バンデンプラプリンセステールレンズ等塗装 完成

vanden49最初に外しておいたフロントインジケーターランプ内側のオレンジレンズを取り付けます。

vanden50固定されているのはこの個所のみで、最初の状態としては穴を通ったピンの先端が溶かされて固定してありましたが、外す際にはそこを削り落としているので、取り付けは透明なエポキシ接着剤を点付けして固定しています。

vanden44 そして完成です。大変お待たせしました!

vanden45 下に白い紙をしいているのはレンズの色が良く見える為で、実際に車体に装着される際はメッキの反射板が付くのでもっと鮮やかに見えると思います。

最初の状態も紹介しますね。

vanden こちらが最初の状態です。テールランプはオレンジ色の部分が左右で色が変わってしまっている事、また赤い部分も色が落ちてしまっています。

vanden3表面には細かい傷も無数にありました。

vanden1構造としてはオレンジ単色のレンズに裏側から透過性の赤い塗料を塗られているようで、それが経年で落ちてしまっています。今回は裏側には手を付けず、表側からオレンジとレッドを塗装しています。

 

vanden46 下塗りのクリアーを塗ったお陰で細かい傷も埋められ、かなり綺麗な状態になったと思います。裏を見ない限りはどっちがどっちだったか判らないと思います。

vanden4 フロントのインジケーターランプは汚れもそうですが樹脂自体も劣化で黄ばみがありましたが、裏表共にレンズの表面を削って一皮剥き、さらに全体に下塗りのクリアーを塗って下地を作ってから塗装しています。

vanden48 極薄いスモークを塗って黄ばみを目立たなくし、耐候性の良いクリアーを使って今後の褪色も防止しています。

vanden47若干のスモークによってコントラストが強調され、高品位なクリアーの質感でパッと見はガラスのように見えるかと思います。レストアが終わって綺麗になった車体に似合うと良いですね。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き有難うございました!

バンデンプラプリンセステールレンズ等 本塗り

vanden28 先日表面にクリアーの下塗りをしておいたバンデンプラプリンセスのLUCAS製テールレンズです。特に右側のレンズは赤い部分が劣化して色褪せてしまっていて、また上部オレンジ色の部分も左に比べると若干右側が薄いです。今回はこれらを塗装で同じような色味に近づけます。

透過性の塗装の場合は塗りながらその状況(濃さやムラ)を確認したいので、裏側のマスキングには養生紙やテープでは無く、反射板の代わりとしてアルミフィルムを貼る事が多いです。

vanden29ただアルミフィルムだと光が反射し過ぎて、左右の微妙な色味が判り難い模様です。

vanden30 と言う訳で今回は透明なビニールフィルムを使ってマスキングしました。

vanden31 そちてこちらはフロントインジケーターランプのレンズです。裏表共にクリアーを塗った状態で、最初に比べるとかなり透明度が上がっているのが判ると思います。

ただ左奥の古いレンズの方は微妙に黄ばみが残っていますので、最後に極薄いスモークを塗ってさらに統一感を出そうと言う作戦です。

vanden33 こちらは裏側にアルミフィルムを使ってマスキングしています。表面あ#1300で足付け処理しました。

vanden32 こちらも同じく足付け処理を行った状態です。どちらも既にクリアーが塗られているのでプラスチックプライマーは不要です。

vanden34 まず最初にオレンジ部分を塗装します。

当初は下塗りクリアーの時に一緒にキャンディーオレンジを全体に塗ってしまおうかとも思ったのですが(その方が効率が良いです)、透過するとは言え光の三原色とは違って色が重なると「濁り」が生じる恐れがあるのでそれは辞めました。

vanden35 また今回の作業内容では極力オリジナルの状態にしますので、色も普通のオレンジキャンディーでは無く、イエローキャンディーにオレンジを加えると言う方法で色を調整しています。

vanden36 そのままだとやはり微妙な色具合が判らないので、下に白い紙を敷いてそれぞれの色の濃淡を比色します。今回は薄い方を最初に塗ってもう一方の色味に合わし、その後両方の色味を嵩上げしていくと言うやり方にしています。

元々色も着いているので3コート程で終わらせました。

vanden37オレンジキャンディーの塗装は薄膜で済んだので、途中休憩を入れて十分にフラッシュオフタイムを設けた後、そこを、マスキングして続けてレッドキャンディーを塗布します。

vanden38 レッドキャンディーは現在2種類を使い分けていて、通常は濃い方を使いますが、今回は薄い方の赤を使いました。前者はその特性からして耐候性が良いのですが、塗り重ねる毎に濃くなる傾向があって、後者は鮮やかなので塗り重ねても濃さに影響が少ないですが前者に比べると耐候性は劣ります。2013年頃まではこちらのレッドを使っていましたが、その後はより耐候性の良い方に変えています。

vanden39 そしてベースコート完了です。これだけの事ですが以外に手間が掛かっています。

vanden41 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

vanden40元々の造りが「オレンジ色をしたレンズの裏側に下部分だけ赤を塗っている」と言う状態になっていた為、下の赤いレンズ部分はどうしても透明感は少なくなっています。ただそれでも前記したような対策は行っていますので、塗装で生じるような濁りは極力抑えられたと思います。

vanden42 そしてフロントのインジケーターランプのレンズも本塗り完了です。

vanden43こちらは極薄いスモークで、色褪せた黄ばみを目立たなくしつつ、多少色味を付ける事でエッジを際立たせてガラスっぽい質感に見せています。

この後熱を入れて完全硬化させたら裏側に付いていたオレンジレンズを取り付けて完成です。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

バンデンプラスプリンセス テールレンズ クリアー下塗り

vanden18 先日フロントインジケーターレンズの裏側にクリアーを塗装していましたバンデンプラプリンセスのテールランプです。同じく全体を#800で研磨後、ウォッシュコンパウンド+スコッチ&ナイロンブラシで表面を一皮剥いて足付け処理を行います。

vanden19 ちなみに先日も少し紹介しましたが、こちらのテールレンズの片側にも細かいクラックが見られます。古いレンズではよくある事で、先日紹介した施工例のR31スカイラインのテールランプも外側のカバーにはこういったクラックが何カ所も出来ています。

vanden20 先日裏側のクリアー塗装を行ったフロントインジケーターランプのレンズにも若干ですがクラック状のヒビが見受けられます。

ただしこれは水が漏れるというような物では無く、また角度によっては殆ど目立ちませんのでそんなに気にする必要はありません。

ただ今回はスモークは極々薄く、また代わりの部品も入手し難いと思いますので、念の為本塗りの前に表側も下塗りクリアーを行っておく事にしました。

vanden21 本番では裏側は透明なビニールか反射板代わりのアルミフィルムで養生しますが、今回はクリアーのみの下塗りなので普通のマスキングテープで覆います。

vanden22良く脱脂をしたらプラスチックプライマーを塗って下塗り開始です。

vanden23 どうせ表面も塗るなら裏を塗る時に一緒に塗れば良かったですね・・・。

vanden24 と言う訳でクリアー下塗り完了です。

vanden25 手前のレンズは赤い部分が大分色褪せてしまっているのが判ると思います。またオレンジも奥に比べると薄いですよね。本塗りではこれらを両方とも修正する予定です。

vanden26 こちらも下塗りクリアー完了です。

vanden27もしかしたらそのままスモークを塗っても大丈夫だったかも知れませんが、どうも虫の知らせと言うか嫌な予感がする時は多少遠回りしても保険を掛けておくようにしています。

ここで納期が決まっているとこういう事は出来ないのですが、オプション作業にある「納期指定」をご利用されていなければ基本的に納期は未定となりますので、その分やりたい様にやらせて頂いています。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

バンデンプラ インジケーターレンズ下準備

vanden4先日紹介しておりましたバンデンプラスプリンセスのフロントインジケーターレンズです。

汚れはともかく、劣化で左右のレンズの透明度も変わってしまっていますので、今回は外側だけではなく内側も塗装してこれの透明度を上げる作業を行います。

vanden7 ちなみにオレンジ色のレンズは裏側一か所で止まっているだけなので脱着が可能です。

ピン状になった箇所にオレンジ色のパネルの穴を通し、先端を溶かして固定されています。

vanden8 最初はハンダ小手で溶かして外そうと思いましたが、両方とも同じ素材の為むしろくっ付いてしまう(=溶着)ような感じだったので先端をリューターで削って外しました。

vanden9 こちらのオレンジ色のレンズは塗装しませんので、せめて磨いて綺麗にしておきます。

vanden10 こちらは色褪せも無く比較的綺麗になりました。

vanden11 ちなみに片側のレンズでは反射板(壁)の代わりとなるアルミテープが剥がれて無くなっていましたので、こちらも取り付ける前にアルミテープを貼っておきますね。

vanden12 そしてこちらが本命のクリアーレンズです。清掃はしましたが経年で樹脂の表面が劣化してしまった為か、右側の古い方はこれ以上黒ズミが取れません。

vanden13 表面はいつも通り#800~#1300のペーパーで研磨し、裏側はスコッチブライトとナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って古い被膜を一皮削ります。

ウォッシュコンパウンドは洗浄剤と研磨粒子が混ざった物で、塗装の下地処理(足付け処理)用の副資材として各メーカーから販売されていますが、この「ハジキシラズ」はその中でも比較的優しい方です。比較的メジャーなのは関ペの製品で、切削力(と言うか薬剤)が強くて作業性は良いのですが、手荒れも酷くなるので私的にはこのハジキシラズがお気に入りです(ただそれでも手荒れは免れないので通年寝る前のハンドクリームは必須です)。

vanden14 と言う訳でレンズは裏表共に一皮剥けたような状態となりました。色褪せも多分かなりマシに成ったと思います。多少細かいクラック状の物が数点見られますが、殆ど気にならないと思います。

vanden15 表側は極々薄目のスモーク塗装を行いますが、裏側はクリアーのみとなります。

vanden16 プラスチックプライマーを塗布し、クリアーは通常通り2コート塗って完了です。

vanden17表面も塗ってみて艶を出してみないとはっきりとは言えませんが、かなり良い感じの透明度は確保出来たのでは、と思います。

この後熱を入れて完全硬化させたらさらに数日置いて寝かし、今度は表面のスモーク塗装となる予定です。イメージとしては黒さは極力出さず、多少色味を付けて断面でコントラストが映えるようなガラスっぽい質感に出来ればと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

バンデンプラスプリンセス テールレンズ等塗装承ってます

vanden 先日到着しておりましたバンデンプラスプリンセスのテールレンズとフロントインジケーターレンズです。尚こちらのオーナー様は現在別件でご依頼進行中のプジョーのミラーカバーをご依頼頂いている方で、その後追加でこちらも承りました。この度もご贔屓頂き誠に有難う御座います!

vanden1 LUCAS製のテールレンズはオレンジ部分と特に赤い箇所の褪色が酷く、それぞれの色を塗り直し、クリスタルクリアーの質感で復活させる!と言う内容で承っております。

vanden2 赤は裏側から塗られているようですが、恐らく当店でこの上に色を塗ると激しくチヂレを起こす可能性が高いので裏側は何もできません。

vanden3 また表面は全体的にこんな感じで小傷が酷いので、レンズ表面を研磨して一皮剥くようにしてから表面にオレンジキャンディー&レッドキャンディーを塗り分けて塗装します。以前施工したいすゞ117クーペのテールレンズがあそこまで酷かったのに復活出来ましたから恐らくは大丈夫だと思います。

vanden4 こちらのフロントインジケーターレンズも汚れや小傷が酷いので、表面は極薄めのスモークとクリスタルクリアーでガラスっぽい質感にし、さらに裏側もリキッドタイプの研磨剤(ウォッシュコンパウンド=いつもの「ハジキシラズ」です)で一皮剥いてクリアーで塗装して透明感をアップさせる作戦です。

vanden5裏側のオレンジ色のレンズは一か所ピン状の頭を溶かして固定されているだけなので、一旦そこを削ってレンズを取り外し、最後に透明なエポキシ接着剤の点付けで元に戻す作戦です。

ちなみに以前同じようにスーパーセブンのポジションレンズの裏側にクリアーを塗った案件がありますのでちょっと紹介させて頂きますね。

seven59 こちらは2011年に施工した時の案件で、別件で現在お預かり中のスーパーセブンのプレプレグカーボンが装着される予定の車体の物です。元々このように白く曇った物を「ガラスみたいに透明に」と言う(半ば無茶な)ご依頼を承りました。

seven60先ほどのレンズの裏側を下地処理した後にクリアーを塗装し、さらに表側はいつもの様に極薄めのスモーク塗装&クリスタルクリアーでこのように仕上げました。今思い出しましたが、一番大変だったのはメッキの枠を外す作業だったような気が…(笑)。

オーナー様の車体の画像も頂いておりますのでそちらも紹介しますね。

vanden6バンプラについては西風氏の漫画GTromanで知っていましたが(かなり昔の事なので違っていたらすいません)、実際に携わる機会があるとは思いもしませんでした。

ちなみに上の画像は一度目のレストア後の状態で、現在二度目のレストア中(!)との事です。何とかボディに負けないレンズに仕上げたいと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。