カメラパーツ塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたカメラパーツの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態で、

今回は調色と艶調整作業も承っていましたので、旧塗膜を剥離する前にこれらを行い、

事前に行ったテスト塗装に倣って元の色艶に合わせて塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

艶具合については、スタンドックスの艶消し・半艶専用クリアーを1:2の割合としています。

ただし艶具合は塗り方=塗膜の厚みや乾燥時間によって変わるので、

事前にそれらを記録し、それに倣っての本塗りとしました。

今回の為に作成した色見本とも並べて撮影してみました。

それぞれ同じ色・同じ艶具合ですが、形状によって全然違って見えるのが判るかと思います。

曲面のアールが強くなると色が濃く(暗く)艶があるように見え、逆に平面だと色が薄く(明るく)艶が無くなって見える傾向にあります。今回の場合だと左側の色見本の丁度中間のような感じですね。

色板は着脱できるようになっていて、その下には本塗り時の塗装条件も記載しておいてあります。昔車体を塗っていた時は全車でこれらを行っていましたが(所謂塗装カルテです)、さすがに今の小物塗装ではそこまで出来ないので、今回のような色・艶調整の追加作業をご依頼頂いた場合に留めています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

カメラパーツ 本塗り

先日調色&艶調整作業を終えていたカメラ用のパーツです。その後溶剤(洗浄用シンナー)に浸け置いて既存の塗膜を剥離しました。

そんなに強い塗膜では無かったようで一日浸け置き&ワイヤーブラシで擦って綺麗に剥がれました。

その後ダブルアクションサンダー#180で研磨して素地調整&足付け処理を行います。アルマイト処理されている場合を想定しての作業ですね。

その後リン酸処理を行います。アルマイト処理されているとこれが効かないので(完全に効かない訳ではないですが効き難い箇所と効く箇所でムラが起きてしまう為)、最初に物理的な研磨をしておいたという訳です。対してこちらは化学的な素地調整=化成処理といった感じですね。

裏側は元々塗装されていなかったので今回も塗料が着かないようにマスキングしておきます。

台にセットし、

よく脱脂清掃を行います。

まずはプライマーを塗布します。

元々塗られていた塗膜は、今回行っている足付け処理・化成処理・プライマー塗装が行われていなかった為に経年でペリペリと剥がれて来てしまっていたのだと思います。

職業訓練学校時代に金属塗装業界の権威のような方が講師として来ていて、金属塗装=工業塗装は「如何にコストを落として量産出来るか」が肝なので、自動車ボディのように下塗り、中塗りは行わず、どうやってそれを省けるか(上塗りのみで済ませるか)に重きを置いているとの事でした。また大抵の場合直すよりも買った方がトータルコストが低いというのも理由の一つなのだそうです。2千円で売っているオーブントースターが壊れて、メーカーに修理をお願いする人はまず居ないですよね(往復送料だけでその金額になってしまいますので…)。

その点自動車は屋外雨ざらしで使う事が前提で、しかもそれで錆が出たりしたら大きな問題ですから、量産品だとしてもかなりしっかりとした塗装が行われているという訳です。身近にある物としては非常に優秀で且つ高級な塗膜なんですよね。

続けてベースコートを塗布します。黒に近いグレーです。

ベースコートのみだと缶スプレー(1液ラッカー系塗料)とさほど変わらないので強度としては低いですから、

最後にクリアー(2液アクリルウレタン型)を塗って本塗り完了となります。お待たせしました!

クリアーは事前にテストしていた内容通り、半艶:艶消し=1:2の割合で、スプレーガンも同じ口径0.5mmを採用しています。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

元々あった見本が無いので(剥がしてしまったので)見比べられませんが、

事前に作っていた艶確認用のピースを見本用の色板として作成しておきました。

良い感じに艶具合を合わせられたと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

カメラパーツ 調色&艶調整

先日お預かりしておりましたカメラパーツです。

今回は調色と、艶調整の作業も承っていますので、塗膜を剥離する前にそれらを行います。

ちなみに艶具合については以前に色見本を作製していて、

まずはこちらを参考にしてスタート地点を決めるようにします。

今回の場合だとこちらの「艶消し」:「半艶」=1:1の混合率の物が近い感じで、これを参考に3種類の艶具合を調整する事にします。

ちなみに上の画像の色見本では、左側の車型の色見本とカメラのパーツを比べると後者の方が艶が無い感じで、その右側のプレートとカメラパーツを比べると後者の方が艶があるように見えますが、「左側と右側の艶具合は同じ」となります。全然違って見えますがこれは「曲面」か「平面」かの違いで、それだけでここまで艶具合が違って見えるのです。不思議ですよね。

と言う訳で、まずは調色作業から始めます。

まずは原色の黒からスタートしてみると、カメラパーツの色はそれよりも白味=グレー寄りなのが判りました。

また艶のない状態のまま見ても色味は判りませんので、艶出し剤=当店の場合はスプレーガンにシリコンオフを入れてスプレーして確認するようにしています。市販の缶スプレータイプの艶出し剤(同じく揮発速度の遅いシリコンオフ)の方が便利なのですが、余り使う機会が無い当店だと中のガスだけ先に無くなってしまうので少々面倒ですがスプレーガンを使うようにしています。

調色には専用のライトを使います。当時10万円くらいで買ったインバータータイプの物ですが、今はLEDとかになっているのでしょうか。

シンナーで希釈した白を数滴ずつ入れてその都度乾燥→艶を出して色味を確認してを繰り返します。

調色が終わったら今度は艶調整の作業となります。といってもこちらは塗りながら艶の具合を変えられる訳ではないので、予め艶具合が変わる配合にしたクリアーを用意し、それぞれを塗って確認する方法となります。本塗り同様の作業なので手間と時間も相応に掛かります。

また艶具合は本塗り時の環境(膜厚等)によっても変わる為、塗装条件もそれに合わせて行います。今回は被塗物が小さいと言う事もあり、肌目が出にくいようスプレーガンタイプのエアーブラシ、IWATA HP-G5(口径0.5mm)を使います。霧が微粒子化されるので肌理の細かい塗り肌を目指します。

最初にあった色見本と同様、曲面と平面それぞれ同じ仕様で塗った物を3種類作成します。

缶スプレーのような1液ラッカーの艶消しクリアーなら塗って直ぐに艶具合が判るのですが、今回のような主剤と硬化剤を混ぜる2液ウレタン系の艶消しクリアーの場合は数時間掛けて艶が消えていくような感じなので、先に条件を決めて本塗り同様に塗装→完全硬化してから艶具合の確認といった方法となります。

また塗って直ぐに熱を掛けたりしても艶具合が変わるので(安定しないので)、とにかく直ぐには艶の確認が出来ないといったもどかしさがあります。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させたら、艶具合を確認する前に予め作成しておいたシールを貼り付けます。

今回は、K9140(半艶):K99150(艶消し)を、

・「1:1」

・「1:1.5」

・「1:2」

の3種類作成しました。

その中で最も近かったのがこちらの「1:2」 =「半艶1:艶消し2」の配合率となります。これにハードナーが重量比で27%、シンナーが18%入ります。

上の画像で見るとやはり左側=曲面の色見本の方が艶があり、右側=平面の方が艶が無いのが判るかと思います。ただしこれらは同じ艶具合です。艶具合どころか色自体も違って見えるのが特徴です(艶が無いと白=グレー寄りに見えます)。

ここまで厳密に管理しても塗り方ひとつで艶具合は変わってしまったりするので、とにかく事前に出来るだけの事をやっておく必要があります。

こちらのデータに未記載な物としては、


・ハードナー:VOC20-25

・シンナー:2K 10-20 18%

・温度:12℃

・湿度:50%


といった感じです。後で書き足しておきますね。

ちなみにここまでやっても艶具合は塗る環境で変わり、例えばベースコートの膜厚や肌によっても影響されるので、実際には「一旦艶あり」で仕上げ、その後再び足付け処理を行って艶消しクリアーだけを塗るのが正解だったりします。小物の塗装で厳密にそこまでは不要かも知れませんが、自動車車体の補修塗装=ベースコートを塗る部分と塗らない部分(暈し箇所)で艶具合が変わってしまう筈なので、以前頂いた自動車塗装屋さんからの質問には「私だったら一旦艶ありで仕上げた後に調整した艶消しクリアーのみで塗ると思います」と回答しておきました。面倒ですが後日また塗る機会があった時には絶対助かると思うんですよね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

カメラパーツ塗装承ってます

先日到着しておりましたカメラの外装パーツです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

状態としては艶消し~半艶程度の黒が塗装されていて、一部塗装が剥がれて素地のアルミが露出した状態となっています。

既存の塗膜はアルミに密着していないように見受けられますので、一旦全部塗装を剥がし、リン酸処理→プライマー塗装(これを行わないとまた剥がれます)、そして調色と艶具合の調整(色板の作成)も行うよう承っています。

以前の施工事例を紹介しますね。

例えばこちらは以前当店で塗装したBMWのパニアケースで、「当店規定の艶消し黒」となります。黒は原色そのまま(STANDOX MIX571)、艶具合も当店規定の「艶消し」となります。事前の確認などはしていません。今回のカメラのパーツに比べると艶が消え過ぎているのが判るかと思います。

こちらはフォレスターのフロントバンパーフォググリルで、メッキモール部を「当店規定の半艶黒」で塗っています。カメラのパーツの塗装に比べると艶があり過ぎるのが判るかと思います。

こちらのスバルインプレッサのステアリングスイッチパネルを塗った時は、左の塗装を参考にして調色を行い、さらに艶具合も併せるよう調整作業を行ないました。左が見本、右が当店で塗装した物となります。

艶消し~半艶クリアーも艶ありと同様2液ウレタン系の塗料なので、塗り終わってから熱を入れて完全硬化させないと艶具合がどうなるのか判りません。ですのでこの時は調色し終わった色を色板(色見本)に塗装し、それぞれ違った配合のクリアー(艶消しクリアー+半艶クリアー)を塗って完全硬化→見本と艶具合が最も合っている物を選んでそれを再現するといった方法となっています。また塗る環境(塗装時の雰囲気温度によるハードナーの選択や塗り方の違い)によって艶具合も変わるので、それらも踏まえて作業を行なう必要があります。

今回は見本となる物が被塗物となるので、旧塗膜を剥離する前にこれらの作業を行なって色見本を作製、その後それに合わせて本塗りを行うといった方法になります。パーツ自体は小さく個数も一個だけですが、作業時間は本塗りの数倍の時間と手間を要する為、費用もそれだけ大きくなります(塗装するだけの3倍~5倍といった感じになります)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

COTTAサムレスト塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたCOTTAのアルミ製サムレストの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はシルバーだった製品を、

艶消し黒に塗装を施しました。

「COTTA」のロゴはてっきり彫刻(凹んでいる)と思っていましたが、いざ作業をしてみると印刷だった事が判明し、改めてデカールで対応する事としました。

ただしデカールを使うとその厚みで段差が出来てしまう為、一旦「艶ありの黒」で塗装し、その後研磨して段差を均し、改めて艶消し黒で塗り直しています。

オーナー様よりご指定頂いた箇所は塗らないようにしてそのままとしています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!