。

サフェは少しシンナーで希釈した物を4~5コート程塗っています。

最後のサフェを塗り終わったら直ぐにフランジ部分のマスキングテープを剥がしておきます。ここはシャープさを残しておきたいのでサフェは塗らないようにしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ゼンハイザーE965マイク 本塗り

先日お預かりしておりましたゼンハイザーE965ボーカルマイクです。

色は当ウェブサイト内にあるウェブ色見本からS572のページの「A-1」でご指定頂いていますので、それを参考にして塗料を作成します。

使ったのはこちらの原色です。青、緑、黒、白ですね。

グリルはリング部にあった文字のプリントを削り落とした際に金属素地が露出してしまったので、

プライマーを塗っておきます。

ちなみに「小さい文字くらいならそのままでも良いのでは?」と思うかも知れませんが、塗装後にそれがうっすらと残って見えると非常に格好悪いので、しっかり削り落としておく必要があります。

本体は元々艶消し黒の塗装が施してあって(クリアー塗装は無し)、#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理してあります。

このまま色を塗っても大丈夫なのですが、

隠蔽力が弱そうだったので念のため適当な白(VWキャンディホワイト)を1コート程塗っておきました。

同じくグリルも白で下塗りをしておきます。

そして今回作った色を塗布します。3コート程で、白を合わせて合計4コートとなります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

マイクは紹介していない物も含め現在7本程をお預かり中です。年内のライブ等でお急ぎの案件は殆ど終わって少し落ち着いた感じでしょうか。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めてご連絡を差し上げますどうぞもう少々お待ちくださいませ!

R33ブレンボキャリパー 本塗り

先日お預かりしておりましたスカイラインGT-R(BCNR33)用ブレンボキャリパー一式です。その後いつものブレーキ屋さんにて洗浄~サンドブラスト処理~マスキングまでを行って頂き戻ってきました。

このままの状態から直ぐに塗装も出来るのですが、

今回は目立つキャリパー前面部の打痕や深い傷・梨地を均す下地処理も承っていますので、

まずはある程度この部分を研磨して均しておきます。取り切れない打痕はこの後に処理します。

まずは一旦全体の研磨~脱脂処理を行います。

続けてキャリパーの前面以外の部分をマスキングします。

エポキシサーフェサーは硬くて(粘りが強くて)非常に研ぎ難いので、塗装の際がバツ切りにならないよう(段差にならないよう)暈すような感じにマスキングを行います。

ちなみに研磨だけでも傷を除去する事は不可能ではないですが、一番深い箇所まで削るとなると本来のラインが崩れてしまいますので、

これをまずエポキシ系プライマーサーフェサーで覆い、

続けて充填性のあるウレタンサーフェサーを重ねます。それぞれ違うタイプの塗料を半生の状態でくっ付けるような感じのウェットオンウェットですね。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと吹きました。

水は使えないので(錆びるので)、空研ぎ#320→#400でライン出しをし、

続けて布状研磨副資材の#500→#800(アシレックススカイ~レモン)でペーパー目を均します。ガイドコートは打痕を研ぎ遺さない為ですね。

その後全体をシリコンオフで洗い流すようにして脱脂清掃をしたらブースにセットして本塗り準備完了です。

しっかりエアーブローをして埃を飛ばします。

まずは全体にプライマーを塗布します。

この時点で塗るプライマーは薄膜で、それ故に打痕や傷などを埋める効果はありませんから、それぞれの特徴を使って作業を2回に分けているという感じです。

続けて塗膜を厚くしたくない箇所=ボディへのボルト取り付け部とガスケット当たり面、パッドを固定すシャフトを通す穴にベースコートの黒を薄膜で塗ります。

その後それらの箇所をマスキングします。

まずは隠蔽力の高い赤=ベンガラ等の無機顔料が入った原色を使って下塗りを行います。プライマーは明るいグレーなのでそのまま鮮やかな赤=ブレンボレッド近似色を塗っても隠蔽はし易いですが、黒の上だと中々染まらない為ですね(「染まる」は例えというか業界用語で実際に染色している訳ではありません)。

続けてブレンボレッド近似色を塗布します。

テープフリーな状態になったらロゴ入れを行います。ロゴは元と同じようフロント80mm、リヤ54mmでマスキングシートを作成しました。

ロゴの色は白=フォルクスワーゲンのキャンディホワイト(LB9A)を使用しています。

ロゴの白が塗り終わったらマスキングを剥がし、

タッククロス(不織布に粘着物質が塗布された物)で擦ってバリを取り除いておきます。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

ブレンボキャリパーの塗装は個人の方からは勿論、

ボディショップ(自動車板金塗装屋さん)やチューニングショップ、街の整備工場やディーラー内製工場(集中センター)など色々な所からご依頼を頂いております。

以前、これまでにも多くリピートを頂いてるショップさんに「当店で塗ったキャリパーで何か問題が起きた事とかないですか?」と伺ったところ、「サーキットでも使用しているが全く問題無いです」とお墨付きを頂いております。有名なショップさんなので信用度は高いと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、

後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!