大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたBang&OlufsenのBeoLab3スピーカーの塗装、本日完成となります。
最初の状態も紹介します。
元々はラバーコートが施されていて、
これの特徴としては経年で劣化すると表面がベタベタになり、爪で引っ掻くと簡単に削れてしまったりします。
なので既存の被膜は全部剥がし、新たに艶消し黒の塗装を施しました。
今回施している塗装は自動車ボディのそれと同様の物ですので、今後同じように経年でベタベタしたり簡単に剥がれたりはしませんのでご安心くださいませ。
先日溶剤槽に浸け置きをしておいたBang&OlufsenのBeoLab3スピーカーです。
その後さらに数日間浸け置きし、ようやく既存のラバー被膜を剥がす事が出来ました。一個は比較的簡単に剥がれてくれたのですがもう一個の内部が結構しっかり着いていて、ただ内部はワイヤーブラシが入らない歪な形状なのでこれが取れ切れるのに少々時間が掛かりました。
元の形状を崩さないよう注意しながら表面を#240~#320で軽くサンディングします。
その後リン酸処理を行います。腐食の発生を抑えつつ、この後の塗料(プライマー)の密着性を良くする為の化成処理です。
塗装する位置としては少し高いのですが、その方がゴミの付着はし難いのでこれで良しとしています。
プラスチック素材の蓋は溶剤を使っての剥離作業は出来なく、ただこちらは状態が良かったのでそのまま剥がさず、クリアーを下塗りしてその後熱を掛けて完全硬化させ、#800~#1300相当で研磨足付け処理をしています。当店で多く扱っているドイツ車内装パーツの新品塗装はいつもこの方法で行っていますので問題ありませんからご安心くださいませ。
黒の原色そのままだと粒子の大きい顔料(メタリックやパール・シリカゲル等)が入っていないので、このように半艶っぽい仕上がりになります。
その後艶消しクリアーを塗布します。全体が霧っぽいのはクリアーのミストがまだ排出されきっていないからですね。ゴミが着くのが嫌なので塗った後直ぐに撮影して、その後場所を端に移す為です。
艶消しクリアーは艶ありと同様、ウェットで2コート塗っています。
艶消しクリアーは膜厚が薄いと(1コート程だと)全艶消しになりますが、それだとダマやムラが出ますし、塗る毎に艶具合が大きく変わってしまうので、しっかりウェットで2コート塗るのを基本としています。
艶消し・半艶仕上げは塗装後の磨き処理が出来ない為(艶が出てしまう為)、とにかくゴミが付かないよう気を付けて作業をしています。
私の艶消し塗装のやり方としては、まずベースコートでしっかり隠蔽させ(2~3コート)、その後よく乾燥させたら表面を軽く中研ぎ&タッククロス当てを行って表面に付着したゴミの除去、その後艶消しクリアーを作ってスプレーガンに入れて塗れる準備を済ませ、再度被塗物と身体中とスプレーガンをしつこいくらいのエアーブローで埃を飛ばし、最後のベースコート塗装(1コート)→乾燥するまでじっと動かず15分程度のフラッシュオフタイム→クリアーコート、といった感じです。15分何もしないのは辛いので、同じくエアーブローしてクリーニングしたiPadやスマホを見て時間を潰していたりします。とにかく体を動かさず、無用に何かに触れないようにですね。
目立つゴミの付着も無く、良い感じに仕上がってくれたと思います。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
元々塗っていたラバーコートとは全く違う物で、質感は多少なり違うかも知れませんが、今後同じ様に被膜が劣化してベタベタするような事はありませんのでご安心くださいませ。
こちらのプラスチックパーツのラバーコートが劣化していなかった理由としては、恐らくはアルミ製の筐体の方は結露によって被膜表面の湿度=水分量が増えた為で、劣化の原因は酸化だけでは無く湿度が大きく関係しているのでは、と思う次第です。
先日お預かりしておりましたBang&OlufsenのBeoLab3スピーカーです。
元々塗られているゴム状の被膜は劣化してベタベタになっているので、
アルミ製の筐体はそのまま溶剤槽に浸け置きをして既存の被膜を除去しています。
溶剤槽の中身はスプレーガン等の洗浄に使用し終わったシンナーで、本来はそのまま捨てってしまう物ですが、上澄みをここに貯めて剥離用として使っています。剥離剤の様に強力ではありませんが、その後の廃棄処理に手間が掛からない事、また時間さえ掛けられれば手放しで作業が進行しているので私的にとても気に入っています。
場所によってはまだくっ付いている箇所があるので、引き続き浸け置きしておきます。
蓋となるパーツは素材が樹脂=プラスチックの為、先ほどのように溶剤は使えませんから(溶けたり変形します)、
ラバー被膜が劣化している場合は溶解力の弱い溶剤(IPA等)を使ってネチネチと剥がしたりしますが、今回こちらはそこまで劣化しておらず、なのでいつもの下地処理で大丈夫そうでしたが、知り合いの塗装屋さんに「マジックリン」を使う方法を教えて貰ったのでそちらも試してみました。これを使うと生きている被膜はそのまま残り、劣化した被膜だけ綺麗に取れてくれるとの事です。
その後はいつものようにウォッシュコンパウンドとスコッチ&ナイロンブラシを使って足付け処理を行い、
サフェーサーでも良いのですが、特段傷があったり肌が荒れている訳では無かったので、それの代わりにクリアーを使ったという感じです。
この後は60℃40分程の熱を掛け、完全硬化したら再び足付け処理を行って上塗り(艶消し黒)となります。アルミ筐体の方がまだ時間が掛かるのでもう少し先になると思います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!
先日到着しておりましたBang&OlufsenのBeoLab3スピーカーのアルミ製筐体です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!
素材はアルミで、表面にはゴム状の被膜=ラバーコートが施されています。フォルクスワーゲン等の欧州車の内装に多く採用されている塗装ですね。
それが経年の劣化によりベタベタになり、爪で軽く引っ掻くとグニュっと簡単に抉れます。10年程度で廃棄される消耗品的な物であればそれでも構わないのかも知れませんが、今回のように長く使われる事が想定される物に採用されるべきものでは無いですかね。
御依頼内容は「つや消し黒」の塗装で、このまま上塗りは出来ませんから、まずは溶剤槽に浸けてこれらの被膜を剥がし、リン酸処理とプライマーの塗装を行う予定です。
こちらのパーツは素材が樹脂製なので溶剤浸け置きは出来ませんから、素地を侵さない溶剤(アルコール系)を使ってネチネチと剥がすか、もしくは違う方法(通常行うのはこちら)で対応しようかと思います。
参考までに、艶消し黒で塗装した画像を紹介します。
こちらは元々白だったり装飾クロムメッキだったスバルフォレスターのパーツですね。ベースコートの黒+艶消しクリアーの2コート仕上げで、これであれば今回のような結果になる事はありません。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!