SHUREワイヤレスマイク塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたSHURE QLXD2ワイヤレスマイクの塗装、本日完成となります。

先に塗装していたアルファロメオのヘッドカバーはもう少し寝かしてからの完成となりますのでもう暫くお待ち下さいませ(特に不具合が発生したとかではありませんのでご安心下さい)。

最初の状態も紹介しますね。

 元々は艶消し黒の状態で、また今回はヘッド部を別体(別売り)のELEFUNKEN M80Wに交換している為、そこだけ色(質感)が違うようになっていました。本体は塗装なのにヘッド部は黒アルマイト仕上げだからですね。

塗装するのは本体の3部品で、ただし今回は2色をグラデーションで塗装する為、それぞれの部品は組み付けた状態で塗装する事にしました。

 正面から見た状態だと、マイクの上の部分が「グリーン→青」に変化する「クロマフレア風No.7」を塗っていて、

 下の方は「マゼンタ・イエロー・オレンジ・黄緑」に変化する「クロマフレア風No.9」を採用しています。

 さらにマイクの裏側はそれを上下逆にしてあります。

 光の当たる角度によって色が変わるので、ステージ上でもかなり映えるのではないでしょうか。

当店としては余り行わない塗装ではありますが、作業内容自体はいつもの通りですので、強度は自動車ボディの塗装と同等とお考えいただければと思います。またクリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」を使用しています。

 こちらは自然光化で撮影した画像です。

 自然光だと金属感が強く感じられるのが特徴でしょうか。

 こちらはストロボを使って撮影した画像です。

 どの画像も撮ったままの未加工で、サイズのみ半分程に縮小しています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SUBARU BRZ Interior Parts

 スバルBRZの純正内装部品です。艶消し黒の塗装でご依頼を承りました。

 メータークラスターはPP(ポリプロピレン)製の未塗装品で、表面はザラザラとした梨地となっています。

 インパネはてっきりカーボン柄の成型品かと思いきや、プラスチックの上にカーボン調のシートが貼ってあります。

 カーボン調のシートは裏側に回り込んで貼られている為、その上に被さっている枠を外します。

 ドライヤーなど色々試してみましたが端が千切れて上手く剥がせない為、思い切ってサンダーで削り落とす事にしました。

 カーボンシートを残さず剥がしたらダブルアクションサンダーで素地を均します。

最終番手を#180で整えたらシリコンオフを使って脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布します。

メータークラスターは表面がザラザラとした梨地で、これにそのまま上塗りをしても美しい仕上がりにはならない為、まずは平滑な下地を作ります。全体を#120~#180のペーパーで研磨し、

ペーパーが当たり難い箇所にはスコッチブライトやナイロンブラシ、ウォッシュコンパウンド(液状の研磨材)を使い、隅までしっかり足付け処理を行います。

こちらも良く脱脂清掃し、爪部分をマスキングして台にセットします。

さらに念を入れて、足付け処理のし難いボルト穴周りやスイッチ部の断面部分、裏に回り込んだ箇所などにガスプライマーを使って火炎処理を行っておきます。

 全体にサフェーサーを塗布します。

後にかなり削るので、5~6コートをウェットに塗り込みます。

 その後60℃40分程の熱を掛けて硬化させ、さらに数日寝かしました。

砥ぎ作業の前にガイドコートとして全体に黒をスプレーしておきます。

最初は固い当て板を使い、#320~#400で平滑なラインを研ぎ出します。

 その後は#600~#800で細かいラインを整えます。

 メータークラスターも同じように全体を平滑にするよう研ぎ出し、

 最終#800の目に均しておきます。

 一番最初に外しておいた枠を取り付けておきます。元々溶着で着いていた為、同じようにABS樹脂で溶接しておきます。 良く脱脂清掃し、本塗の準備を行います。

 

今回は艶消し仕上げの為に塗装後の磨き処理が出来ませんから、ゴミが着かないよう目立つ被塗面を地面に対して垂直にし、また高い位置で固定出来るようにしました。

 まずはベースコートを塗布します。

この状態でも艶消し仕上げにはなりますが、強度(耐久性)が無いので、

 この後にクリアーを塗ります。

クリアーは艶消し仕上げ専用の物で、強度としては艶あり仕上げと変わりありません。自動車車体の塗膜と同等の物となります。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

 下地をしっかりと整えた事と、上塗りもウェットに塗り込んだ事で、傷の付き難いツルンとした美しい艶消し仕上げになっているかと思います。

SUBARU Impreza Shift Panel

同じ色(黒)でも、艶具合によってその仕上がりは大きく変わります。上記の記事では艶消し・半艶・艶ありの仕上がりをそれぞれ紹介していますので、艶具合でお悩みの方はご参考にしてみて頂ければと思います。

三菱 i(アイ)ヘッドカバー 下塗り

三菱 i(アイ)ヘッドカバー塗装承ってます

先日お預りしておりました三菱i(アイ)のエンジンヘッドカバーです。先日アルファロメオのヘッドカバーの本塗りが完了しましたので、続けてこちらも作業着手しております。同じ様な内容なので並行して作業が出来そうかと思いきや、中々そう上手くは行かない訳でして(頭の切り替えが難しいのです…)、長らくお待たせしておりました。

 ヘッドカバーは新品でも腐食(黒ずみ)防止の為か、アルミ表面が油っぽくなっている事が多く、そのままリン酸処理をすると弾いてしまい効果が無い為、まず最初にシンナーで洗い流すようにして全体を脱脂清掃し、その後リン酸処理を行います。

さらに水洗い後には一日以上乾燥させ、よく水気を飛ばしておきます(またはタイミングが良ければ恒温器に入れて一旦熱を掛けてしまいます)。

 その後全体にプライマーを塗布し、

 プラグキャップは恐らく外から被さるタイプの為、無用に膜厚を着けないようベースコートの黒を塗り、

テープフリーになったらマスキングをします。ここは最後までクリアーは塗らないようにします。

 続けて下塗り用のベースコートを塗ります。と言っても使うのは本塗り時と同様、マツダの「ソウルレッドプレミアムメタリック」のカラーベースを使います。次に本塗りを行う時、ベースコートの膜厚が薄く済むようにですね。尚ベースコートは薄ければ薄い程仕上りが良く(艶引けが無く)、逆に厚くなると塗膜の強度(主に密着性)が下がるので塗り過ぎには注意が必要です(どうしても厚膜になる場合は一旦クリアーを塗って反応させ、二回に分けるという手があります)。

 アルミ素地の時には判りませんでしたが、やはりと言うか鋳造素地の粗さが目立ちます。

 何でもない面もカクカクしていたりと、巣穴や傷以外でも、そのまま上塗りをしていたらちょっと残念な仕上りになっていたと思います。

 そしてクリアーを塗って下塗り完了です。いつもの仕上りと違ってデロデロしているのはクリアーを塗り過ぎた訳では無く(むしろいつもより塗っていません…)、素地が粗いからです。ただ鋳造製品にしては全然良い方で、だからこそ下地処理無し(素地調整無し、サフェ研ぎ無し)でもここまで仕上ります。普通はあり得ないのですが…。

 尚、本塗り時にはもう一度これと同じカラーベースと、さらにキャンディーレッドを重ねて鮮やかなソウルレッドプレミアムメタリック風の仕上りにします。

また本塗りの前には、先日アルファロメオのヘッドカバーでも行ったように、ある程度ペーパーを掛けて表面を均しておこうと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせていただきますね。チヂレ防止の為まだ少し先になると思いますが、どうかもう少々お待ち下さいませ!

RX-7 FD3Sリヤブレーキキャリパー 本塗り

 先日素地調整を行っていたMAZDA RX-7 FD3Sの純正リヤブレーキキャリパー一式です。いつものブレーキ屋さんにてサンドブラストによる下地処理を行って頂きました。

 事前にある程度削っておいた正面部分は#80シングルサンダー仕上げで、そのままだと傷が深いので#120のシングルサンダー→#120ダブルアクションサンダーでペーパー目を均します。アルミだと#120仕上げでは傷が深すぎますが、鉄なら大丈夫です。

 シリコンオフで洗い流すようにして脱脂清掃し、必要に応じてマスキングをし直し、ブースにセットしたら本塗り開始です。

 まずは全体にプライマーを塗布し、

 塗膜を厚くしたく無い個所にベースコートの黒を塗布します。

乾燥後、マスキングをします。

  フライスで切削された個所のマスキングは、少し大きめのサイズのマスキングシートを若干食み出るように貼り、ただそれだけだと塗装中に縮んで(もしくは伸びて)皺が寄ってフチの仕上りが悪くなる為、コシのある紙タイプのシールを重ねて貼って補強するようにしています。この方法に気付くのに20年掛かってしまいました・・・。

 そしてベースコートを塗布します。色はフロントに装着したENDLESSのキャリパーの近似色として、色見本帳からマツダの「スターリーブルーマイカ」(カラーコード:24A)を選んで頂きました。細目で赤味のある干渉ブルーパール(MIX839)が多く使われた色となります。

 また今回はパッドを固定する部品の一部にENDLESSのロゴ入れも承りました。

サイズが小さいのでデカールを予定していましたが、先日カッティングロッターの刃とピンチローラーを新しくしたら非常に調子が良くなり、細かいカットもやり遂げてくれるようになりました。

 ロゴは白で、いつものVWキャンディーホワイトを使用しました。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 ブレンボなどのアルミ製と違って鋳鉄製の為、全体的に凸凹とした仕上りなのは仕方ないのですが、

 装着時に目立つ正面部分のみサンダーで削って平滑にしている為、何もしないよりかは艶々に仕上がっているかと思います。

 パッドを固定するパーツも同様に、

 装着して見える正面部分は比較的平滑な仕上りとなっています(ただし削っただけなので巣穴や歪は残ります)。

ENDLESSのロゴも丁度良い具合で配置出来たと思います。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

アルファロメオヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

 先日お預りしておりましたアルファロメオ GT1300Jr.のエンジンヘッドカバーです。

その後アルカリ洗浄槽にて浸け置きし、裏側に残っていたガスケットなども綺麗に剥がしておきました。

 まずはサンドブラスト処理を行います。ホースパイプ取り付け部とボルトも着けた状態で、こちらも一緒にブラスト処理を行います。

マグネシウム製品や、アルミ製でも古いヘッドカバーで良く見られるのがこういった金属表層の層間剥離で、膨れた部分をそのままにすると塗装まで浮いたような状態になってしまう為、予め潰しておく(削り落としておく)必要があります。

 明らかに浮き上がっている部分はピックツールで捲り上げるようにして剥がし、その後シングルサンダーで広めに削っておきます。また強くエアーブローをして剥がれ予備軍を残さぬよう、虱潰しにしておきます。

 その後全体的にダブルアクションサンダーで均しておきました。

この後は洗浄も含め、リン酸処理を行って十分に乾燥させておきます。

 後日マスキングを行い、本塗り開始です。

 ホースパイプ取り付け部とそのボルトも一緒に塗装します(ボルトは新品に変えた方が望ましいので、一応といった感じです)。

 まずは全体にプライマーを塗り、

 ボルト取り付け部は一応結晶塗装は塗らないようにし(前回施工した同型ヘッドカバーだとここに液体ガスケットが塗られていたので恐らく漏れやすいのではと)、代わりにベースコートの黒を塗っておきます。

ホースが被さる個所も同様にし、テープフリーになったらマスキングをします。ボルトも黒に塗り、そちらはこの時点で完成として別けておきます。

 オイルキャップは通常の内ネジ式では無く、外側の縁に引っ掛けて固定するタイプなので、その部分も結晶塗装では無く艶消しの黒仕上げにし、マスキングをしておきます。

そして結晶塗装を行い、140℃30分くらいの熱を掛けてチヂレ目が出たら本塗り完了です。お待たせしました!

 色はグレーシルバーとなります。

 「AlfaRomeo」の凸文字部分は最後に研磨して光らせ、腐食の進行を遅らせる為にクリアーを筆で塗っておきます。

ホースパイプ取り付け部を固定しているボルトは仮止め用なので気にされなくて大丈夫です。

後日凸文字を削り、クリアーを塗ってもう一度焼いたら完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!