クロモリMTBフレーム塗装 ほぼ完成

mtb 大変お待たせしました!クロモリ製のMTBフレーム、ほぼ完成となります。発送はちょっとこちらの都合もあって来週水曜日以降でお願い出来ればと思います(月曜日と火曜日は移転先の工場で立会いがありますので・・・すいません)。先に撮影をしておきましたので紹介させて頂きますね。

mtb1各チューブの継ぎ目部分は一般的なフレーム形状に比べると少し複雑な造りになっているようです。非常に研ぎ難かったですし、中々塗り難い箇所でもありました・・・。

mtb2 先程の画像のは反対の方向から見た状態です。メタリックも入っていますがパール特有の輝き方がしているのが判ります(塗装屋的な見解なので普通の方には判り難いですかね)。

mtb3チューブの一部に「K」のロゴマークが打ってありますがメーカーはちょっと不明です。ただお金を掛けてわざわざ塗り直しをするとなるとそれ自体価値がある物か、または何か特別な思い入れがあるのだとは思います。場合によっては「塗り直すよりも新品を買った方が安い」という事もありますしね。国産バイクのガソリンタンクなんて良く出来ている割りに値段が安いのであれには対抗しようが無いのですよ・・・(大量生産品と一品物の値段を比べられるのは厳しいです)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

クロモリMTBフレーム 本塗り

mtb6 大変お待たせしました!クロモリ製のMTBフレームは無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

mtb7 下地に塗ってあるサフェーサーの上には一旦黒のスプレーで全体にスプレーをしてますが(ガイドコートの為)、しっかり研ぎ作業が行われるとこんな感じで黒の点々も殆ど無くなります。下地が平滑になった証拠ですね。

mtb8 そして本塗り完了です。今回の塗色はポルシェの「ATLAS GRAU」(アトラスグレー)で、カラーコードは「E7」となります。メタリックの他にブルーパール・ホワイトパールも入っていて光の当り具合によっては金属的な質感にも見えます。

mtb9パールは光源が被塗面に反射した時に効果が現れます。青いのが解かりますよね。

mtb10対して光源が弱くなるとパール感は静まり返って黒さが増します。メタリックの場合はこの差はそんなに大きくないのですがパールはそもそも粒子のサイズが小さいので光量が小さい時には目立たなくなるのです。特に今回使われているブルーパール原色(サファイアブルー:STANDOX MIX839)はブルーパールの中でも一番細かい物なので通常は目立ち難いのです。ちなみにSTANDOXの原色だとブルーパールは4種類あります。何故か年々増えていくんですよね・・・。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。今週は移転先の工場にも行かないといけないのでちょっとバタバタしていますから完成は来週になるかも知れません。 どうぞもう少々お待ち下さいませ!

MTBクロモリフレーム サフェ研ぎ

mtb3 先日塗ったサフェーサーが完全硬化したので全体を研ぎつけます。サフェーサーは勿論2液ウレタンで、その下にはプライマーが塗ってあります。

黒い点々はサフェ研ぎの前に塗った「ガイドコート」で、これにより研ぎ残しが無いようにします。2液性のサフェーサーは十分な膜厚を充填出来るといった役割がありますが、反面それにより肌を荒らしてしまうので本塗りの前にはそれを平坦にしなければならないのです。また切削性が良いといっても#800程度では中々削れないので、最初は#320から始めて#400→#600そして最後に#800で均します。

mtb4 トップチューブには凹んだ箇所があるのでパテで修整します。「パテって金属に直接塗る物じゃないの?」と思われがちですが(板金塗装屋でさえそう思う筈ですが)実はそうではありません。ただこの方法だと非常に面倒な事になるので(コストが掛かるので)「パテ→プライマー(またはサフェーサー)」の順番で行うケースが殆どだと思います。当然私もケースバイケースでどちらの方法も使いますが、どちらが正解かと言うとこの方法で間違いはありません。ちなみにウォッシュプライマーの上にポリパテを塗ったら駄目ですよ。確実に剥がれますので・・・。

ちなみにパテの横で素地が露出している箇所でグレー色の下地がプライマーです。その中央の黒く見えるのがクロモリ素地です。この後再度プライマー→サフェーサーを塗布して完全硬化させた後にまた研磨します。

mtb5ロール状の転がっている物は空研ぎ用のペーパーで#240、#320、#400といった番手になっています。青いのは布状の#320の足付け用研磨材で、今回の場合は「均し用」として使っています。その他#600、#800といった空研ぎ用の番手があり、今回のように最後まで水を使わずに完結出来るような事も可能です。だからといって水研ぎペーパーは必要無いという訳では無く、通常はスピード・コスト・リスクを考えてこれらを選択します。自転車フレームの場合は角が立った部位が多いので下地の金属が露出し易いですから水は出来るだけ使いたくは無い、といったリスク回避な所で空研ぎを選択しています。ちょっとコストは上がってしまいますけどね。

それではまた作業進行しましたら紹介さえて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

クロモリフレーム 旧塗膜剥離

kuromori2 こちらもお待たせしております。クロモリ素材のMTBフレームですね。

お預かりしてから溶剤槽に入れておき、途中何度か出してはスクレーパーやワイヤーブラシで削る事を繰り返してここまでになります。溶剤槽に入っている間は手間も掛からず錆も出ないので今のように一人で作業する環境ではかなり助かっています。

kuromori3 細部の取れなかった旧塗膜はサンドブラストで除去します。「だったら最初からこれでやれば」と思われるかも知れませんが当店のブラストは直圧式では無いのでそれでは時間が掛かってしまうのです。溶剤浸け置きである程度取っておけばこの時点では30分程度で終わりますし、腐食が酷い場合などでそれ以上の作業が必要な場合は最初からブラスト専門のショップに送ってしまうので現状でそんなに不満は無いですかね。ブラストが強力になればその分機器に負担が大きくなりますし・・・。

kuromori4 複雑な形の場所もサンドブラストだと綺麗に処理出来ます。

kuromori5旧塗膜の剥離作業が終わったら続けてプライマーを塗布します。金属素地が露出したまま放置するとクロモリ素材の表面は酸化してしまい、目で見えないような錆が発生してしまうのです。この時期は湿度が高いのと作業者自身汗をかいていたりするので素地に触れる場合も軍手をするなど注意が必要です。という事で旧塗膜の剥離と防錆処理(プライマーの塗装)はセットで考えるべきだと思います。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

明日は第四土曜日ですが休業日とさせて頂きます(すいません・・・)。

 

クロモリ製MTBフレーム 塗装承ってます

mtb 先日到着しましたクロモリ製のMTBフレームです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

ご依頼内容としては、トップチューブにある凹みの修整と、色はポルシェの「アトラスグレー」(カラーコード:E7)で承っています。

mtb1こんな感じでトップチューブ上に凹みがあります。こちらもバイクのタンク同様、凹みの周りが盛り上がっているのが判りますよね。そのままパテを付けるだけだと既存のラインより高くなった箇所が残ってしまうのでいつまで経っても元のラインにはなりません。凹んだ箇所がある以上盛り上がる部分があるのは当たり前の事なんですけどね。

mtb2チェーンステー付近には傷が沢山ありますがこれは旧塗膜を総剥離してしまえば全く関係ないので問題ありません。ただし先ほど別件で紹介したように何かしらの理由で旧塗膜を残したいとなると「「研磨→フェザーエッジの形成→マスキング→プライマー塗装→2液ウレタンサフェーサー塗布→強制乾燥~完全硬化→研磨→周りの足付け処理」といった工程が必要となるので意外と面倒なのです。

どういった塗装でもメリット・デメリットを考え、その都度ケースバイケースで作業内容を考え組み立て提案していくと言う事が大事ですかね。

それではこちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!