メッキエンブレム 本塗り

 先日メッキ素地用の下地処理とプライマーの塗装、そしてサフェーサーを塗っておいたメルセデスベンツに取り付け予定の特製メッキエンブレムです。

サフェーサーの上にガイドコートとしてパラパラと黒を塗布し、全体を#600→#800で研ぎ付けます。

 サフェーサーを研ぎ終えたら台にセットして本塗り準備完了です。

 固定方法はいつもの通りで、細く丸めたガムテープを貼ってそれをワニクリップで掴むという方法です。エンブレム側をしっかり脱脂しておく事と、ガムテープの粘着面には手を触れない(皮脂を着けない)と言う事を徹底しておけばまず剥がれません。

 ご指定頂いている色はメルセデスベンツ純正色の「ファイアーオパール」(カラーコード:590)で、そのまま塗ると染まり(隠蔽)が悪い気がしたので一応下色にクリーム色っぽい白を塗っておきました。ちなみにグレーでもピンクでも大丈夫です。

 そしてベースコートを塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで、塗装のやり方としては裏まで回り込むようにして塗っています。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェメーターカバー 本塗り

 先日色の確認を終えていたポルシェ911 991の内装メーターフードです。

足付け処理を行い、いよいよ本塗りです。

 通常であれば見せる面を上側にするのが基本ですが、今回は艶消し仕上げで、とにかくゴミを着けたくなかった為、そういった場合は敢えて目立つ面を側面にしたりします。以前施工したエクシーガのコンソールパネルなどがそうですね。

エクシーガセンターコンソール 本塗り

元々焦げ茶色っぽい色か、もしくは艶消しクリアーが塗られた状態でしたが、裏面で塗装が甘い個所もあった為、念の為プラスチックプライマーを塗布し、さらに下色としてグレーを塗っておきました。

 ベースコートを塗布した状態です。こうやってみると比較的染まりの良い色(隠蔽性の高い色)に見えますが、マルーン系の原色で構成されている為、余り染まりは良くありません。

そして艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。肌が悪いですが今回は艶を抑えたかったのでいつもより少なめに塗っています。コート数自体はいつもの通り2コート塗っています。

 その後時間が経つにつれて艶が消えていきます。

艶消しクリアーは通常のクリアーと同様に硬化剤が50%入りますが(所謂2:1です)、やはりと言うかタップリ塗ると艶が出過ぎる傾向にある為、今回は見本に合わせて艶を抑えたいと思い、少なめに塗っています。

もしくは艶消しクリアーを1コートのみで終わらせると言う方法もあるのですが(凄く艶消しになります)、その場合仕上がった時に表面が粉っぽく、またムラっぽくなってしまう為、基本的にはやはり2コートで仕上げるのが理想です。

・・・が、ちょっと艶が出過ぎたかも知れません。この後熱を入れて完全硬化後、実物に合わせてその辺も確認してみたいと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダジェイド メッキモール&メッキエンブレム塗装 完成

 大変お待たせしました!ホンダジェイドのフロントグリルメッキモールと、同じくフロントグリルに装着されるホンダのメッキエンブレム、艶ありブラックの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々メッキだったパーツに、上塗り塗料が剥がれない様下地処理を施した上で塗装を行っています。下塗り・中塗り・上塗りの三種類、3工程の塗装作業となっています。

ちなみに場合によってはメッキを剥がしてしまう事もあって、その辺はケースバイケースで選択します。以前の施工例が社外記の方でありますのでそちらも紹介しますね。

プジョーステアリングスポークカバー メッキ剥離

この時は「RCZ」の凹み文字を埋める為(実際は削り落としています)、メッキを残すよりも剥がした方が早く確実で、また素材自体もしっかりしていた為にこの方法としました。部品によってはメッキ被膜(装飾クロムメッキ)によって強度を保っている物もあるので一概にどれも剥がしてしまうという事は出来ません。

以前メルセデスベンツのスリーポインテッドスターのメッキを剥がした時はフニャフニャで、とてもそのまま使えるような物ではありませんでした。

ベンツ用ワンオフホイールキャップ シリコン型完成

 

 しかも今回はこちらの長いモールも一緒にご依頼頂いていて、さすがにこのメッキを剥がすというのは当店では難しいので、今回は(と言うか今回も)メッキは残したまま塗装する方法にしています。

塗装前の工程では通常通り「サフェ研ぎ」を行っている為、仕上がり自体は通常の塗装と同じくシャープに出来ています。肌の上に肌が乗ったようなデロデロとした仕上りにはなっていませんのでご安心下さいませ。

エンブレムも下地をしっかり行っていますので、メッキの仕上りに遜色無い程シャープに仕上がっていると思います。

 一応室内の照明下でも撮影してみました。

こちらのオーナー様からは追加でテールランプ一式のスモーク塗装もご依頼頂いておりますが、そちらはもう少し先となりますので、こちらを先に完成のご案内をさせて頂きたいと思います。まずはこの度もご贔屓頂き誠に有難う御座いました!

NCロードスター 樹脂製ヘッドカバー 本塗り

 先日凸文字部を研磨してシルバーを塗っておいたNBロードスターの樹脂製エンジンカバーです。

 用意しておいたマスキングシートを凸文字に貼り付けます。

 マスキングシートは文字よりも一回り大きくなっていて、それが均一に食み出るように貼っていきます。結晶塗装は通常の塗装に比べてあり得ない程塗り込む為、ここの貼り方がピッタリだと塗料がくっ付いて汚い仕上がりになってしまうのです。

 いよいよ本塗り開始です。再び全体にプラスチックプライマーを塗り、

 結晶塗装用の塗料を塗ります。

 結晶塗装は通常の塗装(2液ウレタン)と違ってフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を取らない為、塗料粘度を比較的高めで一気に6コート~8コート程を塗り重ねます。ちなみに粘度が高めなのは垂らさない為で、これがシャブいともう大変な事になっています。

 また樹脂製素材の場合は金属と違い熱が伝導しない為、各方向から熱を掛けてあげる必要があります。これを一方面からにすると200℃を軽くオーバーしてしまい、さすがに樹脂部品でそれは怖いですので…。

温度の測り方は一般的な非接触温度計を使い、この時点では100℃程でチヂレ目さえ出てくれればOKと言う感じで、140℃を超えないようパネルヒーターの向きや距離などを変えて調整しています。

 無事全体に結晶目が出たら一回目の焼きが完了です。

 一応平均120℃くらいで30分以上熱を掛けていて、この後は恒温機(箱型の乾燥機)でさらに130℃30分程の熱を掛けます。

 その前にマスキングを剥がしておきます。熱が下がるとマスキングシートが剥がし難くなり、最初に塗ったシルバーが剥がれる!と言う恐れがある為、比較的熱々の状態で剥がしておきます。

画像だと白にしか見えませんが、使っているのは比較的金属感の高いシルバー(STANDOX SPFシルバー)なので、知らなければこれがプラスチックだとは判らないと思います。

それでは後日外した部品を組み付け、完成次第また紹介させて頂きたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヴィヴィオヘッドカバー結晶塗装 完成

先日本塗りを終えていたスバルヴィヴィオのヘッドカバーです。

最後に凸部を研磨して光らせ、アルミ素地にクリアーを筆で塗っておきました。

 そして大変長らくお待たせしました!スバルヴィヴィオのエンジンヘッドカバーの結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

アルミ素地には全体的に腐食が出ていて、

また固形化したオイルの汚れも酷かったのですが、

アルカリ洗浄液に一ヶ月くらい浸け置きし、

外側はサンドブラスト処理(軽め)で綺麗にしておきました。

 見た目もそうですが、内側からも綺麗にしていますのでこれからも長くお使いいただけるかと思います。

 ここまでの画像だと逆行になるのでちょっと色味が暗いのですが、

 順光になると鮮やかな青味を感じられます。

 以前(確か)プレオのヘッドカバーを塗った時、プラグホールの外側に結晶塗装を塗るとキャップが嵌り難くなるとの事で、それからは穴の周り(壁部分)には結晶塗装をしないようにしています。

ただ今回のように一度腐食の出た金属は再発する可能性が高いので、プライマーはしっかり塗って、塗膜の厚みを着けたくない個所には艶消しの黒を塗るようにしています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!