先日お預かりしておりましたホンダCR-Xのヘッドカバーです。その後アルカリ槽に浸け置き洗浄→溶剤槽に入れて旧塗膜を剥離しておきました。
アルミ素地の表面には全体的に粉を噴いたような腐食が出ていて、
このまま塗っても塗装は剥がれてしまいますから(塗膜の下で腐食が進行し続けてしまいますから)、
サンドブラスト処理を行います。裏側バッフルプレートはリベットで着いていて外せないのでマスキングを行います。
当店で行うサンドブラストは基本的に吸い上げ式で、こちらは軽めの処理となります。根の深い鉄の腐食やマグネシウム合金の場合は専門の機関への外部委託で直圧ブラストを行って貰います(ただその場合はコスト的に3倍くらいになる為、今回のようにアルミ素材は当店で行うようにしています)。
その後リン酸処理も行いました。サンドブラストが物理的な素地調整とすると、こちらは化学的な防錆処理といった感じです。
続けて膜厚をつけたくない箇所(結晶塗装にしたく無い箇所)にベースコートの黒を塗り、
リンターは一液型の低温焼き付け型塗料で、いつも使っている2液型と違ってこのままでは延々硬化(熱重合)しませんから、
強制的に140℃~170℃程の熱を掛けて焼き付けを行います。製品のマニュアル上だと120℃20分が規定ですが、この時点では赤外線ヒーターを使っているので熱の掛かり方にムラがあり、熱が足りないのはまずいので高めにしています。気温が低い日だと上面が140℃程度でも側面は100℃くらいなのでそれを考慮しています。
塗膜の内部と外側で伸縮率を変える事で塗膜の表面にちぢれたような模様を表現するのが今回の結晶塗装となります。
結晶塗装は塗り方(膜厚や熱を入れるタイミング等)で結晶目が変わり、失敗した場合は塗りなおしとなります。紹介はしてませんが、先日完成したロータスのヘッドカバーも一回目は綺麗に結晶目が出なく塗り直しています。成功率は60%~70%くらいです。
この後はもう一度、後日恒温器(乾燥炉)で120℃30分程の熱を掛けるようにします。
その後は凸部を研磨してクリアーを塗っておきます。あと一週間くらいですね。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!




