ルノー純正シャークアンテナ塗装 調色

先日お預かりしておりましたルノーシャークアンテナです。

今回は調色作業も承っていますので、こちらのパーツを参考に色を作製します。

まずは配合データを基に色を作ります。ルノー純正色の「ジョンシリウス」(カラーコード:J37)ですね。

奥がカラーベース、手前がパールベースの3コート塗装となります。

通常の2コート塗装であれば色板にそれを塗るだけで色味の確認が出来ますが、今回のような3コート塗装の場合はそれぞれのスプレーガンを用意し、実際にカラーベースとパールベースを塗り重ねないと色味が判らないのでどうしても手間が掛かります(とは言っても先にパールコートの影響を受けにくい透かしの方を先に調整する事である程度の短縮は出来ます)。

またコート数も多くなるので色板一枚塗るのにも時間が掛かります。なのでその間に足付け処理などの下地処理を進めていくような感じですね。

パールベースにはこちらのグリーンパールが主に使われていて、それにオーカーと鮮やかなイエローの計3種で構成されています。

上の画像は蛍光灯下での透かしでの色味です。パール感は殆ど感じないのが判るかと思います。

こちらは蛍光灯下で見た正面で、パール感が判るかと思います。パールは光源を正面にした時に見える効果があります。

こちらは斜め45度くらいから見た感じですかね。それぞれ色味の確認の為にシリコンオフを塗って艶を出しています。

こちらは調色ライトを使ってみた正面です。

さらに近づけたり離したりして、違う環境下で色味の違いを確認しながら微調整を行っていきます。

3コートパールでは塗り方によっても色味が変わるので、調色時には実際の本塗りを想定してどれくらいの膜厚を着けるかも確認しておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

フォレスタースバルエンブレム 下塗り

先日までにメッキ剥離作業&検証を行っていた新型フォレスターのスバルエンブレムです。細部までをチェックし、ようやくクリーンな状態になりました。

ただまだ安心はできず、次に行うクリアー下塗りを経てようやく先が見えるといった状況です。ここまでやって割れるという可能性がまだあるんですよね。

メッキされていた箇所の足付け処理を行います。他の部分は既存の被膜を削り落とす際に研磨しているので足付け処理は済んでいますが、メッキの所は艶々した状態なのでそのまま塗装を行っても密着せず、なので細かい傷をつけて被塗面積を増やし、アンカー効果を期待します。

先の足付け処理時に使うウォッシュコンパウンドには洗浄成分も入っているので脱脂効果もあるのですが、ここでもシリコンオフを使っての脱脂処理を行います。

平面の場合はシリコンオフを使ってウエスで拭き取るだけでOKですが、今回のように凸凹した箇所がある場合はそれだと出来ない箇所=今回の場合だと☆の角の行き止まり部分はそれが難しいので、シリコンオフをスプレーしてブラッシング→エアーブローを2回程繰り返して最後にウェスで拭き取っています。

エアーブローを行って埃を飛ばしたら、

まずはプラスチックプライマーを塗布します。ウェットに塗るとクラックが入ってしまう恐れがあるので、ここでもしっかりフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設けて素材を侵さないよう丁寧に行います。

そしてクリアーを塗って下塗り完了です。

クリアーは常温で硬化するタイプのエクストリームプラスを使用しました。

クリアーコートなら素材を侵し難いですし、万が一ここで細かいクラックが入ってもクリアーで埋めるのでこの後に塗る色(シルバーメタリック)にその模様が出なくなるという算段です。

ちなみに当初はこういったクリアー下塗りも行っていませんでしたが、一度そういったトラブルが生じた事があった為、その後は全てこの仕様で対応しています。物価の上昇もそうですが、こういった付帯作業が増えていくにつれてトータルの金額も上がってしまう感じですね。何卒ご理解頂ければと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェシフトノブボタン部 本塗り

先日下準備を行っておいたポルシェケイマンGT4RS純正のシフトノブです。

素材は不明ですが恐らくはPC=ポリカーボネートで、表面を#800相当で足付け処理しています。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布したら本塗り開始です。

まずは下色=黒を塗布します。スタンドックス原色MIX571となります。

ここでドライコートにして肌がザラザラになるとこの後に貼るデカールが浮いてしまう為(シルバリング)、しっかりウェットに塗って平滑にしておきます。

予めテストしておいた通りにデカールを作製(印刷)しますが、今回「白→マゼンタ→イエロー×2回」と多重刷りの為に中々納得いく仕上がりにならず、かなりの量を印刷しました。

 その中から最も良い物を選び、余分をカットして

ベースコートの黒を塗ったボタンに貼り付けます。接着にはデカール専用のマークセッターを使用し、曲面の為に寄った皺はマークソフターを使って平滑に均しています。

その後40℃15分程の熱を掛けてしっかり乾燥させたら、

クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させるとデカールの段差が出来る筈なので、後日改めて表面を研磨→クリアー塗装のみを行う予定です(磨きでも良いのですが時間があるなら塗った方が楽ですし綺麗に仕上がりますので)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ドゥカティブレンボキャリパー 本塗り

先日下塗りを行っておいたドゥカティ純正のリヤブレンボキャリパーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

塗装を行いたくない箇所は元にアルマイトを残すようにしています。

表面を研磨し、ペーパーが入らない箇所はナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行います。完全硬化した塗膜に塗装を行う場合はこれを行わないと密着せず剥がれてしまう為ですね。

よく脱脂清掃し、再度マスキングを行います。

下塗りを行った時はボルト取り付け部を塗らないようにしましたが、今回はこの部分はプライマーとベースコートの黒を薄膜で塗るようにします(クリアーは塗りません)。

最終脱脂処理を行い、

エアーブローで埃を飛ばしたら、

アルミ素地が露出している箇所にプライマーを塗布します。

パッドを固定するシャフトピンを差し込む内側にも塗ります。

ブレンボロゴ部分を大まかな感じでマスキングし、全体にベースコートの黒を塗布します。

ベースコートが乾いたらクリアーを塗りたくない箇所(塗膜を厚くしたくない部分)をマスキングします。ボルト取り付け部とシャフトを通す穴の内側ですね。

最後にブレンボロゴ凸部にもベースコートの黒を塗布します。途中大まかにマスキングをしたのはここで無用に塗膜の厚みをつけたくなかったからですね(別にマスキングしなくても大丈夫なのですが多少の手間で仕上がりが良くなるならやらない手は無いです)。

凸部周りをマスキングし、

シンナーとペーパー掛けで凸部の黒を取り除き、下地の赤を露出させます。

ちなみにプラモデルなどではそれぞれ違うタイプの塗料を使ってこれを行ったりしますが(ラッカー+エナメル(フタル酸)など)、常に屋外で雨・風・熱・紫外線を数年~数十年浴び続ける環境での使用=自動車部品でそういった塗装では持ちませんから、今回行っている物も含め自動車ボディの塗装と同様の内容となっています。

その後細かい箇所を修正したら、

マスキングを剥がし、タッククロス(粘着剤が塗布された不織布)で拭きあげ、エアーブローで埃を飛ばします。

こちらの裏面のロゴはそのまま黒で塗ります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

2コート目のクリアーを塗ったらマスキングを剥がしておきます。フチに溜まったクリアーがそのまま固まって段差にならないようにですね。

ちなみにブレンボのキャリパーの場合、今回のような2輪車用よりも、サイズの大きい4輪車用の方が費用は低かったりします。普段はメンチカツしか作らないお店でコロッケを作るとすると、同じ揚げ物なので出来ない事は無いですがいつもとやり方が全然違うのと同じような感じですね。しかも4新車用のキャリパーは今回のように分割して塗るような事はまず無いですし。

裏側のブレンボロゴは出っ張りが浅いのでこちらを塗り分けるのは物理的に難しいかと思います。どうしてもという場合は削り落としてしまい、新たにマスキングで塗装する方法になるかと思います。

アルマイトは塗装とは比べ物にならないくらい強い被膜ですが、逆にそのままでは塗装は密着しないので、それを部分的に残しつつ塗装をするのは手間は掛かりますね。この時などは地獄のような作業でした…。

この後は一晩自然乾燥させ、後日再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ランエボヘッドカバー 下塗り

いつもの業者さんからご依頼頂いているランサーエボリューション用のマグネシウムヘッドカバーです。

マグネシウム製ヘッドカバーで中古品の場合は腐食が発生している場合が殆どで(態度が良さそうに見えても塗膜の下で既に腐食している)、その場合は当店のサンドブラストでは浸食された奥まで削り落とせない可能性が高い為、より強力な直圧サンドブラストを行ってくれるブラスト専門店へお願いしています。

ただそうすると往復の送料、またその後浸食された箇所を埋めるなどの下地処理を含めると新品部品が2個くらい買えてしまう金額になってしまうので、素地の粗さを隠してくれる結晶塗装では無く、今回のように艶あり仕上げで行う場合には新品未使用品を御用頂くのが基本となります。

マグネシウム合金はアルミの比じゃないくらい腐食し易くさらに再発し易いと言う事もあり、再塗装するにはかなり厄介な素材なのです。

今回はMIVEC TURBOの凸文字を鏡面状仕上げで承りました。

ただしマグネシウム素地を露出したままではやはりそこから腐食が発生し易いので、この部分も一緒にクリアー塗装を行うようにします。

またマグネシウム合金の場合は通常使うプライマーでは相性が悪いので、それの対応として本塗りを2回に分けて行うようにしています。

まずは凸部を#120で粗研ぎをしておき、

全体の足付け処理→脱脂清掃=スプレーガンにシンナーを入れて上から下に洗い流すような方法で汚れや油分を除去し、全体に耐食性の高いエポキシプライマーを塗布します。所謂ウェットオンウェットですね。

2コート程塗ってマグネシウム素地が露出している箇所をしっかり覆いつくしたら、

ベースコート塗布(フェラーリロッソコルサ:300)→トップコート(クリアー塗装)を行って1回目の本塗りが完了です。

今回はベースコートにもハードナーを添加し、トップコートは常温で硬化するタイプのスタンドックスVOCエクストリームプラスクリアーを使いました。他にも塗りたい物があった為ですね。

通常のクリアーなら熱を入れてさらに数日寝かして締まりきりを待ったりしますが、このクリアーは空気中の湿度と反応して非常に硬化が早い為、塗った後に熱を入れずともそのまま持って帰れます(乗って帰れます)。

デメリットもあるのですが、場面ごとに使い分ければ非常に効率的に作業が出来るのでかなり重宝しています。情報を教えてくれた愛知の塗装屋さんと、わざわざサンプルを用意してくれた川崎の塗装屋さんには非常に感謝です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。次は凸部を研磨してマグネシウム素地を露出させ、部分的にクリアーを塗ります(所謂プレスライン暈しですね)。どうぞもう少々お待ちくださいませ!