CB400フェーエルタンク ほぼ完成です

cb4002 大変お待たせしました!CB400のフェーエルタンク、本日完成となります。ただ念の為発送は月曜日以降でお願いしたく存じます。重量的に重い物は発送時にストレスが大きいのでもう少しだけお時間を頂ければと思います。

cb4003 主な修理箇所は右側にあった凹みと傷ですが、タンク前方には飛び石傷らしき物も多少あったのでそれも含めベースコート(黒)は全体的に塗っています(当然白いラインはマスキングしています)。

cb4004前回塗装した時はタンク全体の下地処理もあったので裏側を先に塗っていましたが(恐らくサフェーサー→裏塗りを続けて行う「ウェットオンウェット」)、今回は吊るした状態で裏表を一緒に本塗りしています。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店を御利用頂き有難う御座いました!

 

CB400フェーエルタンク 本塗り

cb8 お待たせしました!CB400のガソリンタンクは無事本塗り完了しておりますので御安心下さいませ。

上の画像では既に若干の艶が出ていますが、これは「ベースクリアー」を塗った状態の為です。全体にベースコート(色)を塗らない場合=ベースコートを部分的に塗装する場合には「ボカシ」が必要なのでそれが馴染むように前もってクリアーを塗っておくのです。自動車ボディの塗装だと殆どの場合でベースコートはボカシて塗りますが、その場合は100%これを行うのが普通です。効果としてはボカシ際が荒れるのを防ぐ為で、静電気などで変な模様を描いてしまったりメタリック粒子の立ち方を抑えるのに効果的です。

cb9 この時点ではサフェーサーが塗られた部分を完全に隠蔽するような形で塗装し、極力ラインの白を塗り潰さないようにします。でライン入れが終わったら今度はライン部分を大まかにマスキングしてベースコート(黒)のボカシを行います(これは最後です)。

cb10 予め転写しておいた型紙を使って消えた部分のラインの形を決めます。極小範囲で簡単そうに見えますがこれだけでも実に大変な作業でして・・・。

cb11 先程紹介したように、白ラインの塗装を終えたらその周りの黒をボカシて全体的に馴染ませ、今度は吊るした状態にしてクリアー塗装に移ります。裏側はどうするか悩んだのですが(塗る必要も無かったと思うのですが)、折角なので吊るした状態で裏表一緒に塗る事にしました。

cb12そしてクリアーを塗って無事本塗り完了です。この後には磨き処理も行いますので完成まではもう少しですかね。早ければ今週末辺り、遅くても来週頭くらいには完成出来る予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CB400フェーエルタンク 下準備

cb2 こちらもお待たせしております。サフェーサーが完全硬化したのでまずはラインの色を作成します。ちなみにベースカラーの黒はSTANDOXの原色の黒を使用しているので調色は不要です。これがまたオリジナルカラーだったりすると調色作業が必要となってしまうので危なかったですね(更なるコスト高です・・・)。

ちなみにラインは単なる白に見えますが実際には色々入ったベージュです。前回塗った時は色見本帳より選んで頂きましたがこちらは配合データが無い色見本帳なので新たに色を作らなければならないのです。しかも元の色とそこだけ違ったらマズイですのでかなりしっかりした調色が必要です。この辺が単なる「色の作成」と「調色」との違いですかね。前者は5分程度の作業で終わるのでサービスで対応出来ますが(1色までですが)、後者は毎回テストピースに塗装~乾燥を経て色合わせをしないとならないのでどうしても手間と時間は掛かりますから調色費が必要となってしまうのです。何卒御理解頂ければ幸いです。

cb3 使った原色は6種類くらいで、かなり色味が含まれたベージュでした。珍しいところではグリーンも使っています。

cb4 サフェーサー部分を平滑に研いだら全体的に#800で足付け処理をします。裏側も塗る予定なので同様に足付け処理をしておきました。

cb5 そして念の為ラインの形を転写しておく事にします。履歴を調べたら当初も型紙を使って左右の形を揃えていたので今回は反対側のラインを元に型紙を作る事にしました。

まずは元の白いラインに沿ってラインテープを貼り、その上に紙を固定して貼ったら鉛筆の芯を擦ってラインの角を転写させます。所謂「石摺り」の手法ですね。

cb6そしてラインにそってハサミでカットしたら型紙の完成です。ちょっと歪んでいますがライン曲線の参考として使うだけなのでこの程度でOKです。これで上のラインと下のラインの目安が出来たので本塗り中では比較的ストレスが少なくラインが引ける予定です。実際は使わないかも知れませんが備えあえば、ですからね。

cb7ちょっとオマケ的な紹介で、マスキングの手法の一つとして「端を折りたたむ」といった方法があります。学校では「マキシテープ」と習った記憶があるのですが他では聞いた事が無いので私の勘違いだったかも知れません。

こういった箇所は塗膜の際が微妙にボケたような感じで、恐らく新車時ではこの穴に何か填め込む物があるのだと思います。ただテープを貼る様なマスキング方法とは違うのでフチがグラデーションのように微妙にボケた仕上がりになり、簡単且つ中々綺麗な仕上がりになっているのです。

ただ場末の塗装屋にはそういったアイテムは持ち合わせていないので手持ちのマスキングテープで対応するのですが、やはりここをバツ切りにするのは頂けないのでこういった場合はこのマスキング方法で対応するのが普通です(多分)。

画像では6ミリ幅のマスキングテープの3分の1を折りたたみ、4ミリ幅のテープにしてあります。その半分2ミリ幅は裏側に折り込まれているので粘着しませんから塗った時にここが「ヒラヒラ」となるのです。これが微妙なボケを演出して(上手く行けばですが)新車時と同じような仕上がりになるのです。ちなみに前回の塗装でもこれは行っていたようで一応自然なボケ際には出来ていました。

このマスキングは自動車ボディの塗装でも多用され、クォーターパネルとドアを一緒に塗る時などに内側のマスキングでよく使われます。この隙間に専用のスポンジなどを使ったりもしますが私的にはこの方法が一番綺麗に仕上げられますかね。自動車ボディの塗装では部品をわざわざ外したりしなくても「着けたまま塗ったとは思えない仕上がり」にする技術が必要なので色々覚えさせて頂きました。あの経験が無ければ今の私は無いと思います。

という事であとはタイミングが来たら本塗りになります。作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!

 

CB400フェーエルタンク 下地処理

cb こちらもお待たせしております。HONDA CBのフェーエルタンクも作業着手しておりますので御安心下さいませ。

損傷部は丁度ラインに差し掛かっていて、傷だけでは無く凹みもあるので軽い板金とパテで処理します。ちなみに凹みを出すにはスタッド溶接などを行いますが裏の処理が出来ないのでこの程度では使う意味が無いですかね(デメリットが多過ぎます)。なので凹みの周りの出っ張った箇所のみ軽く叩いて元のラインより低くしてあげます。ちなみにパテの画像は撮り忘れました・・・(謝)。

cb1パテを処理した箇所は#240で均し、さらにそれよりも広めに#320で足付け処理をしておきます。そしてその周りを養生し、足付け処理がされた範囲内にサフェーサーを塗布します。ツルツルした箇所にサフェーサーが塗られても剥がれてしまいますので足付け処理は広め広めにやっておくのが安心です。

という事で、画像にあるようにラインの一部はサフェーサーで消えてしまいましたが、この程度なら元のラインに戻しやすいです。ただし最初にベースコートの黒を塗るのでさらに広い範囲で白いラインは消失してしまいます。なので安全の為にこの時点で型紙を作っておいた方が無難ですね。ある程度でもラインの目安があると無いとでは本塗り中のストレスは全然違うと思いますので・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。とりあえずはサフェーサー完全硬化させて寝かしておきます。

CB400フェーエルタンク 修理承ってます

cb400 こちらもお待たせしました!先日無事到着しておりましたNONDA CB400のフェーエルタンクです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

実はこちらは以前当店で塗らせて頂いたタンクでして、今回その一部を傷付けてしまったとの事でその修理を承りました。しかしまあ見事に一番厄介な場所にと・・・(苦笑)。

cb4001損傷は傷だけでは無く若干凹みもあります。凹んだ周りは多少高くなっていますから軽くハンマリングしてからのパテ処理となります。

ちなみに自転車フレームでよくあるお問い合わせで、「ほんの米粒程度の傷なのですが」といった事があるのですが、その米粒一つの傷を直す為に最低でも3万円以上は掛かるというと皆さん驚かれます。「全部塗るより高いんじゃないですか?」とはまさにその通りだと思います。

そもそも「部分補修」はそんなに簡単な事では無く、特にカラーコード(色の配合)が存在しない自転車の場合は色を一から作っての調色ですから塗装とは別に「調色費」が掛かります。また傷もそのまま塗る訳にはいかないので下地処理費が必要で、結局塗装費にこれらを足すと3万円を超えるのです。しかもその傷の側にロゴやデカール、その他違う色などがあれば作業は困難となりさらに費用は増大していきます。結果、「違う色で丸ごと塗り直す」といった方が安くなる場合が殆どなのです。

ちなみに修理を小さく済ませられるメリットとしては、既存のロゴをどうしても残したい場合や、塗装自体が職人の手書きによるヴィンテージモデルだったり(実際これは何度かあります)、後はどうしても分解したくない(そっちの費用が膨大になる)といった理由ですかね。自転車の場合は「安くしたい」といって小さく修理するメリットは余り無いのです(そもそも引き受けてくれるところ自体少ないかと・・・)。

と言う事で、今回もライン部分の補修がありますから作業は少々面倒なので費用もそれなりに掛かってしまいます。余程新たな色で塗り直す方が安く済むとは進言したのですが、やはりこのデザインが気に入っているとの事で今回の修復ご依頼となりました。元に戻せるよう尽力致します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!