ROVER MINI用ブレーキキャリパー 凹み文字部塗装

mini155先日に引き続きローバーミニ用のTAR/OXブレーキキャリパーの塗装を行います。ベースカラーのレッド+クリアーは先日既に本塗りを終えていて、今度は凹み文字部分を高輝度メタリックのシルバーで塗装します。ちなみにシルバーを塗る部分は足付け処理をしておらず、それ故に塗装が許される制限時間が24時間なのです(24時間以内であれば足付け処理無しで再塗装は可能です。ただそれでも普通はしませんが)。

クリアーはプレスラインの所まで塗るのでそこまでは普通に足付け処理を行い、プレスラインのマスキングはテープの端を折り返してビラビラとなるようにして塗膜の段差が出来ないようにしています。自動車塗装では極一般的な方法ですね。最後に少し磨けばそこで塗り分けたとは判らない仕上がりに出来ます。

mini157使う塗料はSTANDOXでは無く、これも業界ではメジャーなモトクロームです。高輝度メタリックの中でもメッキ感が強くて有名で、ただデメリットも多々あるので仕事では使わないようにしていました。今後御用命頂いても対応出来ませんので御理解下さいませ。ただ一応今回の為に新たに色々試してはみています。

mini156ちなみに凹み文字部分だけをマスキングするのは至難の作業ですので(出来ないとは言いませんがコスト的にあり得ないかと・・・)、一旦はその周りも一緒に塗ってしまいます。

mini158その後周りのシルバーをウエスとシンナーである程度拭き取り、仕上げはペーパーで研磨して削り落とします。耐溶剤性の高いクリアーなら丁寧に作業すればこれくらいでチヂレたり下地が露出したりはしませんが、ただ塗ってから24時間以内という事もあってシンナーを使うと表面は多少べた付く感じはあります(それ故に足付け処理無しで密着する、と言うメーカーのうたい文句です。ただ再補修の事を考えるとやはり足付け処理はするのが普通でしょう)。

mini159ちなみにいきなりウレタンクリアーでは無く途中間に専用のクリアー(モトクリアー)なるクリアーを塗っています。モトクロームの弱点としては溶剤で金属感が無くなってしまうところがあって、本当は数日乾燥させたいところですが先ほども紹介したように24時間という縛りがあるので仕事で行う塗装となるとそうも行かないのです。この辺がショーケースに飾る物と実用的な耐久性を求められる塗装の違いですかね。色々考える事があって大変です(まあそれだけに楽しい訳でもあるのですが。まさに底なしです)。

ちなみにこのまま熱を掛けるとマスキングテープの糊で前日に塗ったクリアーが侵されてしまうので(糊の跡が残ります)、ある程度時間を置いてクリアーが指触乾燥したらマスキングを全て剥がし、改めてガツンと熱を入れて完全硬化させます。

一応これでROVER MINI関係の本塗り作業は全て完了で、こちらも来週中には完成出来る予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!