BMW R1200RTトップケース 調色~本塗り

bmw249 先日スモーク塗装を行ったBMW純正テールランプと一緒にリヤのトップケースも御依頼頂いておりまして、こちらはボディ同色で御依頼いただいているのですがただボディカラーの配合データが存在しないので今回は一から色を作成しています。画像は色の見本としてお預かりしたサイドケース(パニアケース)で、手前に写っているのは調色用のライトです。尚塗色はBMW MOTOカラーの「エボニーブラック」(カラーコード:NC9)となります。

bmw250使った色はこんな感じで、黒をベースにして色々なパールを使っています。ちなみに配合データはスタンドックスの水性塗料である「スタンドハイド」のみ存在していて、一応その内容は確認出来ましたから、それぞれの原色を溶剤に置き換えて作成してみました。ただ結果としては全然違う色でした・・・(苦)。あの配合に使われている色じゃ延々近くにもなりませんよ。

一応備忘録と言うか同じSTXユーザーさんの今後の参考になればと思いますので紹介しますと、配合データに入っているパールは上の画像の右側の「イエローパール」と「アメジストパール」の二種類だけで、ただこのイエローパールは殆ど必用無く、代わりに画像左側の「レッドパール」と「ブラウンパール」を沢山入れてあげて下さい。その他オーカーやブラウンなどのソリッド原色も入っていますが、原色の黒をJPブラックでは無く普通のMix571にしたのでこれらは必要ありませんでした(JPブラックは青いのでそれを赤黄色く濁らせないといけない為ですね)。

bmw99ちなみにスタンドックスの原色ですが、先ほどの画像にあるのは私が自分で小分けボトルに移している物であれをメインに使っている訳ではありません。原色の塗料は自宅に置いてあるのでデータで色を作る場合は自宅で作った物を工場に持って行き、簡易的な色の作成などの場合は先ほどの小分けボトルを使って現場でそのまま色を作れるようにしています。今回色を作成していて上の画像に写るMIX844なる原色が工場に無い事に気が付いたので、帰宅した時に新たにボトルを作っておきました。ちなみに貼ってあるシールはデータ作成から印刷まで全て手作りです(笑)。

と言う事で、色自体は一度失敗して廃棄となりましたが(捨てる訳では無く下塗りとして使います)、二度目は無事に出来上がりましたので早速本日朝から本塗りを行っていました。ちなみに色を一から作るのはとても時間が掛かるので、調色作業自体は3日前から始めていました。

bmw251 トップケースも新品の状態なので下地処理は足付け処理のみでOKです。パニアケースと違ってバラバラに分解出来るので裏側のマスキングも不要です(現状シルバーが飛んでます)。

bmw252最初に作って失敗した色を下塗りとして2コート行い、その上に本塗り用の色をさらに2コート塗っています。パッと見は黒に近い焦げ茶ですが、光りに当たるとパール感が上品に出て来て、パッと見は難しそうな色ですがメタリックが入っていないので配合色が判ればデータが無くても大丈夫だと思います。

こちらは組み付けもありますので完成まではまだもう少しお時間頂きますので、予定通り先にテールランプを(と宜しければパニアケースも)お納めしますので、まずはそれで車体を迎えて頂き、こちらは後日とさせて頂ければと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

(既にお預かりしているティアナのテールランプやその他新規で御依頼頂いている案件も後日紹介させて頂きます。どうか今しばらくお待ち下さいませ)。

ドルフィンアンテナ塗装 完成

antena16 こちらもお待たせしました!ビートソニック社製のドルフィンアンテナはプジョー純正色の「マカハ・ブラウン」(カラーコード:ETV)で塗装完成となります。クリアーはクリスタルクリアーに変更で承りました。

antena17 今回の御依頼は【お任せ仕上げコース】で、このコースの場合は磨き作業はしませんが、この程度の小物であれば特にその必用も無く、費用を抑えられた分クリアーを高品位なタイプの「クリスタルクリアー」に変更するなどの方がお得だと思います。ただし【お任せ仕上げコース】は極単純な作業内容のみの対応で、例えば今回のような「単色ベタ塗り」といった内容となります。「説明無しで誰もが理解できる作業内容」といった感じですかね。

antena18ただ【お任せ仕上げコース】でも今回のような車体色のご指定は可能ですし、艶具合も「艶有り」「半艶」「艶消し」どれでも選べます。「磨きはしない」と言ってもここで紹介している画像程度には仕上がっておりますし、見えないところだからといってザラザラしたような肌で納めたりはしませんので御安心くださいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有り難う御座いました!

 

エッティンガーホイール用ベンツエンブレム 下準備

benz199 先日作製したシリコン型から複製したポリエステル樹脂製のスリーポインテッドスターです。表面に離型剤がタップリ残っているので洗浄槽に浸け置きしておきました。

benz200水研ぎでバリなどを削りつつ全体をチェックし、多分そのまま塗っても大丈夫なのでは?と思いましたが、如何せん素材が透明なので粗が見え難く、念のため当初予定していた通り一旦サフェーサーを塗って下地を整える事にしました。

benz201ただタップリ塗り過ぎてシャープなラインが損なわれるのは嫌なので、サフェは少量のシンナーで希釈し、スプレーガンも通常使う口径1.3mmを1.0mmのガンにして薄膜で塗っています。

状態としては良好で、そのまま塗っても大丈夫そうなくらいでしたからサフェは2コート程度で止めておき、後日これを研いでいよいよ本塗りを行う予定です。

色については耐久性を考えると通常のシルバーが良いのですが、純正のようなメッキ感も欲しいところではあるので、その間を取ってSTANDOXの高輝度メタリックを使おうかと思っています。昔の画像ですが紹介致しますね。

lotus7 ちょっと塗り過ぎている感があるのでボテっとしてしまっていますが、これに限らず金属感のある塗装は一旦「艶々の黒」で仕上げ、その上にさらにもう一回塗装を行うようになるので仕方無い部分はあります。下に塗る黒を控えめにすると肌目が出てしまいますし、かと言って磨きも出来ないですしね(出来ない事は無く実際磨いて塗ったりもしていましたが色々厄介なのです)。

lotus6ちなみに先ほどのシルバーの下はこんな感じで一旦黒に仕上げています。要は「2回分」の塗装と、さらに高輝度メタリックは材料が高額なので塗装費用は倍程度になります。

darth9またはこんな感じにかなりメッキ感の高い表現の塗装も出来るのですが、いかんせん著しく(あり得無い程)耐久性が無く、納品のその日に剥がれたりもした事もあるので現在は仕事としてはお受付していません。アクリルケースの中に飾っておくのであればこういった塗装も可能ですが、実用としては難しいと感じます。そもそもどうしてもメッキ感を出したければ塗装では無く本物のクロムメッキを掛けた方が確実です(通電するサフェーサーを塗れば素材がFRPでもメッキは可能です)。

と言う事で、いよいよ本塗り可能な段階に入りますので、スリーポインテッドスターの塗色についてご検討頂ければと思います。