MV Agusta ロアカウルパネル 下塗り

mv3 こちらもお待たせしております。本塗りはまだですが先に下塗りをしておく事にしました。

ちなみにお預かりした時に触った感じがどうもヌルっとしていたので、恐らくはアーマーオールだか何かの油膜と言うかコーティング剤が塗ってあるのかと思ってアルカリ洗浄槽に浸け置きをしておいたのですが、どうやらそれは私の勘違いだったようでして・・・。

mv4てっきり素材はABS樹脂かと思っていたのですが、どうも先ほどからのヌルっと感と、妙に足付け処理がし難い=耐摩耗性が高く、何か変だと思ったらしっかりとPA(ポリアミド=ナイロン)と記載されています。ABSは一体どこに・・・(いや、完全に私の勘違いでして作業的には問題ありませんのでご安心下さい)。

mv5 と言う訳で、足付け処理は余り激しくやり過ぎて毛羽立たせないようにして、脱脂後には念のため専用の工具で火炎処理をしてプライマーの密着性を高めておく事にします。手前にある小型のバーナーがそれですね。

DSC_4569プラスチックプライマーを塗ったら下塗りとして2Kエナメルのグレーを塗って下塗り完了です。このグレーは所謂1コートソリッドと言われる物で、イメージとしてはクリアーの中に直接顔料(色)が入ったような塗料です。最近はどうなっているか判りませんが日本車のソリッドカラーは大体これで塗られていました。外車の場合は元々ソリッドカラー(メタリック・パールでは無い色)でもクリアーを塗る2コート仕上げが主流で、現在はベースコートに水性塗料を採用しているケースが殆どなので大抵どれも2コート仕上げになっていると思います。昔のフェラーリを補修する場合などは純正同様の塗装として敢えてこの塗料を使うケースはありますかね。

画像だと塗りたてなので艶がありますが、素地はザラザラとした梨地なので完全硬化後は中途半端に艶が消えたような状態でちょっと気持ちが悪い仕上がりになります。ただその後表面を軽く研磨して本塗りをすれば艶のある仕上がりになります。メリットはサフェーサーの時のように激しい研ぎ作業が必要ない(出来ない)のでコストを下げる事が出来ます。デメリットとしてはシャープ感が損なわれますが、元々シャープな造りでも無いですし(すいません・・・)、装着される場所は車体の真下ですから殆ど見えないので特に問題は無いと思います。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

MV Agusta ロアカウルパネル塗装承ってます

mv 先日お預かりしておりましたMVアグスタなるイタリアのバイクのロアーカウルパネルです。確か以前はマフラーステーをご依頼頂きましたよね。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

ご依頼内容としては現状未塗装のザラザラとしたプラスチック素地を、一緒にお預かりしたフロントフェンダーのホワイトパールに同色塗装で承っています。

梨地の処理としては基本的には「研磨→プラスチックプライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程ですが、この部品は車体に装着すると殆ど見えない(!)という事ですので今回の下地処理は変則的(簡易的)な方法の「二度塗り」で行います。

サフェーサーを塗った場合はそれ自体でかなり肌が荒れるので(2液はラッカーサフェとはまるで違います)その後の処理としてかなりしっかり研がないと駄目なのですが、今回のように形が複雑な場合はかなり手間が掛かり下地処理費が塗装費を上回ってしまう!と言うことになってしまうのです。

なのでサフェーサーの代わりにクリアーなどの上塗り塗料を使うことで研ぎの作業を無くし時間を短縮させようと言う方法です。ただし本来必要な研ぎの作業が無い訳ですから、デメリットとしてはシャープ感が損なわれます。ただ先に紹介したようにこのパーツは着いてしまえば殆ど見えないので気にならないですし、何もしないで塗っただけの艶が引けた物を着けるよりは全然マシだと思います。

mv1 そして色なのですが、どうもマニアックなメーカーらしく(私も知りませんでした・・・)、持っていたPPGの見本帳にはそのメーカーすら存在していませんでした・・・。STANDOXのサイトではメーカーは確認出来ましたがやはりと言うか3コートホワイトパールの存在など微塵もありませんでして(まあどちらも期待はしていませんでしたが)。

mv2という事ですが何度も紹介しているように車体に着いてしまえば殆ど見えない部品なので今回は近似色という事で既存の色見本帳から似たような色を探すことにしました。ただそれにしても随分と青赤白いホワイトパールで、既存のホワイトパールではどれも色が着きすぎているような感じです。まあバイクの白って全般的に白いですよね(RZの白とかSTANDOX原色の白よりも白いんじゃと思うくらいでして・・・)。

で、色に関しては一応似たような色で、画像にあるトヨタの049を使う事にしました。ただこれでも色が濃いので、実際に色を作る時に(目見当で)色味を抜いてみようと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度も当店をご利用頂き誠に有難う御座います!