ROVER MINI外装パーツ一式 本塗り

mini114 後から追加で御依頼頂いたブレーキキャリパー等の足回りパーツはまだ下地作業中ですが、最初にお預かりしていた外装パーツ一式は下準備が整っていますので先に本塗りを行う事にしました。

上の画像はワイパーアームのマスキングで、塗装する部位はアーム中央のカバー部分のみですからサンドブラスト&プライマーもその部位のみの処理となっています。塗装屋さんなら判ると思いますが分解しないで(出来ないです)のこの作業はとても大変です。

mini115 と言う事でセット完了です。こちらは濃い目のグリーンですね。

mini116 こちらは砲弾タイプのミラーカバーで、これらはレッドになります。今回ツートンカラーも混ざっているので二色同時に本塗りを行っています。

mini117 こちらが2トーンカラーで御依頼頂いているリヤトランクナンバーブラケットで、アルミ素材に装飾クロムメッキが施されていますからそれ専用の下地処理を行い、まず最初にレッドを塗装しています。

ちなみにマスキングのやり易さからすると間違いなくグリーンが最初なのですが、オレンジは相当隠蔽が悪いですからやはり最初にこちらを塗り、その上にグリーンを重ねています。とてもじゃありませんがブースの中で立ってマスキング出来るレベルでは無いので、指触乾燥後二階に移してじっくりマスキングをしています。一見簡単そうに見えるマスキングですが、はっきりしない谷ラインを逆アールでマスキングするのはかなり難しいです。

mini119そして本塗り完了です。クリアーは全てクリスタルクリアーをご指定頂いていますので余すところなく艶々に仕上がっていると思います。

mini118足回りのパーツとしてはロアアームのみ下地処理が完了していたので今回一緒に塗りました。素材が鉄でサンドブラストを掛けてありますから錆が発生するのが早いのでこれだけ先行して下地を進めておいたんですよね。下地は浸透型エポキシプライマーを使っての重防錆仕様になっています。
mini120 今回唯一の内装パーツのウィンカーレバーで、こちらは以前塗った色と同じ赤にしています。奥にあるルーフアンテナとちょっと色が違うのが判ると思います(微妙なので言われないと気づかないと思いますが・・・)。

mini121 そしてワイパーアームです。

ちなみに車体の方はレストアー屋さんで板金塗装を行われていますから、だとしたらこういったパーツも一緒に塗って貰った方が安く済むと思うのですが、わざわざこういった小物の部品のみ当店に御依頼頂けるのは本当に恐縮です。と言うか普通の板金屋さんにこういうのをお願いすると顔がひきつるかも知れませんけどね(笑。見ておられますでしょうか)。

mini122こちらが先ほどマスキングしていたリヤナンバーブラケットです。マスキングは面倒でも隠蔽性を優先した順番で塗れば膜厚は薄くて済みますからその分見切りのラインも美しく仕上がります。と言っても一度で上手くいっている訳ではなく、実際には「赤→緑→赤」と最後に少し修正はしていてやはりそれなりに手間は掛けていて、(元)同業者の方に仕上がりを見て頂いて「こんなのやんなくて良かった~」なんて言って貰えるのが一番嬉しいです(笑)。

それでは他のパーツも順番が来ましたら作業進行していきます。どうぞ今しばらくお待ち下さいませ!

ホンダヴェゼルFRPフロントグリル 本塗り

vezel2 先日サフェーサーの塗装が完了していたホンダヴェゼルの社外品FRP製フロントグリルです。先日と同じ様な作業に見えますがあの時はゲルコートを削っていた作業で、今回はサフェーサーを研いでいます。昔はサフェ研ぎは全て水研ぎで行うのが基本だったのですが、近年はペーパー(の研磨粒子)が進化したので比較的細かい番手でも低コストで空研ぎが可能になったのです。ただかなり粉っぽくなりますからそれは覚悟しないとですけどね。使っている番手は#320→#400→#600(実際はアシレックススカイ#320相当)→#800(アシレックスレモン)で、今回水研ぎは一切していません。

ちなみに塗装の現場では作業方法は作業者に委ねられ特にこれといったマニュアルは無く、ディーラーのような結構沢山人がいる現場でも皆やっている事はバラバラなのが普通です。それだけにやり方を聞いても人によって内容が違うので理解するのが大変で、まあでもそれが塗装の面白いところでもあるのでして。

vezel3 と言う事で、最終の脱脂作業を終えたらブースを回してよくエアーブローをし、いよいよ本塗り開始です。

vezel4 御依頼頂いているのは「半艶の黒」で、ベースコートの黒はいつもの艶有りと変わりは無く、ただクリアーを半艶専用の物にしています。こちらも艶有りクリアー同様ウェットに塗りこむ事でツルっとした半艶(または艶消し)の仕上がりになるようにしていて、例えば塗り方で艶を変えようとするとムラっぽくなったり汚れ易かったり傷付き易くなったりするので私的に宜しく無いと思います(と言っても使う材料で限界がありますからその辺は仕方無いところもあるのでしょうけどね)。

vezel5 そして30分くらいするとこんな感じに徐々に艶が消えていきます。一見乾いている(硬化している)ように見えますがまだベタベタだったりするのでブースは止めないで回したままにします。また当初私は勘違いをしていたのですが、早い段階で熱を入れた方が艶の消え方が安定すると思っていましたが、実際は自然乾燥で徐々に乾かすことで均一な艶具合になるそうです(とマニュアルのどこかに書いてありました。そういう事はちゃんとマニュアルがあるのです)。なので今は実際そうしています。

vezel6さらに30分くらいするとさらに艶が消えて丁度良い半艶になっていました。表面も指触乾燥しているのでここでようやく熱を入れられますが、FRPの場合普通どおりに熱を掛けると内部に残った空洞が膨張してブリスターが発生したりしますので、いつもよりは少し遠めにしてその分長めに熱を掛けるようにします。まあサフェーサーの時点である程度熱を掛けて確認はしていますから取りこぼしが無い限りはここで発生したりはしませんけどね(ただ苦い思いでは何度もあります)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!