ポルシェメーターフード塗装 完成

先日本塗りを終えていたポルシェ911 991用のメーターフードです。

クリアーは艶消しタイプを使っているのですが、ちょっと塗り込み過ぎたせいか、取り付けをする土台部分のパネルに比べると 若干艶が出過ぎています。またこれにより色も大分濃く見えます(艶消しになると白っぽく見える効果があります)。

 と言う事で改めて再塗装を行いました。今回のクリアーは1コートのみとしています。

 既に熱を掛けて強制乾燥も完了し、本日完成となります。大変お待たせしました!

艶消しクリアーを1コートのみとするとムラが出易く、また表面の肌が若干粉っぽくなる所がありますが(そのせいでムラっぽくなると言う事なのですが)、さすがに最初の状態だとクリアーを塗り込み過ぎて艶が出過ぎた状態だったので、今回は通常行わないくらい薄膜で仕上げました。

尚、ベースコートの色はオーナー様のご指定により土台部分の色よりも若干濃くしています。

色の作成については以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さい。

ポルシェメーターカバー 色準備

 

最初に見つけた色見本の配合データが無い!と言うのがちょっと痛かったですね。そういう事もあるのでしょう(しかし初めてです)。

画像は仮合わせの状態で、ネジ止めをするともう少し奥までピッタリ入ると思います。

 やはりと言うか艶消し(半艶も)の艶合わせは非常に難しく、またそれによって色味自体も違って見える為、これを合わせるには事前に「塗装→強制乾燥→確認」を何度も行わないと駄目だと思います。

今回は幸いにして被塗物が小さかったので再塗装のコストは少なくて済みましたが、これが大きい物や形が複雑な物だったら大変だったと思います。ちなみに車体の艶消し塗装で、上手くいかなかったボンネットを12回(もっとだったかも知れません)塗り直している塗装屋さんを知っています。ゴミもそうですが、塗り込みが甘いとムラになるので難しいんですよね。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き誠に有難う御座いました!

ポルシェメーターカバー 本塗り

 先日色の確認を終えていたポルシェ911 991の内装メーターフードです。

足付け処理を行い、いよいよ本塗りです。

 通常であれば見せる面を上側にするのが基本ですが、今回は艶消し仕上げで、とにかくゴミを着けたくなかった為、そういった場合は敢えて目立つ面を側面にしたりします。以前施工したエクシーガのコンソールパネルなどがそうですね。

エクシーガセンターコンソール 本塗り

元々焦げ茶色っぽい色か、もしくは艶消しクリアーが塗られた状態でしたが、裏面で塗装が甘い個所もあった為、念の為プラスチックプライマーを塗布し、さらに下色としてグレーを塗っておきました。

 ベースコートを塗布した状態です。こうやってみると比較的染まりの良い色(隠蔽性の高い色)に見えますが、マルーン系の原色で構成されている為、余り染まりは良くありません。

そして艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。肌が悪いですが今回は艶を抑えたかったのでいつもより少なめに塗っています。コート数自体はいつもの通り2コート塗っています。

 その後時間が経つにつれて艶が消えていきます。

艶消しクリアーは通常のクリアーと同様に硬化剤が50%入りますが(所謂2:1です)、やはりと言うかタップリ塗ると艶が出過ぎる傾向にある為、今回は見本に合わせて艶を抑えたいと思い、少なめに塗っています。

もしくは艶消しクリアーを1コートのみで終わらせると言う方法もあるのですが(凄く艶消しになります)、その場合仕上がった時に表面が粉っぽく、またムラっぽくなってしまう為、基本的にはやはり2コートで仕上げるのが理想です。

・・・が、ちょっと艶が出過ぎたかも知れません。この後熱を入れて完全硬化後、実物に合わせてその辺も確認してみたいと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェメーターカバー 色準備

 こちらもお待たせしております。ポルシェのメーターカバーと、色の見本としてお預かりした内装部品です。

 色に関しては「5分程度の簡易的な色の作成」(調色ではありません)と想定していましたが、その後色見本帳から艶消しクリアーが塗られた近似色を見つけていて、それを採用する事にしていました。

↓こちらです。

ポルシェ内装色検証

…が!実はこのルノーのROUGE R5(カラーコード:715)なる色ですが、配合データがありませんでした…。STANDOXのサポートにも電話をして確認した所、色番号自体は確かに存在するのですが、古い物なので配合データが存在していないとの事でした(しかしそんなに昔の物でも無いと思うのですが…)。

 と言う訳ですので、それの前に見つけていたCITROENで色を作ってみた所、余り良く判らないので結局一から色を作る事にしました。

 パッと見は茶色に見えるのですが、実際に作ってみるとマルーン系の鮮やかなエンジ色といった感じです。

そしてやはりと言うか、表面に見える色は塗装では無く着色された樹脂素材の色か、或いはそれが透けて見えているような感じです。茶色い色をした素材の上に、透けたような透明感のあるマルーンが塗られている感じでしょうか。

と言う訳ですが、今回はオーナー様からは「多少の誤差は覚悟の上」「組み合わせる台座よりは、ほんの少し濃い感じで」と伺っていますので、これくらいの感じで本塗りに挑もうと思います。

ちなみに台座に塗っているのは石鹸水で、製品自体に影響は全くありませんのでご安心下さいませ(シリコンオフはマズイですし、かといって普通の水だと弾くので、こういった場合は水に数滴洗剤を入れて界面張力を低下させ親水にします)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ポルシェメーターカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたポルシェ991用のメーターカバーと内装部品です。こちらのオーナー様は以前ポジションライトやテールランプ一式をスモーク塗装でご依頼頂いておりまして、今回はこちらを内装部品の近似色で塗装ご依頼承っております。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

部品は新品で、黒に近い焦げ茶色に艶消しクリアーが塗られた状態です。

 実際に装着するとこんな感じです。

ちなみに塗装屋さんなら判ると思いますが、このメーターカバーを単体で塗装してこの内装色に色を合わせるのは至難の作業です。少し位置が離れていれば多少色が違っても分かりませんが、車体と同じく同一ラインでピッタリツライチとなっている為、少しの色違いでもとても目立ちます。

なので通常であればしっかりとした調色作業をした上で隣接するパネル(今回だと土台のパネル)に色(ベースコート)をボカし、クリアーは全面に塗るという作業が正解となります。

ただそこまでの作業をするとメーターカバー一つで相当のコストになってしまう為、今回は多少の色違いはご了承の上で「近似色」として対応させて頂く事にしました。

ただこれについては今回少し考えている事もあって、ただその辺は少し仕事外的な作業となる為、こちらでは無く社外記の方で紹介すると思います。

ちなみに内装部品の裏側を見るとこちらは若干艶があり、如何にもプラスチックと言うチープ感が見受けられます。色は外側と同じなので、恐らくこの部品は質感を良くする為に「外側に艶消しクリアーを塗っただけ」の仕様かと思われます。

製造メーカーはエコ推進環境政策のドイツですから、VOC排出低減と言う観点からしてこういう事をするのも判る気がしますが、ただこれを今回のように塗装(顔料)で再現するとなるとかなり厄介です(着色樹脂と塗装ではまるで違いますので…)。

と言う事も含め今回はこの色について少し検証してみたいと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!