F50ブレンボキャリパー 本塗り

先日サフェ研ぎを終わらせていた新品のF50ブレンボキャリパー一式です。

マスキングを行い、脱脂洗浄をしたらいよいよ本塗りです。

 ロゴ入れ用のマスキングシートも作成しておきました。「e」の内側は小さ過ぎて一部綺麗にカットが出来ない場所がある為、別紙にカットして作った物から移植したりしています。

ブースを回し、良くエアーブローしたら本塗り開始です。

 まずは全体にプライマーを塗り、20分くらい自然乾燥させます。

車体(またはブラケット)に当たる部分には膜厚をつけたくない為(それでも防錆はしたい為)、そこはプライマーとベースコートの黒を薄膜で塗り、さらに自然乾燥後にマスキングを行います。

 再びフックに吊るし、エアーブローを行い全体を軽くサンディングします。

 今回のキャリパー色はフェラーリ純正色のGIALLO MODENAでご指定頂いておりまして、当然ながら隠蔽が弱く、そのまま塗ると塗膜が厚くなってしまう為、まず下色に適当な白を塗り、さらに隠蔽の高いイエローを塗ります。隠蔽性の高い無機顔料系イエローであるオーカーなどが混ざった黄色ですね。手前が白で、置くがイエローです。

 そして最後にGIALLO MODENA(カラーコード:4305)を塗ってベースカラーの完了です。白→無機顔料系黄色→有機顔料系黄色×2コートで、ベースコートは合計4コートで済ませました。また最初の2コートには硬化剤も添加しています(STANDOXは通常ベースコートには入れなくて大丈夫ですが、前もって添加しておけば膜厚が付き過ぎてしまった時も安心です)。

ちなみにDUPONTはこれによって起きるトラブルが増加した為、途中から「最初から硬化剤を入れて下さい」と言う事になっていましたが、今は解決したのでしょうか…。

 そしていよいよロゴ入れ塗装です。ちなみに今回は2日間に別けて作業を行いました(神経が持ちません)。

 ロゴを入れる個所にはプレスラインがある為、上下のロゴはそれぞれ別けて貼る事にしました。

また「Ferrari」と「brembo brake system」の位置は左右でズレないようカットする前に印を付けてあります。

まずは「brembo brake system」のロゴ入れで、こちらはフェラーリ純正色の「ロッソ・スクーデリア」で承っています。

通常配合データをその都度メーカーサイト(STANDOX)からダウンロードしますが、良く使う色は色見本として用意しているので配合データもそれを見ながら作れるようになっています。まあ単に見栄えが良いだけでもあるのですが(笑)。

 と言う訳でロゴ入れの塗装が完了です。精魂使い果たしてしまったのでクリアーを塗る体力は残っていなく、ただデスクワークはしなければならないのでこの後さらに深夜まで仕事は続き、ようやく帰ろうとしたら自転車のタイヤがパンクしていてそのまま倒れるかと思いました(笑)。

 と言う訳で本日です。改めてブースを回してエアーブローし、いよいよクリアーの塗装となります。

 そして本塗り完了です。大変お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

 最近気温が上がっていましたが、今日は比較的雰囲気温度も低かった為、垂れを防止する為ハードナーは早めの5-25、シンナーはどうしようかと悩みましたが、やはり垂れるリスクは避けたかったので10-20としました(STANDOXユーザーしか判らない内容ですいません)。

 ちょっとこの画像だと何故か彩度が低いのですが、実物はちゃんとイエローも赤も鮮やかですのでご安心下さいませ。

 塗り方としては、先に内側を「下から上へ」「上から下」を表裏行い、そのまま続けてキャリパー全体を「下から上へ」「上から下へ」を一周行います。形状からしてちょっと塗り難い所もあるのですが、以前知り合いの工場に間借りしていた時、私と同じく間借りしていたブレーキ屋さんから、信じられない量のキャリパーを塗らせて頂いたお陰で多少なり鍛えられました。

GIALLO MODENA(カラーコード:4305)は以前からよく使っていた色ですが、色見本プレートとしては作成していなかった為、今回こちらも一緒に塗らせて頂きました。イエロー系のご依頼も比較的多いので見比べられると便利かも知れませんね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車小物パーツ 素地調整

こちらはBASSOの自転車フレームに取り付けると思われる小物部品です。

 今回こちらのシートポストステーのみサンドブラストの下地処理が必要だった為、他の案件と並行して先にこちらだけ先に作業を行う事にしました。

 ステーの内側は塗装しない為、丁度良いサイズになるようマスキングテープの径を調整して嵌め込んでいます。

上面にあるトルク表示の文字は塗装では無く「抜き」で、側面にあったメーカーロゴは白のプリントだった為そちらはペーパーで削り落としてあります。

 先ほどのモデルガンパーツの黒は塗装でしたが、こちらは塗装では無くアルマイトです。

元々あった黒は「塗られている」という訳では無く「浸み込んでいる」と感じで、アルマイト処理された酸化被膜はそれによってアルミ素地を腐食等から守っているのですが、それ故に塗装も食い付き(密着)が悪く、素地を荒らしてあげる必要があります。ペーパー掛けでも良いのですが、フランジ状になった孔の奥を処理するのは物理的に難しい為、こういった場合はサンドブラスト処理が有効です。

シンナーに浸けて砂汚れを綺麗に除去し、 プライマーを塗布します。

その他の部品はペーパー掛けやスコッチ&ウォッシュコンパウンドでの足付け処理で、そちらが進行しまいたらこれも合流して一緒に作業を行います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

モデルガンパーツ 素地調整

 こちらもお待たせしております。モデルガンのパーツ、スコープマウントの作業も進行しておりますのでご安心下さいませ。

 サンドブラストの前に巣穴があるのでまずはこちらを除去しておきます。

そのまま角を削るとラインが無くなってしまいますので、最初は側面と下面を削っていき、その後エッジを均します。

 こんな感じで目立たなくなりました。

 今回はグリップ部のパーツもご依頼頂いていますが、そちらは「単に塗るだけ」の仕様で、サンドブラスト処理を行うのはこちらのパーツ4点となります。

 サンドブラスト処理の完了です。元々の黒はアルマイトでは無く塗装でした。

 シンナーに浸けて洗浄した後、プライマーを塗布します。

 表を塗って乾燥したら裏側を塗るというようなやり方で、

 こちらの2点は固定が出来たので裏表を一緒に塗ります。

スコープマウントに打ち込んであるスチール製のボルト部分は「本体とは質感を変えたい」との事でして、一旦全体を艶消し黒に塗装した後、最後にボルトの頭の箇所(円)だけを半艶黒に塗装します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!