ゼンハイザーMD445 ノイマンKMS105マイク塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたNEUMANN ( ノイマン ) / KMS105コンデンサーマイクの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこのような状態だった物に、

淡い蛍光ピンクで塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

そしてこちらも今回一緒に御依頼頂いて先日本塗りを終えていたゼンハイザーMD445ハイエンドダイナミックマイクです。

こちらも最初の状態を紹介します。

元々はこのような状態だった物に、

同じく淡い蛍光ピンクの塗装を施しました。

ぱっと見は普通のピンクですが、通常顔料でこういった色味は出せず、なのでSTANDOXの原色にパウダータイプの蛍光顔料を足して色を作っています。

こちらは自然光での撮影となります。

二本並べて撮影してみました。

画像加工で彩度を高く編集すれば幾らでも鮮やかな色に出来ますが、こういった仕事で実物と画像が乖離するのは最もやってはいけない事の一つだと思いますので、完成時の画像は撮ったそのままにするようにしています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ホンダNBOXオイル&フューエルキャップ 本塗り

先日サーフェサーを塗っておいたホンダN-BOX用のオイルキャップとフューエルキャップです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

当て板を使って#600の水研ぎで平面のライン出しを行い、その後#800で角や曲面を均し、最後に布状研磨副資材でペーパー目を均します。ガイドコートは研ぎ作業の際にラインの確認がし易くなる事と、研ぎ忘れ(足付け不良)防止の為ですね。

今回はロゴ入れを承っていますので、予め作成しておいたデータをプリントアウトし、実物に合わせて確認をします。

オイルキャップはつまみ部分がテーパー状になっているので、ロゴが入る天面は画面上(イラスト)で見ていた時よりも面積が小さく、そのままだとロゴが食み出てしまうような状態だったので、

少しサイズを小さくして違和感が無いよう修正をしておきました。それ以外は当初作成したデータ通りとしています。

台にセットし、

よく脱脂清掃をしたら、

プラスチック素地が露出している箇所にプライマーを塗布します。

まずは隠ぺい性の高い色を使って下塗りを行います。

オイルキャップはこの時の色を参考に色を作成しました。

下色を2コート、合計5コート程塗ってベースコートが完了です。

フューエルキャップの色は、

「F1マクラーレンレッドのような蛍光赤」として承っていますので、原色の鮮やかな赤(STANDOX MIX561)に、パウダータイプの蛍光顔料を入れて作ります。

顔料が増えた分、樹脂(STANDOX MIX599)も足しておきます。クロマフレア顔料をスタンドックスの塗料として使う場合と同じような感じですね。

使った原色はこのような感じです。

蛍光顔料を混ぜた赤も隠ぺい力が低いので、こちらは下色にブレンボレッドを使い、その後蛍光赤を重ねています。通常の原色だけでは出せないような鮮やかな赤となりました。

そして各ロゴのデカールを作成します。デカールの作成は奥にあるアルプス社のMD5000ドライプリンターを使います。

木工用ボンドを溶かした水にデカールを浸し、

専用の接着剤(マークセッター)を使って所定の位置に貼ります。尚、ロゴの上下の向きは元と同じようにしています(オイルキャップは上下があります)。

フューエルキャップは白で印刷したデカールを貼っています。尚、白の印刷は通常のプリンターでは出来ませんが、MDプリンターならこれが出来るという訳です。

その後40℃15分程の熱を掛けて乾かし、

タッククロスとエアーブローで埃を飛ばしたら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

ただデカールの場合はその厚み(段差)が残るので、今回は下塗りとし、完全硬化後にもう一度クリアーを塗るようにします。

磨き処理で段差を目立たなくする事も可能ですが、今回のようにデカールを多く貼ってある場合は塗り直した方が楽で且つ仕上がりも良くなるのでそうするようにします。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたらもう一度クリアーを塗るようします。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

LINE6ワイヤレスマイク塗装 完成

大変お待たせしました!先日2回目の本塗りを終えていたLINE6のワイヤレスマイク塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこのような艶消し黒だった物を(そして部品毎に色味が違っていた物を)、

蛍光顔料を使ったマゼンタピンクに、

さらにホログラム顔料を重ねた塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ここまでがストロボを使った撮影で、

ここからは自然光で撮影した画像となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

細かい粒粒した物がホログラム顔料です。

今回のような彩度が高い淡い色を、一般的な顔料だけで表現するのは難しく(というより物理的に不可能です)、なのでまず下色に通常顔料を使ったピンクを塗り、その上に蛍光顔料を使ったピンク(ほぼ隠ぺい力の無い色)を重ねています。

下色には白を使った方が発色(高彩度・高明度)が良かったりするのですが、そうすると褪色した際に極端に色が薄く見えてしまう事、またパーツ毎での色ブレが起き易いのを想定し、今回はピンクを下色に使っています。

ホログラム顔料はもっと粗い物もあるのですが、それを使うとそれを埋める為にクリアー層を厚くする必要があり、結果塗膜の強度が落ちてしまう為、今回は比較的粒子の小さい物(今まで使っている既存の物)を採用しています。STANDOX等の自動車補修用塗料に所謂「ラメ」と呼ばれる物が存在していないのはこれが理由ですね。ショーケースの中で飾っておく物の塗装と、雨風等の下で使っても問題が起きないようにする実用品の塗装とでは違う訳です。

ストロボや自然光ではホログラムが判り難かったので、スポットライトの下で撮影しました。

ただこれでも判り難かったので、スマホを使って動画での撮影もしました。

動画の方がホログラムの煌めきや色変化が判り易いかと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

LINE6ワイヤレスマイク 本塗り

先日お預かりしておりましたLINE6のワイヤレスマイクです。

お預かりしてから大分時間が経っていましたが、紹介していないその間に下塗り等の作業は進行しておりまして、いよいよ本塗り開始です。

まずは下色として適当な白=具体的にはVW社のキャンディホワイトを1コートのみ塗布します。妙に艶があるのはハードナーを添加しているからで、通常STANDOXはベースコートに直接のハードナー添加は必要ありませんが、膜厚が増えそうな場合には入れておくと安全です(また一部のクリアーではそもそもこれの添加が必須となって物もあります)。

その後に下色としてのピンク=以前ロジクールのワイヤレスマウスのキャンディー蛍光マゼンタにも採用したピンクカモフラ②を塗ります。ここで適当なピンクを使わないのは、後で同じ色を再現できるようにですね。

また今回は後の為に色見本も残しておくようにします。

色については事前に検証~作成していて、

今回は明るいピンクなのでキャンディーカラーのマゼンタは使わず、蛍光ピンクの粉末顔料を、STANDOXのベースコート用樹脂(MIX599)に混ぜた物と、STANDOX原色(白=MIX570・バイオレット=MIX569・パープル=MIX855)を使って色を作成しました。

こうやってみると余り差が判りませんが、「80%」の色味に合わせています。

蛍光ピンクのみでは隠蔽力は殆ど無く、また塗り方で色味が変わってしまうので、バッテリーカバーソケット(持ち手一番下の部品)は取り付けた状態で位置を合わせ、一緒にスプレーしています。

色味を確認して問題無ければ、次の行程にはいります。

今回はホログラムも承っていて、先日新たに取り寄せた顔料を試してはいたのですが、かなり粗く(そもそもストレーナーに通らなく)、なので実使用する物=マイクには不向きだと感じた為、

結局今まで使っていた既存のタイプを使う事にしました。こういったラメ系の社外品顔料としては比較的細かめの0.05mmのタイプです。

それを蛍光ピンクの上に重ねます。

余り多くするとピンクが台無しになってしまうので程ほどの量にしいます。画像だと不純物にしか見えませんが、光に当たるとこれらがレインボーに煌めきます。

そしてクリアーを塗布します。こちらは1コート目が終わった状態で、表面にツブツブが突起しているのが判るかと思います。

そして2コート目のクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

色見本用に塗っている物はホログラム有りと無しの2種類で、

こちらは無し=蛍光ピンクまでの見本で、

こちらはそれに0.05mmのホログラム顔料を塗った方です。それ以外は同じ条件で塗っているので、例え小さいラメでも仕上がりにかなり影響されるのが判るかと思います。顔料が大きくなるとトラブルの原因になるので、耐久性に重きを置く自動車補修塗装業界ではこれを嫌う傾向があり(勿論私もそうです)、なので大きいサイズの顔料は出来るだけ控えるようにしています。

この程度であれば後の磨き処理=ペーパー掛け&コンパウンド作業でも平滑に仕上げられますが、クリアーから突出したホログラム顔料はコーティングが削れてその特性が無くなり、またよく見ると突起していた跡が見えたりもするので、この後熱を入れて完全硬化させた後、もう一回クリアーだけを塗装しようと思います。

グリルはその形状からして突起は殆ど目立たないのでこのままで大丈夫だと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

オークリーサングラスフレーム 本塗り

先日フレーム下部の艶消しガンメタを塗っていたオークリーレーシングジャケットのフレーム2セット分です。

今回のパーツはチームオレンジをイメージした蛍光オレンジの艶あり仕様となります。

元々の色は塗装では無く樹脂自体に色が練り込まれた物で(着色樹脂)、最初の状態は艶ありでしたが、しっかり細部まで足付け処理されて艶が消えているのが判ると思います。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。

まずは下色として白(VWキャンディホワイト)を塗ります。

続けてこちらも下色となるRAL2004を塗ります。以前メルセデスR129のインマニに採用したオレンジですね。

蛍光色は隠ぺい力が著しく弱く、下色によって色味が変わってしまう傾向にある為、後で同じ色を再現しないといけない場合には今回のようにしっかり下色等を記録しておく事が重要となります。この時点でRAL2004で完全隠蔽させておきます。

そしてチームオレンジの色見本を参考にして作成した蛍光オレンジを塗布します。

蛍光オレンジは2コートとしています。またいずれのベースコートにもハードナーを添加し、ベースコートが厚くなっても大丈夫なようにしています(実際にはトータル5コートだったので入れなくても問題無かったと思います)。

ぱっと見は普通のオレンジにも見えますが、通常の原色のみでは再現が出来ないオレンジとなります(ただ海外にはSTANDOXのラインナップに蛍光色の原色もあるようです)。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

クリアーは通常通り2コート行っていますが、レンズが入るフチや可動部近辺は厚みが付かないよう最初の1コートは掛からないようにしています。

蛍光オレンジのみに比べると断然赤味が増していて、色見本として用意したフレームの色味に近くなっているかと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!