ハイエースヘッドライトカバー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタハイエース用FRP製社外品ヘッドライトカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は艶消し黒に塗られていた物を、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地を整えて、

トヨタ純正色の「グレーメタリック 」(カラーコード:1G3)で塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

クリアーには高品位なタイプのクリスタルクリアーを採用しています。

FRP製品の場合はその製造過程からしてどうしても歪や凸凹が生じて、

艶が出るとそれらがとても目立つので、

削って塗って研いで、全体のラインを整えてから上塗りを行っています。

  それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度の御依頼、誠にありがとうございました!

ハイエースヘッドライトカバー 本塗り

先日サーフェサーを塗っておいたトヨタハイエース用FRP製社外品ヘッドライトカバーです。その後50℃程で40分×3回くらいの熱を掛けて塗膜を硬化させておきました(それ単体での熱入れでは無く他の御依頼品の強制乾燥が終わった予熱を利用している感じです)。

研ぐ前にガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。

当て板を使って#320の空研ぎでライン出しを行い、#400で角を均し、ペーパー傷の目消しを行います。

その後再び全体にパラパラと黒を塗ってガイドコートを行います。これをしておくとラインの確認&深い傷の取りこぼしを防止出来ます。

#600の水研ぎで細かいラインを調整し、#800でペーパー傷の目消し、その他入り組んだ箇所の角などはコシの柔らかい布状研磨副資材を使ったり、最後は#1500の手研ぎでペーパー目を均しておきます。

その後本塗りまでの間は埃が付かないよう保管しておき、本塗り前日になったら芯棒やクリップを使って台に固定出来るようセッティングを行います。

よく脱脂清掃し、エアーブローを行って埃を飛ばしたら本塗り開始です。

まずはアルミ素地が露出した箇所=ブラインドナットやリベット部にプライマーを塗布します。

その他の箇所はFRP=ポリエステル樹脂なので下地が露出していても問題ありません。

ステー部は膜厚を着けない方が良さそうなので、ベースコートの黒を塗ってマスキングをしておきました。

まずはベースコートを塗布します。

色はトヨタ純正色の「グレーメタリック 」(カラーコード:1G3)となります。輝度感が強く、正面で最も明るく透かしで最も暗いメタリック原色=MIX891が多く使われています。意図的にコントラストを強くしている感じですね。

ベースコート塗布後、よく乾燥させたら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

気温が大分高くなって来たので本塗り時はクーラーを稼働させてブース内の温度と湿度を落とすようにしています。何より作業者(私)の負担が減るのが有難いですね。

 

この後は一晩自然乾燥させ、後日再び50℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきます。この時期日中は工場の屋根裏部屋が常時50℃になるのでそこに一日置いておいたら間違いないですね。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハイエースヘッドライトカバー 下準備

先日お預かりしておりましたトヨタハイエース用FRP製社外品ヘッドライトカバーです。

状態としては新品未使用の艶消し黒塗装済みの状態なのですが、全体に歪や巣穴があるので上塗りの前に下地処理を行っておきます。

現状は白ゲルコート(ポリエステル樹脂)の上にグレーのサーフェサーらしき物、その上に艶消し黒(クリアー塗装無し)が塗られた状態です。当初軽い素地調整のみを想定していましたが、削っているとプツプツとした点状の物が見受けられます。

原因は油脂によるハジキの類か、塗装時に使用するエアーに水が混入していたり等色々な理由が考えられ、ただ何にしてもこういった箇所は塗膜が密着していませんから、経年でそこが剥がれてプクっと膨れるトラブルが生じる為(ブリスター)、その部分を削っておく必要があります。

と言う訳で、結局外側の見える部分の塗膜は殆ど剥がす事となりました。

素材が金属なら溶剤槽に浸けたりサンドブラストが使えるのですが、FRPの場合は手作業でそれを行うので、結構時間は掛かってしまいますかね。

ちなみに通常塗装工程で使う圧縮されたエアー(コンプレッサーのエアー)は、そのまま作業で使う事は無く、必ずエアードライヤーなる物を通って空気中の水分を減らし、さらに何個かのエアーフィルターを通ってやって来ます。ただ塗装(上塗り)を行う工場で無ければそこまで気を遣っていない場合があるので、今回だとそれが原因だったのかも知れません。

そして重要なのが脱脂で、各工程毎にこの作業は必須です。やらなくても直ぐに問題は出なかったりしますが、今回のように原因不明の問題を防ぐには虱潰しにやっておく必要があります。

またゲルコート表面に亀裂ような物が見受けられたので(ガラス繊維自体は問題が無くあくまでも表面の見た目だけです)、

いつものウレタン系サーフェサーでは無く、一旦エポキシ系のサフェを塗っておく事にしました。

エポキシ系樹脂は紫外線に弱いという特徴がありますが、

分子間の結合は他の樹脂に比べてとても強いのが特徴なので、今回のように下地として使うにはとても有効です。あと余りにも堅くて(粘りが強くて)研げない!という事もあるので、

そのままでは使わず、その上にいつものウレタン系サーフェサーを重ねる事でそれぞれの特徴を活かし、この後のライン出し(研ぎ作業)をやり易いようにします。

今回の場合だとエポキシサフェを2コート、ウレタンサフェを5コート、合計7コートで、これを一度に塗ると他のトラブル(塗膜中に溜った溶剤が抜け出せずに塗膜を持ち上げてしまうブリスター)が起きる可能性がある為、コート間のフラッシュオフタイム(乾燥時間)は10分以上空ける必要があり、最初に行った旧塗膜の剥離作業も含めると一日仕事になってしまいます。雇われの身だったらとても仕事が出来ない人間と思われているかと思います(確かにどの作業も時間を掛け過ぎな点は否めなく、会社にとっては良く無い事ではありますかね)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日50℃60分以上の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハイエースヘッドライトカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたトヨタハイエース用FRP製社外品ヘッドライトカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

状態としては新品艶消し黒塗装済み品で、

今回こちらをトヨタ純正色の「グレーメタリック 」(カラーコード:1G3)の艶あり仕上げで、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っております。

艶消しなのでぱっと見は判り難いのですが、FRP製品特有の凸凹や歪、

巣穴やブツがあるのが判ります。

このまま上塗りを行う事も勿論可能ですが、艶が出るとこういった粗が目立ってしまうので、「研磨→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理も行う予定です。

以前施工したスイフトのフォグライトアタッチメントが似たような内容になりますので、参考までにこちらを紹介します。

 こちらも元々は艶消し黒仕上げだった物を、

全体を研磨して素地調整を行い、

サーフェサーでラインを整えてからの上塗りとしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!