プレオルームミラー&ダミーシガーソケット塗装 完成

preo17 大変お待たせしました!スバルプレオの純正ルームミラーとダミーシガーソケット、3コートSPFシルバー塗装で本日完成となります。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

pleo元々は未塗装のザラザラとした粗い梨地で、これを「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を作り、そして今回は通常のシルバーでは無く、より金属感のあるシルバーの塗装となりました。

preo18 今回のシルバーはSTANDOXのSPFシルバーなる原色を使っていて、まず下色に黒、その上にそのシルバーを樹脂で9倍に薄めて掛けた「3コートSPFシルバー」の仕様となっています。

STANDOX SPFシルバーについてはこちらのページで紹介していますので宜しければどうぞ。

preo19 シルバーを敢えて樹脂で薄めているのは下の黒を隠ぺいさせないようにする為で、シルバーを塗り過ぎると透かして見える黒が弱くなってしまうからです。

かといってシルバーを原色そのままの状態で塗ろうとするとどうしてもダマやムラが目立つので、塗料中の含有量を下げてコート数を増やして塗り重ねています。スモーク塗装の時に、たとえ薄いスモークでも敢えて黒を薄くして時間を掛けて何層にも重ねて塗るのと同じですね。

preo20上に塗ってあるシルバーは下地の黒を透かす事で、角度によって下の黒が強調されて金属っぽい質感に見えます。SPFシルバー自体は隠ぺい力が悪い訳では無いので、塗り過ぎてしまうとこの黒味が見えなくなってしまいますから注意が必要なのです。念の為ですが、シンナーでの希釈はさらに酷い結果になるのでNGです。

preo21 そしてこちらがダミーシガーソケットです。こちらの方が黒く見えますが、それは形状の違いから起こる目の錯覚です(むしろこちらの方がシルバーの塗装は多いです)。

preo22 画像ではかなり金属感があるように見えますが、実物はもっと金属感を感じられると思います。

今までのメッキ調塗装と呼ばれる塗装では、下地に「艶あり黒」を形成し、その上に足付け処理無しで高輝度メタリックを塗る事で金属感を出していましたが(2ベイク)、それだとどうしても経年での層間剥離が拭い切れず、ただ今回の塗装は普通に3コート塗装(1ベイク)として塗れるので私的にとても安心です。

preo23 表面のフチも金属っぽさが出ていますし、また鏡もマスキングで塗ったとは判らないと思います。

一応自然光下でも撮影しましたのでそちらも紹介しますね。

preo25一方向から強い光が当たるとさらに透かしの黒が協調され、より金属っぽい質感になります。使い方としては室内での設置なのでどうなるか分かりませんが、もしかすると「着けるのが勿体ない・・・」と思う程かも知れません。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご贔屓頂き有難う御座いました!

プレオルームミラー等 本塗り

preo16 先日塗っておいたサフェーサーが完全硬化しまいたので、全体に黒をガイドコートとしてパラパラとスプレーし、全体を研ぎ出します。

元々粗い梨地で目立っていませんでしたが、成型時の段差やウネリなどがかなりあるので、最初は#320の空研ぎで粗研ぎし、同じく#400で目消し、その後は#600~#800の水研ぎ、最後は石(研磨粒子)が均一で当たりの柔らかい足付け用副資材(アシレックス)の#800で均します。

preo15 尚、ダミーシガーソケットには「12V」のロゴ入れ塗装も承っていますので、そちらも準備をしておきます。

12Vのロゴは参考画像に倣って似たようなフォントを組み合わせ、サイズは5種類を用意して実際にプリントアウトして被塗物に合わせます。被塗面は湾曲しているのでロゴが余り大きくなると歪が生じてしまいますから、この中から丁度良い物を選びます。

尚、ロゴの周りの円ですが、こちらは切り出したマスキングシートを被塗物の中央に合わせる為の目安にする物で、こちらは塗装はしませんのでご安心下さいませ。

preo6 研ぎ作業を終えたら各部をよく脱脂洗浄してマスキングをし直し、台にセットして本塗り準備完了です。

car95 色については、当初はレクサスの1J7のシルバーをベースに考えていらっしゃったのですが、先日社外記で紹介したSTANDOXの原色JLM906、SPFシルバーを使った3コート仕様がオーナー様のイメージに近かったという事で、急遽こちらへ変更となりました。上の画像の手前に並ぶ4台の内の左から2番目となります。

preo7塗装の工程としては、まず下色として黒のベースコートを3コート程塗って下地のサフェーサーを完全隠蔽させ、続けてSPFシルバーを同じく3コート程塗ります。ただしSPFシルバーを原色そのまま塗ると下地の黒を隠ぺいして「単なるシルバー」になってしまいますので、SPFシルバー原色をバインダー(樹脂)で薄めて下地の黒を透けるようにします。今回はSPFシルバーを1に対して樹脂を9の割合の物をご指定頂いています。

尚、先ほどの注型レジン製のミニカーはその後いつもの色見本にしていて、本塗り中もこれを見ながらシルバーの具合を確認しています。

preo8 ベースコートが完了したらダミーシガーソケットのロゴ入れ塗装を行います。マスキングシートは予め丸くカットされているので、被塗物を垂直に見ながら中心に合うよう落とし込みます。

preo9 「12V」のロゴはフェラーリの赤(ロッソコルサ)で、その後続けてクリアーを塗って本塗り完了です。

preo10 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承ってます。

preo11 3コートSPFシルバーの色見本については現在4種類を作成していて、今回はその内の二番目に明るい物を選ばれました。

もっと黒味を出す場合は塗り方を変えるのではなく、塗料中の含有量、すなわち「顔料:樹脂」の割合を変える事で調整します。

ちなみにプラモデルなどの塗装では色を薄く塗りたい時にシンナーを多く入れたりしますが、自動車補修塗装でそういった事は通常しません。シンナーを多くすると艶が引けたりムラが生じたりするので、乾燥を遅くしたい場合はシンナーの種類を変え、色を薄くしたい場合は樹脂分を増やします。粘度は常に一定である事が基本となります。

preo12 塗装ブースの中だと多方向から光が当たるので、透かした時の黒が見えにくく普通のグレーシルバーに見えますが、実際はもっと金属っぽい質感になっています。

preo13 ミラー側のサフェーサーはエッジの山のライン当たりまでに留め、その後の研ぎで段差を無くし、本塗りは鏡のフチまで塗っています。元々この辺は素地がツルツルとした状態だったので違和感なく仕上げられたと思います。

preo14今回採用したSPFシルバーですが、これはスパッタリング塗装やメッキ調塗装のそれとは全然違ってあくまでも純正塗料で扱える高輝度なシルバーと言う位置づけですが、それにしても普通に使えてここまで金属感の出るシルバーになるのは今まで見た事がありません。

ただやはりと言うかSPFシルバー単体で使うと非常にムラが目立ち易いので、面積の大きい物に関しては美観上難しいと思います。せいぜい今回のミラーくらいまでか、或いはマツダの純正色「マシーングレープレミアムメタリック」のように、黒やその他の色を混合して、SPFシルバー自体は3割程に抑えた方が無難かと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

プレオ内装パーツ 下準備

preo 大変お待たせしました!プレオのルームミラーとダミーシガーソケットは作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

尚鏡については取り外すと破損の恐れがある為付けたままでの作業となっています。鏡さえ外れれば角度調整のレバーやステーも外せるのですが、隙間からヘラを差し込んでミラーが割れてしまうと代替品が無いので、今回は全てマスキングでの対応としております。

preo1 素地はザラザラとした梨地で、これらの凸文字も一緒に削り落とします。

preo2 ルームミラーの素材はPP(ポリプロプレン) なので切削性は非常に悪く、完全には研ぎきれませんが概ね下地処理はこんな感じです。研磨した面は綺麗に見えますが実際はかなり毛羽立っています。

preo3 ダミーシガーソケットの方は製造時のパーティングライン(合わせ目)の段差が目立っていたのでそれを削り落として形を整えています。

preo4 まずはプラスチックプライマーを塗布します。

preo5続けてサフェーサーを、今回は梨地の凸凹が強いので10コート程塗りました。角度調整部のレバーのマスキングと本体との隙間はサフェーサーで埋まってしまう程ですが、これくらい塗り込まないと梨地は埋めきれませんでした。現状はサフェーサー自体の肌でかなり荒れていますが、この後熱を掛けて完全硬化後、全体を研いで形を整えます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

プレオ ルームミラー&シガーソケット塗装承ってます

pleo 先日到着しておりましたスバルプレオのルームミラー&ダミーシガーソケットです。こちらのオーナー様は以前テールランプやステアリングスイッチ等の塗装もご依頼頂いている方でして、この度もご贔屓頂き有難うございます!

pleo1 今回のご依頼内容としては、ベースカラーをレクサスの1J7のシルバーをベースに、ただ配合内容は少し変えて行う予定です。イメージとしては緑味(青味)を控えてシルバーの金属感を強調させるような感じとなります。またこちらのダミーシガーソケットには「12V」のロゴをフェラーリの赤(「ロッソコルサ」:カラーコード:300)で入れるよう承っています。

pleo2 ルームミラーの方はこのザラザラとした梨地を「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理で平滑とし、また凸文字も全部削り落とします。

pleo3 ちなみに本来であれば分解して作業をしたい所なのですが、その為にはまず正面の鏡を外さなければならなく、ただ割れてしまう可能性もありますので、今回はこのままの状態でマスキングで対応しようと思います。幸いにして鏡に近いフチの部分はツルンとして梨地が無く、その辺りは激しい作業は行わなくて済みそうですので恐らくはマスキングでも大丈夫だと思います。

pleo4シルバーの色味に関してはレクサスの1J7の色をベースにし、配合されているメタリック原色2色の内の1つを、以前社外記で紹介した金属感の高いSTANDOX新色MIX818に置き換えてフリップフロップ性(正面とスカシとのコントラスト差)を高め、また配合データに含まれている青系の原色を省いて緑味を抑える感じにします。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き有難うございます!