三菱 i(アイ)ヘッドカバー 下塗り

三菱 i(アイ)ヘッドカバー塗装承ってます

先日お預りしておりました三菱i(アイ)のエンジンヘッドカバーです。先日アルファロメオのヘッドカバーの本塗りが完了しましたので、続けてこちらも作業着手しております。同じ様な内容なので並行して作業が出来そうかと思いきや、中々そう上手くは行かない訳でして(頭の切り替えが難しいのです…)、長らくお待たせしておりました。

 ヘッドカバーは新品でも腐食(黒ずみ)防止の為か、アルミ表面が油っぽくなっている事が多く、そのままリン酸処理をすると弾いてしまい効果が無い為、まず最初にシンナーで洗い流すようにして全体を脱脂清掃し、その後リン酸処理を行います。

さらに水洗い後には一日以上乾燥させ、よく水気を飛ばしておきます(またはタイミングが良ければ恒温器に入れて一旦熱を掛けてしまいます)。

 その後全体にプライマーを塗布し、

 プラグキャップは恐らく外から被さるタイプの為、無用に膜厚を着けないようベースコートの黒を塗り、

テープフリーになったらマスキングをします。ここは最後までクリアーは塗らないようにします。

 続けて下塗り用のベースコートを塗ります。と言っても使うのは本塗り時と同様、マツダの「ソウルレッドプレミアムメタリック」のカラーベースを使います。次に本塗りを行う時、ベースコートの膜厚が薄く済むようにですね。尚ベースコートは薄ければ薄い程仕上りが良く(艶引けが無く)、逆に厚くなると塗膜の強度(主に密着性)が下がるので塗り過ぎには注意が必要です(どうしても厚膜になる場合は一旦クリアーを塗って反応させ、二回に分けるという手があります)。

 アルミ素地の時には判りませんでしたが、やはりと言うか鋳造素地の粗さが目立ちます。

 何でもない面もカクカクしていたりと、巣穴や傷以外でも、そのまま上塗りをしていたらちょっと残念な仕上りになっていたと思います。

 そしてクリアーを塗って下塗り完了です。いつもの仕上りと違ってデロデロしているのはクリアーを塗り過ぎた訳では無く(むしろいつもより塗っていません…)、素地が粗いからです。ただ鋳造製品にしては全然良い方で、だからこそ下地処理無し(素地調整無し、サフェ研ぎ無し)でもここまで仕上ります。普通はあり得ないのですが…。

 尚、本塗り時にはもう一度これと同じカラーベースと、さらにキャンディーレッドを重ねて鮮やかなソウルレッドプレミアムメタリック風の仕上りにします。

また本塗りの前には、先日アルファロメオのヘッドカバーでも行ったように、ある程度ペーパーを掛けて表面を均しておこうと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせていただきますね。チヂレ防止の為まだ少し先になると思いますが、どうかもう少々お待ち下さいませ!