スターバックスタンブラー サフェ入れ

 こちらもお待たせしております。エルメスのオレンジ色でご依頼頂いておりますスターバックスのステンレス製タンブラーです。

 元々はステンレス素地に直接(!)スモーククリアーが塗られていますので、まずはそちらを剥がします。塗装屋さんなら判ると思いますが、研いでいてエッジが出なくブツブツ切れるのでこれはヤバい塗膜かも知れません。

 ペーパーが入らない個所はサンドブラストを使います。

 サンドブラストは研磨粒子をエアーで被塗物に当てるので、こういった細かい凸凹個所の処理に適しています。

サンドブラストが無い場合には剥離剤やワイヤーブラシといった使用になりますが、前者はそもそも当工場にはありませんので(何年も使っていません)、その場合はシンナーとワイヤーブラシでネチネチと擦るのが良いかもです。もしくはMBXが比較的早くて楽ですが、一個5万円くらいするのでDIYじゃ難しいですよね。

 良く脱脂清掃し、マスキングをして台にセットします。

 まずはプライマーを塗り、

 続けてサフェーサーを塗布します。

底面はサフェーサーを塗り過ぎると中途半端に文字が埋まって気持ち悪い仕上がりになってしまう為、ここは薄いサフェーサーを1コートのみに留めておきました。

こちらは色の確認がまだなので、次はそちらを検証したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スターバックスタンブラー塗装承ってます

 先日到着しておりました、スターバックスのステンレス製タンブラーです。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

ご依頼内容は以前同じくスターバックスのタンブラーに塗装したHERMESの色で、またステンレス素地にはヘアーラインの溝が深い為、「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を作ってからの塗装を承っております。

こちらのオーナー様は以前W124のヘッドカバーをBRABUS仕様にして結晶塗装を施したり、キーリング部が折れたフィアットのリモコンキーの修理塗装をご依頼頂いた方で、リモコンキーについては施工例のページも作成しておりますので宜しければご参照下さいませ。

FIAT Remote Key

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!

STARBUCKS Tumblers

starスターバックスの「さくらハンディーステンレスタンブラー」です。既存の柄は当店で塗装した物では無く、最初からこういった模様になっている物となります。

star1 ただし表面にはクリアーがコーティングされていない為、使っている内に桜のプリント柄(塗装では無くデカールのような物)が剥がれて来てしまうそうです。

star2 さすがに模様を元に戻すことは出来ませんが、「これ以上ひどくならないように」と言う事でこの度はクリアーの塗装のみをお受付しました。

ただし、デカールを含む既存の塗膜は既に劣化していますので、今回この上に塗装を行うとさらに状態が酷くなる可能性がありますので、こちらのオーナー様にはそのご了承も頂いてのお受付となっております。

尚、塗装によって何かしら問題が起きても製品の補償は出来なく、またそれでも塗装費用は頂かなければなりませんので、もう二度と手に入らないと言う物の場合にはご依頼をお控え頂くようお願い申し上げます。

star3 底の方には塗装が欠けて素地のステンレスが見えている部分がありますが、こちらはクリアーを塗る前に似たような白をタッチアップする事で対応します。

star4 通常は全体にしっかりペーパーを掛けなければなりませんが、今回の製品でそれを行うとプリント柄が擦れて消えてしまいますので、柄の部分を避けつつ、丁寧に足付け処理を行います。

star6 傷のある部分に似たような白のベースコートを筆で塗ります。

star7 食み出ると余計に汚くなる為、タッチアップ時にも多少なりマスキングは行います。

star8 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

star9 艶具合だけなら新品時よりも美しくなっていると思います。

star10 今後の事も考えて、クリアーは耐擦り傷性・耐薬品性などに優れたクリスタルクリアーを使用しています。

star11 タッチアップした箇所は言われても気づかないくらい綺麗になっていると思います。

star12 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、数日寝かしたら完成となります。

star13 ちなみに良くお問合せ頂く内容としては、「サインが消えないようにその上にクリアーを塗って欲しい」といったご要望がありますが、それに対しては対応が出来ません。

と言うのも、その上に塗るクリアーの溶剤でサインのインクを侵して滲んだり溶けたりしてしまう可能性がある為、そういった「二度と手に入らない物」に関してはお勧めが出来ないのです。サインが溶けて変になってしまったとしても塗装費は頂かなければなりませんので、お互い非常に残念な思いをしてしまいます。

star14 もしくは同じ仕様の物が二つあって、一つは駄目になっても構わないと言う事でしたら対応は出来るかも知れません。ただし試す作業でも本番同様に費用は掛かりますので何卒ご了承下さいませ。

star16 今回は運良く上手く行き前例が出来ましたので、同じ物であれば対応は可能です。

出来れば新品の状態で、実際に使う前に今回のようなクリアー塗装を行う事をお勧め致します。

star17底の部分にあった擦り傷は綺麗に落とせましたし、また塗装が欠けた部分は良く見ても判らない程にはなっていると思います。

クリアー自体の強度については車の塗装と同程度となりますので、新品時のように普通に使っていて塗装が擦り切れると言う事はありません。どうぞご安心下さいませ。

象印ステンレスボトル塗装 完成

zojirushi15大変お待たせしました!象印製のステンレスマグボトルの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

zojirushi元々ステンレス素地に直接トップコート(クリアーピンク)が塗られた状態で、当店に届いた時はこのように塗膜がベロベロと剥がれてしまっていました。

通常こういった既製品は買い直した方が安価に済むのですが、長く愛用されていた物のようで今回再塗装のご依頼を頂きました。

zojirushi16 ただし再塗装するにあたって、同じようにステンレス素地に直接色は塗れませんので(同じように剥がれてしまいます)、一旦下地にプライマー(グレー)を塗布し、その上に元の色と似た通常の2コートメタリックで塗装を施しました。

zojirushi17 ボトルには凸凹とした意匠が施されていますが、そちらも元の通りの見栄えに出来ていると思います。

zojirushi18蓋に関しては一部に凹みもあったのですが、そちらも軽めのハンマリングとパテ処理で補修しておきました。

zojirushi1一応最初の状態がこちらとなります。

zojirushi19 蓋のフチ、口があたる部分には黒いプラスチックがありますが、これは蓋の内側と一体構造となっている為外せません。と言うか外すのであれば外側のステンレス製カバーを取り外すような形になる筈で、恐らく無傷で取り外すのは難しいと思われますのでマスキングで対応しています。

zojirushi20 今回の塗色である「日産グランベリーピンク2M」(カラーコード:AX7)はパールは入っておらずメタリックのみの配合ですが、発色も綺麗で元の色よりも華やかな色味になっていると思います。使われているメタリック原色MIX812の粒子自体は余り大きく無く(丁度真ん中くらいです)、輝きの強い球体アルミなので、赤系の有彩色と組み合わさって柔らかい光の反射を演出してくれているのでは、と思っています。

zojirushi21旧塗膜と一緒に剥がれた底のシールは新たにABS板で作成して塗装し貼り直しておきました。

それでは後程完成のご連絡を差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

象印ステンレスボトル 本塗り

zojirushi先日お預かりしておりました象印のステンレスボトルです。作業自体はかなり前から始めておりまして、先ほど無事本塗りを終えましたので、途中工程も含めて紹介させて頂きますね。

zojirushi3既存の塗膜はダブルアクションサンダーで削り落とします。このステンレスボトルは表面の模様がキリン氷結の缶みたいに凸凹しているので、サンダーで上手く削れない個所はワイヤーブラシで擦って落とします。

zojirushi1蓋の一部には凹みがあったのでそちらも修理します。ただし内側はプラスチックがあるのでドリーなどの工具を入れられませんから、塑性変形している個所のみをハンマリングして低くする程度に止まります。

zojirushi4蓋はポリパテを盛って削った状態です。絞りが出来ない以上弾性変形した部分が抑えられないので、パテを高い部分に合わせてなだらかなラインを形成しました。

zojirushi6 蓋の方はプライマーとウレタンサフェーサーを塗布し、ボトルの方はプライマーのみとします。

この後熱を掛けてサフェーサーを硬化させます。

zojirushi7 まずはいつも通り#320→#400で面出しを行い、

zojirushi8 続けて#600→#800の水研ぎでラインとペーパー目を均します。

zojirushi9 底に貼ってあったシールは旧塗膜と一緒に剥がれてしまったので、新たにABS板を切って作りました。レーザーで切る程では無かったのでフリーハンドでカット&ペーパーで形を整えています。

zojirushi10こんな感じで装着予定です。塗装後に両面テープで貼り付けます。

zojirushi13 そして台にセットし、よく脱脂をしたら本塗り開始です。

zojirushi2尚、色に関しては元々カラークリアーが塗られていた為それの再現は難しく(プライマーを塗らなければ結局また剥がれてしまいますので)、今回は通常の2コートメタリック塗装で近似色を選んでいます。

zojirushi11 ベースコートを塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。凸凹模様も元の通りに出来ました。色もMIX812らしいメタリックな輝きが良い感じになっていると思います(STANDOXユーザーにしか判りませんが)。

zojirushi12凹んでいた個所も綺麗に直っていると思います。

それでは完成次第改めて紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!