日産L型ヘッドカバー 下塗り

 先日サンドブラスト処理を行っておいた日産のL型エンジンです。その後リン酸処理を行い、全体を#120のダブルアクションサンダーと#180手研ぎで研磨します。深い傷などは残りますが、それよりも砂型鋳造時に出来た突起などがあると後で厄介な事になるので(ゴミかと思って磨いたらアルミ素地が露出したりと)、予めそれを撥ねておくような感じです。

 凸文字部分はサンダー掛けだと角が丸まってしまう為、ここは硬い当て板(木片)を使ってシャープな面になるよう仕上げておきます。

 その後シンナーで洗い流すようにして脱脂処理をし、下塗り準備完了です。

 まずは全体にプライマーを塗り、

 ホースパイプ部分にベースコートの黒を塗り、

 自然乾燥させてテープフリーな状態になったらマスキングをし、

 全体にベースコートの白を塗ります。白にも色々ありますが、暖色系の白は黄ばみが「焼け」に見えて格好悪いと思いますので比較的ニュートラルな白であるVW社のキャンディーホワイトを採用しています(ここはお任せ頂きました)。

 そしていつも通りにクリアーを塗って下塗り完了です。まあ内容は本塗りと何ら変わらないのですが。

 白にするのはヘッドカバー上部の「NISSAN・OHC」の文字とその上下にあるフィンのみで、ヘッドカバー本体(ほぼ全部)はホンダのミラノレッド(カラーコード:R81)で承っています。

「じゃあどうして全部白に塗っちゃったのよ?!」と思うかも知れませんがこれには二つ理由があって、一つは

・「NISSAN・OHC」のマスキングがとても面倒。

今回は文字をマスキングで塗り分けるのではなく、一旦下地を「白」にして、この後全体に「赤」を塗って白くする部分に塗った塗装を取り除く方法で行います。文字をマスキングで行う方法も勿論出来ますが、とても手間と時間が掛かるのでその分費用が上がってしまうのです。

もう一つは

・「ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の工程を省く。

と言う事で、勿論サフェーサーは塗りたい所ですが、やはりその分コストが上がってしまう為、今回は上塗りをサフェーサー代わりとしてこれである程度の下地を作り、その上にさらにもう一度上塗りを行う事で素地の粗を目立たなくさせようと言う作戦です。以前行ったマツダアテンザのフロントグリルの梨地を、やはりサフェーサーでは無く下塗り(二度塗り)で艶々にするのと同じ方法ですね。

ちなみにサフェ無しでただ塗っただけで綺麗に見えるのは高品位なクリスタルクリアーのお陰で、これは後に行うヘッドカバー上面凸文字部の面研で下地を露出させない為です。通常使用するイージークリアーに比べ、耐擦り傷性の高いクリスタルクリアーの方が塗装を削った時に下地を露出させるリスクを減らせるからですね。

この後はいつもと同じく60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして塗膜を締まりきりにしたら今度は赤の本塗りとします

ちなみに「24時間以内なら足付け処理無しで塗装可能」と言う特性を利用してこのまま赤を塗ってしまうという方法もありますが、こういったパーツが装着される車は30年くらいは普通に走り続ける筈なので(いや装着される車はハコスカなのでもっとですか)、コストの事を考えてもそこは省く所では無いですかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

audio-technicaマイク塗装承ってます

 先日到着しておりましたaudio technica社製AE6100ボーカルマイクです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 塗装する箇所はマイク本体グリップ部分と、その手前にある赤いリングの2点です。今回はグリルボールともう一個の黒いリングは塗装しません。

色については以前施工したSM58マイクのラベンダーを参考に、上の画像の赤いリングの右側の色を選んで頂きました。

ただしこれはモニター上で見た色見本帳の色だった為、改めてウェブ上でRGBの色をご確認頂きそちらの画像を送って頂きました。後日それを基に色を作成しますのでそちらは改めて紹介させて頂きますね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!