NCロードスター 樹脂製ヘッドカバー 本塗り

 先日凸文字部を研磨してシルバーを塗っておいたNBロードスターの樹脂製エンジンカバーです。

 用意しておいたマスキングシートを凸文字に貼り付けます。

 マスキングシートは文字よりも一回り大きくなっていて、それが均一に食み出るように貼っていきます。結晶塗装は通常の塗装に比べてあり得ない程塗り込む為、ここの貼り方がピッタリだと塗料がくっ付いて汚い仕上がりになってしまうのです。

 いよいよ本塗り開始です。再び全体にプラスチックプライマーを塗り、

 結晶塗装用の塗料を塗ります。

 結晶塗装は通常の塗装(2液ウレタン)と違ってフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を取らない為、塗料粘度を比較的高めで一気に6コート~8コート程を塗り重ねます。ちなみに粘度が高めなのは垂らさない為で、これがシャブいともう大変な事になっています。

 また樹脂製素材の場合は金属と違い熱が伝導しない為、各方向から熱を掛けてあげる必要があります。これを一方面からにすると200℃を軽くオーバーしてしまい、さすがに樹脂部品でそれは怖いですので…。

温度の測り方は一般的な非接触温度計を使い、この時点では100℃程でチヂレ目さえ出てくれればOKと言う感じで、140℃を超えないようパネルヒーターの向きや距離などを変えて調整しています。

 無事全体に結晶目が出たら一回目の焼きが完了です。

 一応平均120℃くらいで30分以上熱を掛けていて、この後は恒温機(箱型の乾燥機)でさらに130℃30分程の熱を掛けます。

 その前にマスキングを剥がしておきます。熱が下がるとマスキングシートが剥がし難くなり、最初に塗ったシルバーが剥がれる!と言う恐れがある為、比較的熱々の状態で剥がしておきます。

画像だと白にしか見えませんが、使っているのは比較的金属感の高いシルバー(STANDOX SPFシルバー)なので、知らなければこれがプラスチックだとは判らないと思います。

それでは後日外した部品を組み付け、完成次第また紹介させて頂きたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヴィヴィオヘッドカバー結晶塗装 完成

先日本塗りを終えていたスバルヴィヴィオのヘッドカバーです。

最後に凸部を研磨して光らせ、アルミ素地にクリアーを筆で塗っておきました。

 そして大変長らくお待たせしました!スバルヴィヴィオのエンジンヘッドカバーの結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

アルミ素地には全体的に腐食が出ていて、

また固形化したオイルの汚れも酷かったのですが、

アルカリ洗浄液に一ヶ月くらい浸け置きし、

外側はサンドブラスト処理(軽め)で綺麗にしておきました。

 見た目もそうですが、内側からも綺麗にしていますのでこれからも長くお使いいただけるかと思います。

 ここまでの画像だと逆行になるのでちょっと色味が暗いのですが、

 順光になると鮮やかな青味を感じられます。

 以前(確か)プレオのヘッドカバーを塗った時、プラグホールの外側に結晶塗装を塗るとキャップが嵌り難くなるとの事で、それからは穴の周り(壁部分)には結晶塗装をしないようにしています。

ただ今回のように一度腐食の出た金属は再発する可能性が高いので、プライマーはしっかり塗って、塗膜の厚みを着けたくない個所には艶消しの黒を塗るようにしています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!