ポルシェ986ブレンボキャリパー塗装&OH承ってます

先日到着しておりましたポルシェ986ブレンボキャリパーです。この度の御依頼、誠にありがとうございます!

御依頼内容はキャリパー本体を赤に、ロゴは既存のPORSCHEから「brembo」への変更で承っています。ロゴの色は白となります。

また今回は塗装の他にオーバーホール(シールとブーツの交換)も承っています。

尚OHと下地処理(サンドブラスト)についてはいつものブレーキ屋さんへの委託で、そちらについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照くださいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

キャリパー本体はアルミ製でアルマイト処理が施されているのでそんなに腐食は目立ちませんが、パッドを止める鉄製のピンは結構錆が出てますね。こちらもブラスト後、プライマーを塗っておくようにします。

以前の施工画像を紹介します。

キャリパー本体の色とロゴの色はこの時と同じような感じで、

ロゴのサイズは先日本塗りを終えた同型キャリパーと同じようにしようと思います。横幅75mmの仕様ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ホンダライフ360ヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたホンダライフのヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄槽で浸け置きをしておきました。

各部をマスキングし、サンドブラストを行います。腐食は見られなかったのですがツルツル過ぎると塗装の密着性が悪いので(リン酸処理だけでは十分な素地調整が出来ない恐れがある為)、足付け処理の為にブラスト作業も行っています。

その後リン酸処理を行って洗浄をし、改めてマスキングをし直します。

まずは全体にプライマーを塗布します。

ホースパイプ部は結晶塗装を塗らないようにしたく、ただアルミ素地のままだとそこから腐食する可能性があるのでここもプライマーを塗装し、見た目をよくする為にベースコートの黒を塗っておきます。

そこが乾いたらマスキングを行います。

結晶塗装用の塗料(リンター)は使い易いよう予め小ボトルに小分けしていますが、黄色は余り使う出番が無い為、購入した4キロ缶そのままにしています。長く使わないと主な成分(樹脂と顔料)が底に沈殿して固まってしまっているので、攪拌棒を使ってしっかり混ぜ合わせておきます。鮮やかな黄色なのに黒い何かの成分が浮いているという事は、恐らくこの辺がチヂミに必要な成分なんでしょうね。

色はこの時のCR-Xのヘッドカバーを参考に、結晶塗装用原色のイエロー・オレンジ・黒・白を混ぜて作ります。

出来上がった色を全体が均一になるよう5コート程塗布します。

以前は結晶塗装関係の御依頼品を3~5個程纏めて塗るようにしていましたが、塗装中に余りの緊張状態で心拍数が上がって倒れてしまいそうになる事が多いので、最近は採算が合わなくても一個ずつ塗るようにしました。いずれ結晶塗装は受付を辞めるか、もう少し費用を上げさせて頂かないと今後続けるのは厳しそうですね。

その後120℃~170℃程の熱を掛けて塗膜を硬化(熱重合)させます。

そして本塗り完了です。お待たせしました!

この後はもう一度恒温機で120℃30分程の熱を掛けて2度焼きを行います。

その後「HONDA」とその周りの枠を削ってアルミ地を光らせ、腐食の進行を遅らせるようクリアーを塗っておくようにします。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム 下準備

先日お預かりしておりましたスバルソルテラ用フロント&リヤの純正エンブレムのメッキ枠です。

そのまま上塗りを行っても塗料は密着しませんので、素地調整を行った後、まずはプライマーを塗布します。

土台が塞がっている方(画像右手前)は、アクリルプレートを外す際にドリルで穴を開けているので、そちらはエポキシ接着剤で塞いでおきました。

プライマーは密着性の上で重要な役割を担う為、フチから裏側まで周り込むようしっかり全体に塗っておきます。両面テープを剥がしたら塗装まで剥がれた!とならないようにですね。

その後数十分程のセッティングタイム(次の作業までの乾燥時間)を設け、続けてサーフェサーを塗布します。

サフェだけでも密着性はあるのですが、装飾クロムメッキへの塗装の場合はそれだけでは足りない恐れがある為、わざわざ別にプライマーを塗っているという訳です。

サフェは裏側まで塗る必要は無いのですが、この後の研ぎ作業でメッキ素地が露出するのは避けたいので、エッジまではしっかりと、そして最後に全体に塗ります。

そしてこちらはスモーク塗装を行う予定のアクリルプレートです。

被塗面を#800~#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン~オレンジ)で研磨して足付け処理し、よく脱脂清掃をしたらプラスチックプライマーを塗布します。

そのままスモーク塗装でも大丈夫な場合はあるのですが、稀にアクリル樹脂が割れてしまう事があるので、下塗りとしてまずは一旦クリアーで全体を覆うようにしています。

恐らく同じ塗装屋さんなら「それで採算が合うのか!」と思われると思いますが、当店の場合はお預かりしてから完成するまでの期間が長いので、その間に他の御依頼品の序に一緒に塗らせて貰い、一緒に熱を入れる事で大きなコスト増にならないよう対応しています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダNBOXオイル&フューエルキャップ 下準備

先日お預かりしておりましたホンダN-BOX用のオイルキャップとフューエルキャップです。

今回はロゴ入れも承っておりまして、オイルキャップにある既存の凸文字やロゴ等は不要となりますから、まずはそれらを削り落とします。

ツマミの左右にある凸凹も塗装をする上で邪魔になるので、こちらも削って平滑に仕上げます。

こういった端部分はエアーツールが使い難いので、当て板を使っての手作業となります。

その後ダブルアクションサンダー#120~180で研磨して凸文字を削り落とし、#240の手研ぎで角やペーパー目を均します。

フューエルキャップも#120~#240で研磨して足付け処理を行います。

台にセットして、よく脱脂処理を行います。

通常はこのままプラスチックプライマーを塗りますが、

念のためガスプライマーでの処理も行っておきます。

ガスプライマーについては以下の記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

Mazda Diesel Fuel Cap

尚PMMA(アクリル樹脂)やABSでこれは使いません。PPやPAのみとなります。

続けてプライマーを塗布し、

サーフェサーを塗布します。この後の研ぎ作業でライン出しも行うのでしっかり5~6コート程塗りますが、一度に塗り重ねると溶剤が籠ってそれが気化→塗膜が膨れるブリスターを生じるので、コート間には5~10分程のしっかりとした乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けています。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせてます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハイエースヘッドライトカバー 本塗り

先日サーフェサーを塗っておいたトヨタハイエース用FRP製社外品ヘッドライトカバーです。その後50℃程で40分×3回くらいの熱を掛けて塗膜を硬化させておきました(それ単体での熱入れでは無く他の御依頼品の強制乾燥が終わった予熱を利用している感じです)。

研ぐ前にガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。

当て板を使って#320の空研ぎでライン出しを行い、#400で角を均し、ペーパー傷の目消しを行います。

その後再び全体にパラパラと黒を塗ってガイドコートを行います。これをしておくとラインの確認&深い傷の取りこぼしを防止出来ます。

#600の水研ぎで細かいラインを調整し、#800でペーパー傷の目消し、その他入り組んだ箇所の角などはコシの柔らかい布状研磨副資材を使ったり、最後は#1500の手研ぎでペーパー目を均しておきます。

その後本塗りまでの間は埃が付かないよう保管しておき、本塗り前日になったら芯棒やクリップを使って台に固定出来るようセッティングを行います。

よく脱脂清掃し、エアーブローを行って埃を飛ばしたら本塗り開始です。

まずはアルミ素地が露出した箇所=ブラインドナットやリベット部にプライマーを塗布します。

その他の箇所はFRP=ポリエステル樹脂なので下地が露出していても問題ありません。

ステー部は膜厚を着けない方が良さそうなので、ベースコートの黒を塗ってマスキングをしておきました。

まずはベースコートを塗布します。

色はトヨタ純正色の「グレーメタリック 」(カラーコード:1G3)となります。輝度感が強く、正面で最も明るく透かしで最も暗いメタリック原色=MIX891が多く使われています。意図的にコントラストを強くしている感じですね。

ベースコート塗布後、よく乾燥させたら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

気温が大分高くなって来たので本塗り時はクーラーを稼働させてブース内の温度と湿度を落とすようにしています。何より作業者(私)の負担が減るのが有難いですね。

 

この後は一晩自然乾燥させ、後日再び50℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきます。この時期日中は工場の屋根裏部屋が常時50℃になるのでそこに一日置いておいたら間違いないですね。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!