ロジクールワイヤレスマウス(OD)塗装 完成

  先日本塗りを終えていたLogicool G PRO wirelessのマウスです。その後60℃40分程の熱を何度か掛けて塗膜を完全硬化させておきました。

また折角なので塗装後の重量も量っています(本体カバーとクリックボタンの3部品のみ)。

塗装前は22.00gだったので、今回の塗装では1.88gの増量となります。前回塗装したホワイトパールは25.03gだったので、それに比べると半分くらいですんでいます。3コートでは無く2コートだったからかと思います。

塗装前に外しておいた内部のユニットを取り付けます。途中ネジがサイドボタンのマグネットに吸い込まれ最初から分解やり直しという事態になりましたが、その後は注意して無事組付けました(判っていても吸い込まれてしまうくらい強力で、軽い気持ちで分解をすると取り返しのつかない事態になりますのでご注意ください)。

コネクターを差し込んでベース部分を取り付け、

最後にサイドボダンを取り付けて完成です。

サイドボタンは初期状態と同様、左側をクリック出来る仕様で、

 右側はクリックしない蓋の仕様としておきました。

 そして完成です。大変お待たせしました!

色はOD=オリーブドラブで、

 クリアーは艶消し仕様となります。

「G」のロゴとインジケーターランプ3か所はマスキングで残していて、

 粗を探すようによく見ても段差は感じられないかと思います。

尚、当方では試していませんが、設定でここが好きな色に光らせられます。

 各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

 灯火する箇所のマスキングさえ無ければ比較的簡単なのですが、

それらを綺麗に残そうとすると途端に激しく面倒な作業となり、それ故に費用も大きくなります(単に塗るより金額は倍以上、作業の手間は数十倍になります)。

塗膜の強度としては、自動車ボディのそれと同様とお考えいただいて大丈夫です(作業工程も材料も全く同じ仕様・やり方です)。

最初は地味なオリーブドラブだとちょっと勿体ないのでは・・・と思っていましたが、出来上がってみるととても格好良くてビックリしました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ダイハツコペンヘッドカバー 本塗り

 先日アルミの切り文字を取り付けていたダイハツコペンのヘッドカバーです。

その後60℃40分程の熱を掛けて、凸文字の隙間に筆塗りをしておいたエポキシプラサフを硬化させておきました。

パーツは新品で元々はもっと銀色に輝いていましたが、リン酸処理を行った事で全体に黒ずみ、これによってこの後に塗るプライマーの密着性が高まります。サンドブラストやペーパー掛けが物理的な足付け処理とすると、こちらは薬品による化成処理となります。

ちなみに少し前からTwitterを始めておりまして、マスキングをしている最中の状態をそちらで紹介もしていたりしました。

日記での紹介はある程度内容が纏まってからのアップロードとなりますのでどうしてもタイムラグが発生しますが、Twitterならリアルタイムでの紹介も可能になるかも知れません(ただ現場作業中は作業に集中しているのでそんなに機会は多くないと思いますが)。

 まずはプライマーを塗布します。

プライマーは全体的に満遍なく2コート塗っています。

 その後オレンジの結晶塗装を行い、

140℃くらいの熱を掛けると結晶目が現れます。

この時点では赤外線ヒーターを使って120℃~170℃で30分くらい熱を掛け、

後日恒温機(乾燥炉)で120℃20分程の熱を掛けて二度焼きを行います。

最後に設置した凸文字を研磨して鏡面状に光らせ、クリアーを筆塗りする予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ルノー純正シャークアンテナ塗装承ってます

先日到着しておりましたルノー純正のシャークアンテナです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 現状はソリッドの黒に塗装された新品で、今回はこちらをルノー純正色の「グリチタニウム」(カラーコード:KPN)、クリアーを高品位なタイプの「クリスタルクリアー」に変更で承りました。

通常こういったルーフアンテナは【お任せ仕上げコース】でのご依頼が多いですが、今回は磨き処理も含めた【標準コース】にてお受付しております。恐らくですが、既存の肌が悪い事、

 またゴミの付着などもあるからだと思います。

ちなみに車体の塗装でもこういったゴミの混入は普通にあって、ただ部位によってそれらのチェック基準は判れています。

私が当時勤めていた外資系ディーラーの集中センターは都内にあって、そこで扱っているのは事故車両の補修でしたが、研修で行った愛知豊橋のセンターでは新車補修のラインを見る機会を頂きました。

今は判りませんが、当時の輸入車は余り(と言うかかなり)程度が良くなく、そのままでは日本人のレベルに沿わないという事で、殆どの車両はそこで再補修が行われていました。

ただそういった補修は殆どがスポット塗装(部分的な塗装)で行われる為、最初は良いのですが(ワックスで騙されるのですが)、納車されてから数カ月経つとそれらの跡が出て来て、それらのクレーム処理を主に私のような集中センターで働く従業員が行う訳です。海を渡ってくるからか途中で錆なども出ていたりして、ただそれも単に上から塗っただけだから結局後で出てくるんですよね・・・。お陰で色々鍛えられました。

塗装するのは上のカバーのみなので、土台部分は外しておきました。社外品とは違って中身がちゃんとしていてビックリしました(笑)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

フェラーリカルフォルニアリモコンキー(カバー)本塗り

 先日艶消し黒の鍵本体を塗装していたフェラーリカルフォルニアの純正リモコンキーカバー2点です。

素地が露出している箇所もあるのでまずはプラスチックプライマーを塗布し、

続けてベースコートを塗布します。色はフェラーリ純正色のロッソコルサ(カラーコード:300)となります。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

ゴムボタンが着く箇所は一応マスキングをしておきました(塗料の厚みでボタンが入らなくなってしまう恐れがある為)。

跳ね馬部分はサフェの時はマスキングをしていましたが、本塗りではそのまま塗っています(側面は見えるので)。ただし極力凹んだ側面にはクリアーが乗らないようにしています。きつくて跳ね馬のエンブレムが入らなくなってしまうという事態だけは避けなければなりませんので・・・。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。次は傷つき防止用ステンレスリングの取り付けで、また作業が進行しましたら紹介をさせていただきます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

TOYOTA86樹脂製インマニ&カバー 素地調整

 先日お預かりしておりましたトヨタ86用の樹脂製インテークマニホールドとカバーパネルの二点です。その後アルカリ洗浄槽に浸け置きして洗浄しておきました。黒いので判り難かったのですが、インマニ内部のベタベタはキュキュッとなるくらい綺麗になりました。

この後は足付け処理をする為にサンドブラストを行うので、当てたくない箇所にマスキングを行います。

足付け処理はペーパー掛けでも勿論良いのですが、この形を隅々までそれをするのは現実的では無いのでサンドブラストを行います。

そしてもう一点のカバーパネルです。今回はこちらも結晶塗装で承っておりまして、ただ凸文字部のシルバーを残そうとするとサンドブラスト処理が出来ませんから、今回はこれも塗り直します。また現状よりも金属感の高いシルバー(STANDOX JLM-906高輝度シルバー)を採用します。

通常は石刷りなどを行いますが、今回はそのままスキャナーで読み込みました。マイケル・J・フォックス主演の「摩天楼はバラ色に」を思い出します(判りませんか・・・)。

スキャナーで読み込んだラスター画像を基に、Illustratorを使ってベクトルデータを作成します。これでマスキングシートの作成準備が完了です。

  その後2部品をブラストボックスに入れ作業開始です。ちなみにサンドブラスト作業は屋外で、今の時期だとかなり気温が高いので防塵マスクでは無くエアーマスクを着用して作業しています。これだと体の内部から涼しいですし、常に陽圧なので肺にもとてもやさしいです。

   ちなみにPP(ポリプロピレン)やPA(ポリアミド)などのプラスチックパーツにサンドブラストを行うと表面が激しく毛羽立って取り返しのつかない事態になりますが、素地の粗さを目立たなくしてくれる結晶塗装であれば問題ありません。むしろこれのお陰で密着性が高くなり、このような事態が起こるのを防ぎます。

 裏側も細部までしっかりブラストします。

カバーの凸文字は後でシルバーで塗るので既存の塗装は剥がしてしまいます。

その後はよく水洗いをし、乾燥させます。

サンドブラストをして何が変わったの?と思うかも知れませんが、

 マスキングをしていた箇所を見るとその差が判り易いかと思います。 元々ツルツルだった表面がザラザラになり、この後に塗る塗装の密着性を高めます。

その後カバーの凸文字部分を#120→#180→#240→#320→#400と空研ぎをして平滑にし、

  さらに#600→#800→#1000→#1200→#1500の水研ぎでペーパー目を均します。この後に塗る高輝度シルバー(JLM-906)はデリケートなので、しっかりペーパー目を整えておきます。

 その後シンナーであ洗い流すようにして脱脂清掃し、

プラスチックプライマー→高輝度シルバーを塗ります。

その後乾燥させている間にマスキングシートを作成します。基のデータを0.5~0.7mmオフセットさせサイズを変更します。

元のサイズより少し食み出るようにしてマスキングシートを2重に貼ります(一枚だけだと塗料の溶剤で浮き上がってしまうので二重にしています)。

この後はインマニのマスキングを貼り直していよいよ本塗りとなります。部品が到着してそのまま塗れればとても簡単なのですが、途中工程で洗浄や足付け処理などを行うとそれなりに(と言うかかなり)手間が掛かっています。

それでは作業が進行しまいたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!