携帯電話充電器(クレードル) 本塗り

phone4 先日分解しておいた携帯電話器充電用のケースカバーです。素材はABSで比較的塗装との相性(密着性)は良好ですが、中には耐溶剤性が著しく弱い物もあるので(主にPC関連パーツ外装部品)最初はドライコートで様子を見ながら塗装を進めていきます。と言ってもこれとほぼ同じ製品を前回も御依頼頂いて塗っていますので今回その辺は比較的安心です(ただ何度裏切られた事か・・・)。

phone5 一緒に塗っている他の依頼品と同様、ベースコートの黒を塗ったら艶消しの黒を塗って本塗り完了です。ちなみに製品表面には細かいディテールがあるのでクリアーは余り塗り過ぎないようにしています。

phone6そして一時間くらい経つと綺麗に艶が消えています。尚その感も塗膜の表面はベトベトしているのでブースのファンは回しっぱなしで常にクリーンな空気がブース内に充満するようにしています。細かいホコリは殆どが自分の体についている為、ファンが止まった状態で塗ったばかりの被塗物の近くを通ると静電気でホコリが引っ張られてくっ付いてしまうのです。なので一時間経ってファンを止めた後も不用意に被塗物の側には近寄らないようにします。その点イージークリアーは塗った直後に熱を入れられるのでこの心配が無くて楽なんですけどね(材料費よりもこの辺がコストに大きく関係しています)。

それでは組み付け完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

メルセデス純正メッキトランクバッジ 本塗り

benz220 こちらはメルセデス純正のリヤトランクバッジで、元々メッキ製の物だったのでそれ専用の下地処理を行って塗装が剥がれないようにしています。プレスラインの角から下地が露出していますがこれはメッキ素地では無くプライマーです。

ちなみに今回新たにホイールキャップを作成するに当たって、メルセデス純正74mmホイールキャップについていたスリーポインテッドスターのメッキを剥がしていますから、こちらも一緒に剥がしてしまった方が早いのでは?と思いましたが、とてもじゃないですがこの形で強度を保てているのは回りに塗られた装飾クロムメッキのお陰だと言うのがよく判りました。メッキを剥がしたABS樹脂単体のスターはヘロヘロでしたよ・・・。

benz221 と言う事で、ホイールセンターキャップ同様ベースコートの黒を塗り、艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。塗り終わった後は艶々ですがここから徐々に艶が消えていきます。

benz222ホイールキャップの方はメッキっぽく仕上げて、元々メッキだったこっちはわざわざ艶消し黒にするって言うのがちょっと面白いですよね(笑)。

それではホイールセンターキャップも含め完成までもう少々お待ち下さいませ!

エッティンガーホイール用センターキャップベース 本塗り

benz215 先日スリーポインテッドスターの塗装は終えているので後はそれのベースパネルの作成となります。素材は5mm厚のアクリル板を68.5mm径にレーザーでカットした物です。

ちなみに「アクリル樹脂って塗装にどうなの?」と思うかも知れませんが、いつも塗っているテールランプのレンズがこれと同じです(厳密には押出成型とキャスト成型で違うようですが)。

benz216 土台となるアクリル板は「側面を鮮やかな赤・上面を黒」でご指定頂いていまして、赤に関しては色々考えたのですが結果としては「原色」そのままで行くことにしました。STANDOXのMIX561ですね。ちなみにカップに入っているのはフェラーリのロッソコルサ(カラーコード322)で、そこに一滴垂らしたのが原色の赤です。ただしこれ単体だと隠蔽性が悪いので、下塗りとしてフェラーリの赤を塗りその後MIX561を塗ります。

benz217 本当は先に黒を塗った方がマスキング作業は楽だったのですが、黒の上に赤を乗せると大変なので(全然隠蔽しません)先に全体に赤を塗り、側面と、角から少し食み出た部分までマスキングをしてこの後黒を塗ります。角は少し面を取ってあるので、上にベンツマークを置いた時に黒が見えたら格好悪いですから少しオーバーさせているという事です。ちなみに塗り分けの見切りラインは適当ですがベンツマークが付けば見えませんので御安心下さい。

benz218 そして最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。今回は同じくメルセデスのトランクバッジと、携帯電話のクレードル(充電器)、そして先ほど紹介したBRABUSエンブレムの下塗りを一緒に塗っています。

benz219自然乾燥で一時間くらいたつと綺麗に艶が消えているので、この後熱を掛けて完全硬化させます。ちなみに明日熱を入れたい物があるのでこちらもそれと一緒に行う予定です。

トランクバッジも続けて紹介しますね。いよいよ終わりが近づいてます。

スマート用BRABUSエンブレム 下準備~下塗り

brabus32 こちらもお待たせしております。先日より作業着手していまして現在下塗りまで完了しておりますので御安心下さい。

上の画像は最初の状態で、まずは下地処理として全体にペーパーで傷を付けるなどする足付け処理を行いますが、今回のように形がイビツな物はペーパーでは届かない箇所があるので違う方法での作業が必要となります。素材が金属だったり粗い素地調整でよければサンドブラストが一般的ですが、このまま本塗りを行いたいのでそれだとちょっと激し過ぎるのです。

brabus33 と言う事で前回も採用したウォッシュコンパウンド+ナイロンブラシです。ウォッシュコンパウンドは研磨粒子を含んだ液体で洗浄成分も入っているのでこれで擦れば足付け処理と脱脂洗浄が一度で出来ると言う訳です。

brabus34凹んだ文字部分にウォッシュコンパウンドを付けたブラシを縦横無尽に擦るとこんな感じで細かい傷が付きます。艶が消えているのが判りますよね。元々撥水していた表面も親水性になっています。

brabus35そして再度シリコンオフで脱脂洗浄を行ったらプラスチックプライマーを塗布し続けてベースコートのフェラーリレッド(ロッソコルサ:322)、そしてクリアーを塗って下塗り完了です。ちなみに赤く残るのはエンブレム上面のみで、凹んだ文字の内部や外側側面などは全て黒になります。まさかこの塗り分けをマスキングで行うのは現実的ではありませんので、方法としてはこの後クリアーが完全硬化したら再度足付け処理~全体にベースコートの黒を塗って上面を削り、下にある赤を露出させます。その後またクリアーを塗れば綺麗に塗り分けが出来る、と言う訳ですね。

ちなみに「凹んだ部分に粘度を詰めれば?」とか「液体マスキングは?」と思うかも知れませんが、それでは全く綺麗には仕上がりませんから、通常職業として塗装を行っている方は普通そういう事はしません。イメージと現実は違うのです(苦笑)。

ただこの塗装を今後量産すると言う事であれば、凹み文字部分にピッタリ嵌る型を作る事は可能です。離型剤を塗って樹脂を流し込み、表面の出面を削って面を合わせれば脱着可能なマスキング用の型が出来上がります。ただかなりコストは掛かるので、最初の方が人柱となるか、或いは50個くらい受注が入ったら消化出来るかも知れません。まあどちらもあり得ませんよね(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。下塗りのクリアーはしっかり硬化させたいので次の本塗りまでは少し時間を掛けると思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!