PS4コントローラー塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたSCUF Vantage プレイステーション4用コントローラーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はグレーメタリックに塗装されていた物を、

 蛍光グリーンの艶消しに仕上げました。

 リングは別体となりますが、色が変わらないよう仮組みした状態で本塗りを行っています(撮影後は取り外して別に梱包してあります)。

 下色には通常顔料のグリーンを塗り、その上に蛍光顔料を使ったグリーンを重ね、最後に艶消しクリアーでコーティングしています。

 通常の自働車補修用顔料では再現出来ないような明るく発色のあるグリーンになっています。

 こちらはストロボを使った撮影となります。

   参考までに、見本として一緒にお預りしたRazer社のPC接続用スプリッターケーブルと比べてみました。

また失敗して余った(どうしようも無くなった)塗料を使って塗装した扇風機も並べて撮影してみました。こうやって見比べてみると使わなかった理由が判るかと・・・(ここからあの色にするのは大変なので、色見本に沿って色を作った方が確実だと判断しました)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

PS4コントローラー 本塗り

 先日お預りしておりましたSCUF Vantage プレイステーション4用コントローラー です。

脱脂清掃後、全体的に#800相当の研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理をしました。

 溝やリングが嵌るギザギザの部分、各穴の断面などペーパーで当たり難い個所がある為、液体状の研磨材(ウォッシュコンパウンド)とナイロンブラシを使って細部の足付け処理を行います。

 カバー裏側の金属取り付け部をマスキングし、そこをワニクリップで固定します。

 リングはちょっとした事で折れてしまいそうなので、慎重に三点支持で固定します。

 今回は色の見本として、Razer社のPC接続用スプリッターケーブルを一緒にお預りしていますので、それを参考にします。

 当初はケーブルに合わせて(白を入れて)色を濁らせようと思ったのですが、先日塗装・完成したロジクールのワイヤレスマウスの感じでは、蛍光色は環境によって色の見え方がかなり変わる為、濁ってしまうよりは鮮やかな方が良いかと考え、余計な物は入れない事にしました。具体的には、STANDOX原色グリーン(MIX573)と、蛍光イエローのみとなります。

 また今回は膜厚を着けないようにする為、下色にはこちらの色相環グリーン(4時)を使います(ちなみにミニカー型の色見本は下色はVW社のキャンディホワイト=LB9Aとなります)。色相環の塗料についてはこちらのページで紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

蛍光カラーの配合は、

バインダー(MIX599):蛍光イエローパウダー=10:1

として作った「蛍光イエローリキッド」(液体)をベースに、STANDOX原色のグリーン(MIX573)と「97:3」の割合で混ぜます。

MIX573グリーンが3%、蛍光イエローパウダーが約9%、バインダー(樹脂)が約88%といった割合で、これ単体では殆ど隠蔽はしません。3コートパールやキャンディーカラーと同じですね。

ここで気が付いたのですが、先日塗装したロジクールマウスの蛍光色と同様、リングを別々に塗るとそれぞれで色が変わってしまう!(しかも想像している以上に・・・!)と言う事で、プラスチック製のリングは本体に取り付けた状態で本塗りを行う事にしました。

 幸いにして爪が入らないよう少しずらした状態にすると、かなり良い状態で仮固定する事が出来ました。

 リング部分とカバー裏側の樹脂素地部分にプラスチックプライマーを塗り、下色の、さらに下色として、白を1コートのみ塗ります。下地の黒メタリックが染まっていないので(隠蔽していないので)グレーに見えます。

続けて下色としての色相環グリーン(4時)を塗ります。ここで完全に隠蔽させておきます。

 そして蛍光グリーン(97:3仕様)を塗ります。

 蛍光グリーンは4コート程塗りました。

そして艶消しクリアーです。

 先日紹介しましたRobiと同じく、シンナー希釈率は少し多めにして複雑な形状のディテールが埋まらないようにしています。コート数は通常通り2コートです。

時間が経つにつれ徐々に艶が消えていきます。良い具合に蛍光感が残っているかと思います。

この後は一晩以上自然乾燥し、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

尚、先日お納めしたロジクールワイヤレスマウスのオーナー様から早速コメントを頂戴しましたので紹介させていただきます。


「本日無事午前中にマウスが届きました。やはり実物で見ると全然違い、嬉しさのあまり感動してしまいました。正に自分の求めた色になっています。マウス記事で「塗装に完璧な仕事はない」と記事に書かれていましたが、私個人としては完璧な仕事だと思います。」

との事です。有り難いお言葉、誠に恐縮です。

日記で撮影して紹介している完成画像は、サイズの縮小以外には加工・編集をしていませんので(しかもカメラもレンズも余り良い物ではないので・・・)、実物と比べるとどうしても劣って見えてしまっているかと思いますが、実際の物を見て頂いて喜んでいただけるのは当方としても非常に嬉しく、そしてようやく安心出来たという感じです。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

PS4用コントローラー塗装承ってます

 先日到着しておりましたSCUF Vantage プレイステーション4用コントローラー です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 ご依頼品はフェイスプレートと、

それに装着されるプラスチック製のリング2個となります。

 先ほどのリングはコントローラーのギザギザとした穴に装着されるようです。

 ご指定頂いている色は蛍光グリーンで、参考としてこちらのRazer社のPC接続用スプリッターケーブルを一緒にお預りしました。画像だと普通の色に見えますが、一般的な顔料では出せないような鮮やかな色味となっています。

オフィシャルサイトに(ちょっと加工し過ぎた感が否めない)ケーブルの画像がありますので、宜しければそちらもご参考にどうぞ。まさに蛍光でビックリするかと思います(笑)。

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 通常「自動車補修塗装」(板金塗装)では蛍光色を扱っていませんが(主な理由としては紫外線で褪色する為)、現在の小物を対象とした塗装になってからはそれの必要性も感じ、少し前にそういった顔料を取り寄せ、さらにそれの色見本も制作していました。画像の真ん中にある格子状の物が蛍光顔料を使った色見本となります。普通に見えますが普通では出ない色で、尚念の為ですがこちらで紹介している画像は加工編集はしていません。

 全てが蛍光顔料だけで塗られていると言う訳では無く、既存の塗料(STANDOX)に蛍光顔料を数%を混ぜて作った色見本となります。

蛍光顔料については以前社外記で紹介していますので、宜しければ以下の記事をご参照下さいませ。パールの場合と同じく、パウダータイプの顔料を樹脂に混ぜて使っています。

蛍光顔料+STANDOX色見本

蛍光ピンク 色見本作成

 これだけを見ると普通の色に見えますが、既存の塗料でこの色はどうやっても出せません(物理的に不可能なので当店としても仕方なく導入した、と言う経緯です)。

 イメージとしては大体この辺の色の感じですね。

 見本とするケーブルの色は、下に置いた色見本よりも青白く濁っているので(濁っているようには見えないと思いますが塗装屋的には白を入れると色は濁るのでそう表現しています)、これをもう少し調整すればさらに近い色に出来ると思います。

参考までに、手前の色見本は蛍光色では無い(既存の顔料を使った)色見本でして、これだけを見ると随分と地味な色に見えますが、実際はこれでもかなり派手な色となっています。今回の色はそれに比べても遥かに彩度が高い色なので、既存の塗料(顔料)だけでは再現が出来ないと言う事です。

尚、隠蔽力はかなり低いので、下色に白、またはそれに多少グリーンを入れた色を塗ってからの上塗りとする予定です。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!