ブレンボキャリパー塗装 完成

大変お待たせしました!ブレンボキャリパーの塗装、オレンジパールメタリックで完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

 元々白く塗られていた物を、

サンドブラストで旧塗膜の剥離&素地調整を行った後、さらに全体を研磨して素地を均し、

 プライマーを塗布した後、オレンジ系のパールメタリック色に塗装を施しました。

 パっと見はオレンジのソリッドカラーに見えますが、

 光に当たるとイエローパールとオレンジ系着色メタリックが効いて明るくなります。

またロゴもソリッドカラーでは無く黒系のメタリック、VW社の「ブラックマジックパールエフェクト(カラーコード:LC9Z)となっています。

 車体との接合部はクリアーは塗らず、プライマーとベースコートの黒を薄膜で仕上げています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SUBARU LEGACY Grill

 スバルレガシィのフロントグリルです。

塗装するのはメッキ部品のみで、土台の黒い部分は塗りません。

 自動車部品に施されているメッキは殆どが装飾クロムメッキで、耐摩耗性・耐蝕性に優れる反面、塗装がし難い素材となります。

それ故に下地に「密着剤」といったスプレー糊のような物を使って塗装される事が多いのですが、そういった方法で塗装された塗膜は経年で劣化して剥がれたり、また十分な密着性が保持出来ていないので他の部品に比べて飛び石による傷が多く見られます。

 ですので当店ではそういった密着剤の類は使用せず、塗料本来の性質で塗膜が密着するよう、メッキ素地用の下地処理を施した上で「下塗り・中塗り・上塗り」を行っています。

 ただしその分手間と時間が掛かる為、通常の素材(鉄やアルミやプラスチック)に比べるとどうしても下地処理費は大きくなってしまいます。何卒ご理解下さいませ。

 中塗りは通常のウレタンサフェーサーとなる為、こちらはいつも通り研磨して下地を平滑に整えます。黒い点々は研ぎ具合を確認する為のガイドコートで、サフェーサーの研磨は空研ぎ・水研ぎどちらかをケースバイケースで行います。

 最初は#320~#600でサフェーサーの肌を平滑に研磨し、

 最終番手は#800~#1200程でペーパー目を均します。

 ベースコートにはスバル純正色の「クリスタルブラックシリカ」(カラーコード:D4S)を塗り、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」を使用しています。

クリアーはオプションで変更が可能で、STANDOX社のクリスタルクリアーは高美観・耐UV効果・耐擦り傷性・耐薬品性などに優れたクリアーです。宜しければ併せてご検討くださいませ(半艶・艶消しには対応しておりません)。

この後一日常温で自然乾燥させ、その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

 さらに数日寝かしたら完成となります。

 グリル本体に組み付けを行いました。

 尚、簡単な分解や組み付けはサービスで対応しておりますが、その際に生じた破損等には補償が出来ませんので、ご懸念の場合にはお客様自身で分解し、塗装する部品のみをお預け頂けますようお願い申し上げます。

遠目だとソリッドカラーの黒に見えますが、近くで見ると粗目のメタリックやパールが入っているのが判ると思います。

 自然光で撮影した画像です。

 メッキ素地に密着剤を塗って直接上塗りを行えば作業は非常に楽なのですが、一度剥がれて来ると再塗装は難しくなるので(部品の交換となる為)、塗装を検討される場合には見た目だけでは無く下地処理の作業内容なども調べる事をお勧めします。

時々「クリアーの硬度が云々」といった事を聞きますが、それは塗装の密着性には関係がありません。また日産のスクラッチシールドやメルセデスのナノクリア―は樹脂を軟質性にして傷を付き難くしたり復元したりします。硬さ=塗膜の強さと勘違いをしないように気を付ける必要があるかと思います。

ヘッドカバー サンドブラスト処理

 先日お預かりしておりましたロードスターのヘッドカバーです。

アルカリ洗浄槽に浸け置きしてオイルを洗浄しておいたのでサンドブラスト処理を行います。

 全体的に腐食が出ていたので、こちらは「標準」のサンドブラスト処理を行いました。プラグホールの内側とホースパイプ部もサンドブラストを掛けていますが、こちらは後にプライマーの塗装と、艶消し黒を塗っておきます。

 こちらはジムニーのヘッドカバーで、同じくアルカリ洗浄槽に数日浸け置きしておきました。

先ほどのロードスターのヘッドカバー程に腐食は酷くありませんので、こちらは「軽め」のサンドブラスト処理となります。

同じくプラグホール部とホースパイプ部は結晶塗装では無く艶消し黒に塗装しておきます。

 こちらは結晶塗装では無く艶ありの2トーンカラー塗装でご依頼頂いている日産のL型ヘッドカバーで、洗浄~下地処理は他のヘッドカバーと同様平行に作業しています。

ちなみにこちらは比較的綺麗ですが、念の為サンドブラスト(軽め)も承っています。

サンドブラスト作業は任意で、ご指定が無ければ行わない場合もあります。

ただし化成処理(リン酸処理)だけでは、粉を噴いたような腐食を除去しきれませんので、そういった場合は物理的に表層を削り落とすサンドブラスト処理をお勧め致します。

特にヘッドカバーなどの鋳物は腐食で浸食されやすく、見た目は錆が取れていると思っても根深く残っていて後で再発するといったケースが見受けられます。

以下の自転車フレームは、当初発生した腐食を鈑金塗装屋さんで修理して貰ったにも関わらず一年程でこのような状態になってしまったとの事です。

↓作業内容を纏めて施工例にしていますので宜しければご参照下さい。

cannondale system six carbon frame

各パーツはこの後リン酸処理を行い、ロードスターとジムニーのヘッドカバーは結晶塗装を、L型のヘッドカバーはまず凸部天面の白を下塗りとして全体に塗装します。一旦真っ白のヘッドカバーになるという訳ですね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メルセデスW124ヘッドカバー ブラスト前準備

 先日お預かりしておりましたメルセデスベンツW124のエンジンヘッドカバーです。オイルが着いていたのでアルカリ洗浄槽に浸け置きをしておき、サンドブラスト屋さんに出す前に付属品を外しておきます。裏側はバッフルプレートですね。

 またオイルシール(ゴムパッキン)も外しておきます。見た目はゴムなのですが芯にスチールが入っているのでかなり固く嵌っていて、これ用に先を曲げたショックドライバーを当ててハンマーで叩いて外します。

 オイルシールが着く穴の側面も塗装は施されているので、今回もプライマーはここまでしっかり塗り、結晶塗装は厚みが着くのでマスキングをして対応しようと思います。

 その後再びアルカリ洗浄槽に浸けてバッフルプレートが付いていた箇所も綺麗にし、ブラスト屋さんに発送しました。

ちなみに現在他にお預かりしているヘッドカバー(ジムニー・ロードスター・日産L型)もサンドブラストは行いますが、こちらのヘッドカバーは強力な直圧サンドブラストでの作業となりますので専門の方にお願いする事になります。

 そして色ですが、こちらは色見本がありました!

今回ご指定頂いている結晶塗装は「メルセデスベンツ純正色の「マーブルグレー」(カラーコード:7201)に似せた色で」と承っておりましたので、今回はこちらを見本として色を作りたいと思います。黒と白と黄色と青(もしくは緑)を少量といった感じですかね。

それではこちらも進行次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26エンジンパーツ一式塗装 完成

 大変お待たせしました!日産GT-R RB26エンジンパーツのキャンディーレッド塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

新車時の塗装は剥がれたりはしていなかったのですが、パーツ毎での褪色具合が違う為か色がそれぞれバラバラになっていました。

こちらも塗装前の状態で、色の違いが判り易いかと思います。

 また全体に小傷はあったのでそれらはある程度研磨して取り除きました。

プラグカバーの中央にあるアルミプレートは両面テープでの接着で、これは外すと変形してしまうので交換が基本ですが、今回は旧塗膜の状態が良く剥離作業をしないで済んだのでマスキングで対応出来ました。白いのはプライマーです。

 元々の塗装もキャンディーカラーで、ただ今回の塗色はそれに合わせたと言う訳では無く、当店で何度か施工しているマツダのソウルレッドプレミアムメタリック風の色にしています。

 カラーベース自体にはマツダのソウルレッドプレミアムメタリックをそのまま採用し、その上に塗り重ねる透過性の赤を、いつも当店でテールランプの塗装に使用しているキャンディカラーのレッドを使っています。

またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

こちらも塗装前の状態で、側面には余り色(カラークリアー)が入っていなかったのですが、

今回はしっかり塗っておきました。

 実際にエンジンに装着されるような感じに仮組みをしてみました。

 尚、実物はもっとキャンディーカラー特有の深みと鮮やかさがあります。

 画像はどれも撮ったままの未加工で、サイズだけ半分くらいに縮小しています。

 改めて室内の照明下でも撮影しました。やはりと言うか自然光で見るのとは雰囲気が変わって見えます。

 今回は下地処理にサフェーサーを使っていないので、製品自体の歪や深い傷、鋳造製品特有の凸凹はそのまま残った仕上がりとなりますが、純正時には無いような艶具合になっていますのでエンジンルームを開けた時のインパクトは結構大きいのでは、と思います。

有彩色に対して無機色の 黒とシルバー(アルミ)の組み合わせが良い具合です。ボルトはシルバー・黒どちらでも似合いそうですね。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!