先日お預かりしておりましたAUDIX OM11マイクです。
今回も前回と同じくファイアーパターン柄で承っていますので、その時のデータを使います。
元々はSHUREのSM58用に作ったデータを、マイクのサイズに合わせて縦に長くして修正しています。念のため印刷した紙をマイクに当てて確認しておきます。
難しいのが最初と最後の繋がりで、この辺りも良い塩梅になるように作ってあります。
レーザーでのカットはデリケートで、カットする部分はマスキングテープが重ならないよう「1枚物」を使う事が基本となっています。台紙を切らないようにパワー調整すると、重なった下の部分は切れないんですよね。なので当店は特注で150mm幅の物を作って貰っています(300mmとかも出来るみたいですが、引き出す時に使い難かったりと実用的ではないようです)。
元々は趣味の為に買ったレーザー加工機ですが、現在は仕事でも大いに役立ってくれています。
こちらは失敗で、台紙まで一緒に切ってしまっています。気温にも左右されるのでその都度調整が必要です。
スピードはそのままでパワーを徐々に落とし、台紙に貼ったマスキングテープのみをカットします。ちなみに同じパワーで3Mのマスキングテープを切ると台紙まで切れてしまうので、使う材料毎にパラーメーターを変える必要もあったりします。
カットしたファイアーパターンのマスキングテープを、透明なアプリケーションシート(転写シート)に貼り付けます。アプリケーションシートも粘着力が弱・中・強の3種類を使い分けています。
そして本塗り開始です。
尚、マイクに元々あったロゴは印刷では無く「レーザー彫刻」(レーザーマーキング)で表現しているので、研磨してその段差を取り除くと金属素地が露出します。
全体は#800で研磨、グリルのメッシュ部分はペーパー等では細部まで当たらない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理をしてあります。
金属素地が露出した箇所にプライマーを塗布します。
続けて下色に隠蔽力の高いシルバーを塗ります。目の細かいシルバー原色(例えばSTANDOX MIX595または594)をそのまま使っても良いのですが、汎用的に使えるという事でVW社のリフレックスシルバー(LA7W)を採用しています。
続けてメタリック粒子が大きく輝きの強いシルバー=STANDOX MIX598を塗ります。これは混ぜ物無し、原色そのまま採用しています。出来る限り派手に輝いて欲しい為ですね。
シルバーが乾いたら場所を工場二階に移し、ファイアーパターンのマスキングを行います。
まず一層目です。
この型のマイクは途中に段差(つなぎ目?)がある為、そこのマスキングが浮かないようしっかり貼っておきます。
続けて2層目のファイアーパターンを貼ります。転写シートから貼った際は段差部分は浮いていて、その部分だけを押し込もうとするとマスキングが切れてしまいますから、一旦端から剥がし、谷の部分にしっかり押し込んだ後に再び貼り戻します。かなりデリケート且つ面倒な作業です。
各部チェックして問題が無ければ、
再び場所を工場一階のブースに移し、
ベースコートの黒を塗布します。極力薄膜になるよう(段差が着かないよう)口径の小さいスプレーガン(0.5mmエアーブラシ)を使っています。
2層目に貼ったファイアーパターンのマスキングを剥がします。剥がした直後はガタガタなので、タッククロスでのふき取りや、テープを貼って剥がしてバリを除去してあります。
続けて黒を薄く塗布します。スモークでは無く通常の黒原色(STANDOX MIX571)を、樹脂(MIX599)とシンナーで希釈しています。
グリルは艶あり黒となりますので、この時点でこちらにもベースコートの黒を塗布しておきます。
1層目のファイアーパターンマスキングを剥がしました。
こちらもマスキングを剥がした時点ではバリが酷かったですが、丁寧に処理し、さらに部分的にシルバーと黒を塗って修正しています。
色については前回の青より赤味を足した「青紫」で承っていますので、塗料を調整します。ちなみに画像の色は前回使用した「KK-13 BURPLE」です。この状態だと見本に近いのですが、実際に塗ってみると(色が薄いと)赤味が全然足りないんですよね。
ただ赤味は後から追加出来るので、まずはKK-13そのままで始めます。色がかなり黄色味寄りなのが判るかと思います。塗り重ねていけば赤味は出るのですが、ファイアーパターン柄が見えなくなってしまうので、シルバーが透けて見える状態で色味が合うよう調整します。
最初はバイオレット系の原色=KK-22 VOODOO VIOLETTEを足したのですが全然赤味が足りなかったので、より赤味が強いマゼンタ系の原色を足すことにしました。
この方法で丁度良い赤味が出てくれました。
ちなみに本来であれば事前に色板を作成して検証するところですが、その作業を行うとマイク数本分の費用が掛かってしまうので、コストが上がらないような方法で対応しています。
そしてベースコートが完了です。尚、マイク下部(画像上側)はシルバーのままでご指定を頂いています。
最後にクリアーを塗って本塗り(下塗り)完了です。お待たせしました!
尚、今回の本塗りではファイバーパターン柄の為に塗膜に段差が出来てしまっているので、この後完全硬化させたら表面を研磨してもう一度クリアーだけ塗ります。
こちらは単色なのでこれで完了ですね。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!