RB26→RB28タイミングベルトカバー 本塗り

 先日下塗りまでを行っていた日産スカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。その後熱を入れて塗膜を硬化させておきました。

 まずは#1500で全体の肌を研ぎ落とします。ゴミが着いた部分は凸が残ってしまうので砥石を当て板に使います。

 その後はスコッチとウォッシュコンパウンド(液状の研磨洗浄剤)を使って細部を足付けします。文字の周りは角が立っているのでスコッチでも下地が出やすいですからナイロンブラシなどを併用します。とにかくクリアー層を破かないようにですね。

 最後に水でよく洗い流します。足付け処理が足りない部分は水を弾きますが、しっかり出来ているとペターと親水になります。

 脱脂清掃し、台にセットして最終脱脂を行ったら本塗り準備完了です。ゴミが着くのが嫌だったので前日にブースの床と壁、台も全てスチーム洗浄しておきました。余計に時間が掛かりますが、これをするとかなり違います。

今回はベースコート(色)は塗らず、艶消しクリアーのみとなります。まずは一回塗って艶が消えるのを待ちます。谷の部分は塗料が溜まりやすく乾燥し難くなるので、そういった部分も艶が消えるまでしっかり待ちます。エアーブローをしたり熱を掛けたりするとムラになってしまうので、何もせずじっくり20分くらい時間を掛けます。とにかくひたすら待ちますので、ゴミが降ってくるor舞っている環境では艶消し仕上げは難しいと思います。

 そして二回目のクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

いつもの艶ありクリアーに比べると塗り込みが浅いですが、艶消しクリアーはそこまで塗る必要はありません(と言うかそこまでレベリングがありません)。垂らすと修正が出来ないのでとにかくそれに気を付けつつ、全体が均一な膜厚になるように重きをおきます。

この後は徐々に艶が消えていきますが、ゴミを着けたくなかったのでこれ以上は近寄らず、そのまま翌日まで自然乾燥させました。

その後恒温機で60℃40分程の熱を入れ終わった状態です。

 ページ一番最初の画像と比べると全く違う色に見えますが、艶消し仕上げとはこういう物でして、なので調色がとても大変なのです。

  パールは艶が無いとその効果は殆ど発揮されなく、艶具合によってベースカラーの彩度まで変わってしまうので、実際に艶消しクリアーを塗ってみないと本当の色味は判らなかったりします。

凸文字部分には巣穴が結構あって、下塗りのクリアーを塗った時点ではそこを弾くようにして盛り上がりましたが(表面張力です)、その際にクリアーの筆挿しで埋めて削っておいたので、今回の艶消しクリアーでは無事フラットに仕上がりました。こういった事も含め、本塗りを二回に分けて正解だったと思っています(艶消しだと磨き処理が出来ないので巣穴一つで塗り直しが確定です)。

この後は数日寝かしておき、後日完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレムメッキ枠 本塗り

 先日サフェを塗っておいたスバル純正のフロントグリルバッジとトランクエンブレムのメッキ枠です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 #800で水研ぎし、その後布状研磨副資材(アシレックスレモン)でペーパー目を均します。

 台にセットし、

 よく脱脂清掃をしたら本塗り開始です。

 まずはベースコートの黒を塗ります。

ソリッドカラーならクリアーを塗らない1コートソリッド(STANDOX VOC2Kエナメル)でも良いのですが、早く終わる以外のメリットが余り無いので殆ど使う事はありません(ただし密着性はクリアーより強いと感じるので2度塗りの際の下塗りによく使います)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 下地はメッキですが、普通の塗装と同様に扱って頂いて大丈夫です。密着剤を使った時のように経年で塗装がパリパリと剥がれてくる事はありません。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

これに着くアクリルプレートはスモーク塗装で承っていますので、そちらも進行次第紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レンジローバー1/18ミニカー塗装 完成

 大変長らくお待たせいたしました!先日組付け作業を行っていたAUTO ART社製の1/18レンジローバーのミニカー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々シルバーに塗装されていた物で、一部破損していた箇所があったのですが、部品取り用としてもう一台をご用意頂いたので、破損した箇所などはそちらを利用させていただきました。お預かりしたのは去年の暮で、完成までには5カ月弱となりました。

 色はランドローバー純正のナラブロンズ(カラーコード:825)となります。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

 ドアを開けて見える部分も全て塗りました。

 蛍光灯での撮影だと色が明るく見えますが、

 自然光だと実車の色味に近く見えるかと思います(どちらもカメラの設定は買えていません。NIKON D200で同社マクロレンズ40mm ISO250 F4.5~5.5 S1/50~60くらいです)。

他にはストロボを使った撮影もしました(この場合はISO100 F14~16 S1/125です)。

 ホイールは艶消し黒に塗装しています。

 今回のミニカーは分解する際に破損した部品が結構ありましたが、部品取り用のもう一台のお陰で何とかなりました。本当に感謝です。

 再び自然光です。

 ボンネットにあるRANGE ROVERのバッジはデカールで再現しています。クリアー下に貼ってあるので最初の状態のように文字の一部がどこかに行ってしまう事はありません。

 リヤゲートの形状は一部を実車と同じような感じに変更して、下側に貼ってあったRANGE ROVERのロゴを上に持って来ました。

今回もやる前までは甘く見ていたところがあって、やはり一度組み付けられて完成している物を分解して塗り直すのは大変だと実感しました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 下塗り

 先日サーフェサーを塗っておいた日産スカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。その後熱を入れて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 いつものタイミングベルトカバーに比べると全体に歪が多く、#320に木を当て板にしてガッツリ研ぎ出し、その後#400で均しました。

 凸文字の部分は#120まで粗研ぎを行っておいたので、その後の続きで#180→#240と研ぎ出します。ここまでは空研ぎです。

 その後は#600の水研ぎで全体の細かいラインを整えます。

 凸文字の部分は普通の当て板では研げないので、

 2ミリと3ミリ厚のアクリル板を当て板として研ぎました。

 この後はいつもなら#800~#1200、布状研磨剤などを使ってペーパー目を均しますが、今回は本塗りを二回に分けて行うので#600でフィニッシュとします。

 よく脱脂清掃し、下塗り準備完了です。

 アルミ素地が露出した箇所にはスポット的にプライマーを塗布します。

 先に裏側にベースコートの黒を塗布しました。

 続けて表側に調色済みのベースコートを塗布し、よく乾燥させたら凸文字以外の部分を養生=マスキングします。ソリッドカラーなら大丈夫ですが、パール・メタリックは少しでも傷が付くとそのまま残るので、ペーパーが当たらないようにです。

 #240→#320→#400→アシレックススカイ→アシレックスレモンで仕上げます。

 タッククロス(粘着剤が着いた不織布)とエアーブローで研ぎ粉を除去し、金属が露出した部分に密着剤を塗布します。

 そしてクリアーを塗って下塗り完了です。

表面張力でフチが盛り上がらないようクリアーの希釈率はいつもより多めにして(15%→20%)、塗り方も控えめにしています(なので肌が粗いです)。

この後はいつも通り熱を入れて塗膜を硬化させ、再び全体を足付け処理して今度は艶消しクリアーで本塗りを行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Logicoolキーボード ロゴ作成

先日お預かりしておりましたロジクールのG PRO Xキーボードです。

その後分解も行っておきました。

キーボードの上にはインジケーターランプがあって、その下には「CAPS LOCK」「SCROLL LOCK」の文字も復元するよう承っていますので、こちらのロゴデータを作成します。

 似たようなフォントを見つけ、それを基に既存のロゴに形を合わせていきます。

文字の高さはおよそ1.6mmで、ここまでのサイズとなるとノギスで測っても誤差が出てしまうので、実際にプリントしてサイズを確認します。

これでデータが出来たので、後日デカールを作成します。

ロゴの色はピンクで、枠はティファニーグリーン、キートップは黒になるので、イメージとしては以下の画像のマイクみたいな感じになるかと思います。

そして今回一緒にご依頼頂いているLogicoolG G PRO wirelessのマウスです。

 こちらも先日分解を終えています。二回目なので精神的にかなり楽でした。

 塗装するのは前回と同じくこちらの11点となります。

ただ今回はこれにロゴを入れるよう承っておりまして、これが相当難しいのです。

と言うのも、

クリックボタンは内部機器に固定される構造の為、カバーだけの状態だと適正な位置が出せません。車の塗装で側面にピンストライプなどを入れる時、ヒンジもロックも着けない状態で入れろ!というくらい無理な内容です。

と言う訳で今回は適正な状態が判るよう、もう一個(!)同じマウスをお預かりしました。前回ご依頼頂いた分を含めると同じマウスを3個お持ちという事です。これ一個でも私では買えない金額ですから、ちょっと意味が判りません・・・(恐)。

実際にロゴを入れる時には一旦仮組みをして行うかも知れませんが、とにかく見本があるのは助かりますから、これで懸念していたロゴ入れも問題無いかと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!