先日お預かりしておりましたベントレーに装着されるケンウッド社のモニターフレーム二個です。既に完成して発送も済んでおりますので、施工例として纏めて紹介させていただきます。
元々は未塗装の黒樹脂にKENWOOD等のロゴがプリントされていて、
送って頂いたデータのサイズをフレームに合わせ調整し、実際にプリントアウトした物を被塗物に貼って確認します。
デカールは市販の物を使い、印刷についてはALPS社のドライプリンター(MD-5000)を使っています。
通常家庭用プリンターで白やメタリックを印刷する事は難しいのですが、こちらは昔ながらのインクリボン方式で、極少量のデカール作成でも低コストで作れるのが可能となっています。
デカールの作成についてはこちらの記事でも紹介していますので宜しければご参照くださいませ。
さらに成型時の歪を均すよう#800で水研ぎし、最後に当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)を使って細部の足付け処理を行います。
よく脱脂清掃を行い、プラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。
ベースコートとなると単に着色をする為だけの簡単な塗装と思われがちですが、ドライコートで肌を荒らすとそれが後々まで影響して艶引け等の原因にもなりますし、かといってウェットに塗ると思わぬトラブル(チヂレやクラック)が生じる事もある為、実際にはクリアーを塗るよりも多く気を遣う工程です。
予め印刷しておいたデカールを、ロゴより少し大きめにカットし、
木工用ボンドを溶かした水に入れて台紙を剥がし、専用の接着剤(マークセッター)を使って所定の位置に貼り付けます。
この後は恒温機に入れて40℃15分程の熱を掛けてしっかり乾燥させ、
タッククロス(粘着剤が塗布された不織布)とエアーブローを使ってしっかり埃を除去して、
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。