マウスカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたマウスカバーです。

現状は艶ありの黒に塗装されていましたので、全体を#800→#1300の空研ぎで足付け処理を行いました。

脱脂清掃し、念のためフチ~裏側に周り込む部分までプラスチックプライマーを塗布しておきます。

そしてベースコートを塗布します。色はVW社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)となります。

続けて艶消しクリアーを塗布します。

・・・が!

クリアーを塗った途端、フチの色が変わりました。これは所謂「滲み」(ブリード)ですね。

塗装されている部分は問題無いのですが、

プラスチック素地が露出していると思われるフチや角で色が変わっています。恐らく元々塗られていたのは「艶あり黒」では無く「透明なクリアー」で、黒の色自体は樹脂素地の色=着色樹脂だったと思われます。この場合、樹脂中に練り込まれた染料が溶剤に溶け出す事によって色が滲んだようになります。元々塗装が前提とされる自動車部品でこういった事はまず無いのですが、家電製品等では「より黒く見せる為」としてこういった事がされているのをよく見受けられます。

と言う訳で、その後熱を入れて塗膜を完全硬化させ、後日改めて同じ仕様=キャンディホワイト+艶消しクリアーで本塗りを行いました。

今度は大丈夫です。

塗装の対象を自動車関係から小物全般に移してからはこういった想定外の事は多々発生していて、最初の事はかなり凹んだ時もありましたが、今は納期を未定にする事で時間的に焦る必要は無くなりましたから、比較的落ち着いて対応出来るようになっています。今回も一回目の本塗りは結構前に行っていたのですが、その後同じ白で塗る御依頼が入ったのでそれと一緒に行う事でロスを減らしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!