RB26→RB28タイミングベルトカバー 本塗り

先日調色作業を行い、さらにその前にサーフェサーを塗っておいた日産GT-R用RB26エンジンタイミングベルトカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

まずは#320→#400を使って空研ぎします。こちらのパーツは平面部分が結構凸凹している為、このサフェ研ぎの段階でこれらを整えておくようにしています。そもそも「6」を「8」に換えるだけならそんなに難しくは無く(削って貼るだけですので)、それ以外の部分に手間と時間が掛かっていたりします。

粗研ぎが終わったら再び全体にガイドコートを行い、今度は#600→#800で水研ぎを行います。特に時間が掛かるのが凸文字周りで、文字の隙間には普通の当て板は使えませんから、厚さ1.5~3.0mmのアクリル板を当て板に使って研ぎ作業を行っています。

最後に#1500と布状研磨副資材(アシレックスレモン)でペーパー目を均し、フチなど下地が出易い箇所の足付け処理を行います。

「RB28」の凸文字部分は後でまた研磨するので、この時点では#120の粗研ぎに留めています。

台にセットし、よく脱脂清掃をしたら本塗り開始です。

研ぎ作業ではどうしても角の部分で金属素地が露出してしまうので、

こういった箇所には、

プライマーを塗布しておきます。

プライマーは全体に塗る場合もありますが、今回のように平面メインの物であれば下地が出ている箇所は判り易いので、スポット塗り=部分的な塗装に留めています。塗って悪い物では無いですが、コート数が増えればそれが艶引けの原因となったりするので、無用な事は極力減らしたい感じですね。

まずは裏返して、

ここはいつも通りベースコートの黒を塗布します。

マスキングをしたら元に戻し、

まずは下色として、隠ぺい力の高い無機物系顔料(STANDOX原色だとMIX567で、鉛丹やベンガラ等が含有された原色)を使って、明度差が少ない似たようなオレンジゴールドで下地を隠ぺいします。

続けて配合データ通りに作った日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)を2コート程塗り、最後に調色済みの同色を同じく2コート程塗布します。

ベースコートをよく乾燥させたら、凸文字を研磨してアルミ地を光らせます。

小さい面積ですが金属の研磨は傷が残り易いので、#120→#180→#240→#320→#400→#500→#800→#1300と番手を小刻みに、またこれらは全て新品のペーパーを使って研磨しています。

アルミ地が光ったらマスキングを剥がし、タッククロス(粘着剤が塗布された不織布)とエアーブローで研ぎ粉をしっかり除去します。

アルミ地が露出した箇所に密着剤を塗布し、最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

単に塗っただけとサフェで下地を整えている塗装とでは、全然違った仕上がりに感じられるかと思います。

新たに取り付けた「8」は、特にフチの処理に気を遣っていますので、

これだけを後から貼り付けたとは感じられないと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー凸文字加工&塗装承ってます

先日到着しておりましたスカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

塗装の御依頼を頂いたのはこちらの黒いタイミングベルトカバーで、

いつものようにこちらの「6」を削り落とし、新たに「8」の凸文字への加工を承っております。

アルミ素地の腐食も発生していますので、下地処理にはサンドブラスト作業(軽め)も承りました。

こちらのタイミングベルトカバーは色の見本用にお預かりした物です。

塗色は恐らく「ミレニアムジェイドメタリック」(JW0)と思われますが詳細は不明で、今回はこちらの色に合わせての調色作業(有料)も承りました。

参考までに以前施工した同型部品の画像を紹介します。

こちらも元々は「RB26」だった物で、今回と同じ様に元々塗られている塗色=この時は紫系パールの艶消し塗装に合わせて調色作業を行いました。RB26のタイミングベルトカバーの加工&塗装は色々やっていますが、艶消し塗装は割り増し費用が必要な為、この時が一番高額となっています。

他にはRB30仕様なども行っていて、こちらはその後アメリカのラスベガスにまで渡っていたようです。

とにかく今年はこのタイミングベルトカバー施工の御依頼が多く、業者様からの御依頼で紹介していない案件も幾つかありますが、今回の物で7個目くらいになるかと思います。二カ月に一個は塗っている感じだったのですね・・・。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMW RnineTヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたBMW Motorrad R nineTのシリンダーヘッドカバーパネルです。

片方のカバーと土台には傷があるので、

ダブルアクションサンダー#120→#180で研磨して均します。

その後足付け処理の為にサンドブラストを行います。

ちなみに当店にある吸い上げ式のサンドブラストでは塗膜を剥がす程の威力は無く、ただブラスト専門店にて強力な直圧ブラストを御願いする場合も現在は結局塗膜は剥がしてからの受付となっていますので、そのまま発送するという事はありません。既存の塗膜を全部剥がすのは結構な手間(コスト)が必要なのです。

ブラスト作業後、全体をシンナーで洗い流す様にして脱脂洗浄を行い、

まずはプライマーを塗ります。

プライマーは金属が露出した箇所のみで良かったのですが、塗って悪い事は無いので一応全体に薄く塗っておいています(目では見え難い角とかで金属が露出していた場合を考えて)。

また今回はヘッドカバーのボルト取り付け部には結晶塗装はしないよう承っていますので、その部分にはベースコートの黒を薄膜で塗っておきます。

同様にカバーパネルの裏側にもベースコートの黒を塗っておきます。特に機能上良くなるような事は全く無く、単に格好良く見える為だけですね。

ボルト部分4箇所をマスキングします。同じ物を扱うなら決まった事をやるだけなので簡単なのですが、毎回違う物となるとそれぞれに対応しなければならない為、各サイズにカットしたマスキングシートを予め用意しています。

蓋は板の上にネジで固定しておきます。

土台となるヘッドカバーは黒に若干のブルーパールを入れた色で、

カバーパネルはブルーにブルーパールを入れた仕様で承っています。

まずは土台のヘッドカバーを塗ります。

塗料が入り難い部分(溝や穴)は先に塗っておき、その後全体に4~5コートを塗り重ねています。

その後熱を掛けて結晶目を出しつつ、カバーパネルの塗装を行います。

どちらも塗り終わったら一緒に140℃程度の熱を掛けて焼付けます。

ぱっと見は黒にしか見えませんが、

若干のブルーパールが入っているので通常の黒とは違った見え方となります(と言っても知らないと判らないレベルですが)。

この時点で結晶目は出ていますが、塗膜は若干柔らかい感じがするので、後日今度は恒温機で120℃30分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

ただこれだけで熱を掛けるのは勿体ないので、他に熱を入れたい物が出来たら一緒に行う予定です。ちなみに通常のプラスチックパーツ(テールランプ等)に120℃の熱を掛けると変形してしまいますが、恒温機は保温性が高いので加熱が終了して70℃くらいに温度が落ちた時に扉を開けて追加したい物を入れるとその後60℃前後で40分程の熱を掛けられたりします(気温が低い冬場は追い焚きをしたりします)。

今回は凸部を研磨する作業が無いので、2度焼きを行って数日寝かしたら完成となります。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 調色

先日到着しておりました日産GT-R用RB26エンジンのプラグカバーです。現在施工中の同車タイミングベルトカバーの色見本として送って頂きました。

色はR35GT-Rに採用されている日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)で、これに関してはメーカーから配布されている配合データもありますが、今回はさらに調色作業(有料)も承りました。

今までの一般的な調色方法としては、メーカーから配布されている配合データから色を作って実車(見本)と照らし合わせて調整を行う方法がありますが、今回は珍しく平面部分があったので、測色機=アクワイヤーを使って配合データを出してみる事にしました。

ただ使うのが余りにも久しぶり過ぎてソフトの使用期限が切れていた事に気が付かず、困ってデモマンの方に連絡したところ、緊急の対応方法を教えて頂き無事使えました!

カメラで読み込んだ画像を基に修正が行われた配合データを使って塗料を作成します。

ちなみに自動車のボディ色であれば各塗料メーカーからその配合データは配布されていますが、塗料の原色はメーカー毎に違っている為、今回のように予め再塗装されていた物だとしても同じ色が出来るとは限りません。と言うより同じ色になる事はまず無いです。

さらには実車の色も車体毎に色ブレは生じていて、以前作成しておいた色でも、同じ車種なのに今回の車両とでは全く違う!なんて事も普通にあります。

バイクのパニアケースやフロントグリル等であれば多少の色ブレがあっても目立ちませんが、例えば四輪車のドアを交換した場合はそれだけを塗ると隣接するパネル=フロントフェンダーとリヤクォーターパネルとの色違いが目立ってしまいますから、調色作業をした上でさらにどちらのパネルにもベースコート(色)のボカシ作業(塗装)を行うのは基本的な作業だったりします。コストを極力抑えたいという実費作業ならブロック塗装を行う事もあり得ますが、保険作業でわざわざボカシ無しで1パネルのみの塗装にする事は普通しないですよね(勿論メリットよりデメリットが上回る場合は何とかしてブロック塗りを行う場合もありますが)。

と言う事で今回は測色機を使えたのでちょっと安心していた所もあったのですが、やはりと言うかブロック塗りとなると(タイミングベルトカバーだけの塗装となると)全ての方向=正面&斜め&透かし全てを合わせようとするのは難しく、結局かなりの時間を要してしまいました。

配合データそのままだと正面で見た時のメタリック感=MIX895のオレンジメタリックが強く、それを抑える為にその他の原色=主にマルーン系を増やし、

さらに斜めの角度で正面の黒さを出しつつ、透かしの透明感のある白さを出す為にフリップコントローラー=MIX008を使って調整を行いました。

尚ベースコートだけだと艶が無いので色の確認が出来ませんから、途中まではシリコンオフをスプレーして色味を確認していますが(缶スプレータイプの艶出し剤と同じです)、ある程度のところまで来たら実際にクリアー(硬化剤は入れず主剤とシンナーのみ)を塗って色味を確認します。

完全とは言いませんが、配合データそのままに比べると大分良くなったと思いますので、こちらを本塗りに使おうと思います。

ちなみに調色で作った塗料は0.03L程度なのでこれでは足りず、なのでこれとは別に下塗り用を配合データそのままで作り、最初にこれで完全隠蔽してから調色して作った色を最後の2コートに使います。小物の塗装の場合、塗料を無駄に余らせても使い道が限られますから、出来るだけ無駄を無くす為ですね(それにしても塗料の高騰が止まりません…)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ランドクルーザーサイドバイザー塗装 完成

大変お待たせしました!先日残るフロントバイザーのロゴ入れ塗装を行っていたトヨタランドクルーザー100の純正サイドバイザー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態で、一緒にお預かりした塗装済みのバイザー(画像最下段)を参考に、それより少し濃いスモーク塗装にしています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

一旦スモーク塗装で完成した後、

元の状態と同じような感じでTOYOTAのロゴ入れ塗装を行いました。

ちなみに部分的に(ロゴだけで)塗装を行う事も不可能では無いのですが、品質的な事を考えてクリアーは製品全体に塗り直しています。

これらの画像だとスモークがかなり濃く見えますが、これはバイザーを透過した光が下に敷いている布に吸収されてしまっているからで、実際には先日掲載した本塗り時の画像のように透明感のあるスモークに仕上がっていますのでご安心くださいませ。

 

参考までに、下が見本としてお預かりしたスモーク塗装済みのバイザーで、上が今回塗装したバイザーとなります。

同じくこちらも下が見本のバイザーで、上が新たに塗装した物となります。

ちなみにこちらは一緒にお預かりしていた同車のテールランプです。既に先日完成しておりまして、今回のバイザーと一緒に発送します。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度の御依頼、誠に有難う御座いました!