先日お預かりしておりました マイクスタンド一式です。
吊るして塗った方が準備としては楽なのですが、やはりいつものように持って塗った方が綺麗に塗れるので、台に立てられるよう持ち手を取り付けます。
元々艶消しの黒に塗られていて、ぱっと見は平滑に見えますが、実際には肌が凸凹になっている為、まずはコシのある研磨副資材(トレカットイエロー)で表面を研磨して均し、
その後、柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)を使って被塗面全体に足付け処理を行います。
まずは隠ぺい性の高いシルバーを塗布します。具体的にはVW社のリフレックスシルバーです。
シルバーメタリックは粗いと輝きは強くなりますが、その場合隠ぺい力は弱まり、逆に細かくなると隠ぺい性が高くなるので、下塗りには後者の色を使います。原色そのままを使っても良いのですが、それよりも日頃在庫している塗料を使った方が楽で、同じような使い方としてはメルセデスのブリリアントシルバーなどもよく下塗りに使ったりします。
その上に粗目のメタリックを塗布します。STANDOXで一番粗いMIX598です。
一度に濃い赤を塗ると色にムラが生じる為、含有量を下げてコート数を多くして塗り重ねていきます。
膜厚が大きくなると塗膜の耐久性が悪くなる為、塗料中にはしっかりハードナーを添加し、必要最低限+保険分の膜厚に留めます。
光が赤い塗膜を通り抜け、下地のシルバーに反射して透明感のある色を表現しています。
粗いメタリックの方が輝きが強くなり、より発色の良い赤を表現してくれます。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!