レガシィ(from北海道)内装パーツ デカール貼り

legacy17 そしてそして、エアコン吹き出し口の開閉マークのデカール貼り付けを行います。ベースコートの黒を塗るまでは他の部品と一緒ですが、これだけクリアーを塗る前にデカールを貼りつけたいので別ラインでの作業となります。貼り位置は再度カタログを出して来てそれを確認しながら作業します。

legacy18 以前はちょっとした文字、例えば「WINDOW」などの文字なら市販のドライレタリングで対応したりもしましたが、今はそれ専用のプリンターを入手したので(個人的に趣味で楽しむ程度の物ですが・・・)、いつものIllusratorでデータを作成し、そこからデカールを作成して再現する事が可能となりました。

legacy19 デカールの使い方はプラモデルに付属してくる物と同じで、水に30秒くらい漬けたらピンセットですくって貼りたい位置に置き、台紙を取り除いたら水分を取り除きます。

またそのままだと密着性は力弱いので、デカール専用の接着剤「マークセッター」を併用しています。

legacy20良く乾かしたら他の部品と同じくクリアーを塗って無事本塗り完了です。ちょっと解り難いかも知れませんがダイヤルの穴の上下に「●」と「○」があるのが判ると思います。中々楽しくなって来ましたね・・・(病)。

ちなみに本塗りを終えた部品でも後日「艶消し黒」を塗る部位があるので完成まではもう少し時間が掛かります。早ければ今週末、または来週早々といった感じですかね。もう少々御待ち下さいませ!

レガシィ(from北海道)内装パーツ一式 本塗り

legacy11 そしてお待たせしました!北海道からご依頼のレガシィ内装パーツ18点、無事本塗り完了しておりますのでご安心下さい。この部品点数ですからかなり凄いことになっています。

legacy12 ステアリングのマスキングはこんな感じです。

legacy13 マスキングのコツは「テンションを掛けない」が必須なので、曲面に貼る場合は一度に貼ろうとせず小さく刻んでいくのが基本となります。理想としては塗装屋さんが見て「これマスキングで塗ったの?!」ですからね。

legacy16そして本塗り完了です。一気に仕上がっていますがベースコートとクリアーは別に塗っている2コートソリッドです。クリアーは「クリスタルクリアー」をご指定頂いていますしね。

またきわどいマスキングの場合は「塗ったら直ぐに剥がす」が基本で、ただしこの状態で他の物を塗るとスプレーミストがハンドルの皮部分に掛かってしまうのでこのハンドルは最後に塗るようにします。で、塗り終わってスプレーガンを置いたら本当に直ぐ(5秒くらい)でマスキングテープを剥がし始めます。少々リスキーですがそれくらいしないとブツ切りのマスキングは綺麗に仕上がらないんですよね。

legacy14 その他小物もこんな感じで艶々に仕上げています。

legacy15カーボンが張られたパーツに関しては下地処理が甘かった物も何個かあったので本塗りを途中中断して研ぎ直した部品も幾つかあります。実際に色が塗られないと解らなかった物もあるんですよね(クリアーを塗っていない状態であれば再研磨は問題有りませんのでご安心下さい)。

ちなみにエアコン吹き出し口の枠については「○」と「●」のデカール貼り付けがあって、そちらはちょっと別枠で紹介する事にしますのでもう少々御待ち下さい!

レガシィ(from北海道)内装パネル 下地処理

legacy18 純正の内装パーツにカーボンを貼って作られていますが、やはりと言うか無理が掛かっている箇所はあります。プラスチックとカーボンとの層間剥離で亀裂が出来てしまっています。

本来であれば一旦剥がしてエポキシ接着剤で固定し直す事が正解ですが、だとすると部品が何個も買えるような金額になってしまうので現実的な内容で修理する事にします。

legacy19jpgひび割れた周辺の塗膜を削り落とし、エポキシサフェーサーを塗ります。ポリパテや通常のサフェーサーだと単に厚みを充填するだけなので上記のようなヒビ割れを抑える効果はありませんが、エポキシ樹脂(ビスフェノールA)の強い3次元網の目構造(架橋ネットワーク)であれば割れた箇所の再発を防ぐ効果はあります。

根本的な修理方法ではありませんが、材料の特性を知っていれば限られた条件の中でもやれる事はあると言うことですかね。少なくとも意味の無い事に時間を割く必要は無くなります(まあそれも必要な事ではありますが)。

ただしエポキシ樹脂の注意点は攪拌不良と硬化させるのに熱をちゃんと掛ける事で、ウレタン樹脂やポリエステルのような感覚で使うと失敗する事も多いです。硬化剤単体(モノマー)だと非常に不安定な状態なので体にも良くありませんから注意が必要です。

レガシィ(from北海道)内装パネル デカール作成

legacy6 今回のレガシィ内装パネル一式での御依頼では、左右のエアコン噴出し口にある「開閉マーク」の復元も御依頼頂いております。ここを気にされる方はそんなに居ないと思いますが拘る所は人それぞれだと思います。 参考資料としてレガシィのメーカーカタログを一緒に送って頂きました。

legacy8解りますでしょうか?エアコン噴出し口の横にあるダイヤルの上下に「○」と「●」がプリントされています。

当初は単なる丸かと思いきや、「楕円っぽい形で、資料も用意しますので復元を」との御依頼ですのでちゃんとデータから造る事にしました。

legacy5 上の画像はCG(と言うか単にIllustratorで造っただけ)でして、これを基にデカールを作成します。

作ったマークは単なる楕円に見えますが「O」(オーの大文字)と「o」(オーの小文字)と「0」(ゼロ)から似たようなフォントを10種類くらい候補を出し、そこから細部を修正してこの形になっています。長方形と楕円が混ざったような感じですよね。これでも意外と手を入れているのです。どうも私も変なところで凝る性格のようでして・・・(これのせいでいつまで経っても利益が増えていない気が・・・)。

legacy7そして実際に数種類のサイズを紙に切って現物に合わせてみました。予めサイズを測ってディスプレイ上で作成していましたがやはり現実で見てみると一回り小さい感じです。上の画像は修正した後に撮影しています。

ちなみにこのマーク、塗装でも出来そうな気がしましたが「O」の中の丸の幅は1.3ミリしかないのでこのサイズをカットするのはちょっと出来ない気がします。出来たとしても綺麗な輪郭には出来そうも無いですし・・・。

なのでこういった場合は塗装では無く「デカール」での作成となりますが、通常のプリンターで「白」を印刷する事は出来ないので(出来ませんよね?)、そこでこれを可能にするのがマイクロドライプリンターなる専用の機器の登場です。モデラーの世界では昔から常識的な物みたいですが私が知ったのはつい最近なんですよね。

ちなみにこれについては自宅作業場に設定しているので、後日帰宅した時に作業する事にします。いや、実は昨日データは持って帰っていて早速これを造る予定だったのですが、ようやく手が空いたのが3時過ぎだったので流石にそこから現場作業をする気力(と言うか体力)は残っていませんでした。帰宅して直ぐプリンター用のPC電源は入れておいたんですけがそのまま何もせず電源落として寝ました・・・。

・・・!!と言う訳で本日は早めに帰宅して自宅作業場にてデカール作成に勤しむ事にしました。(ここから追記としています)

legacy9 作業場のパソコンを立ち上げてプリンターにインクリボンをセットします。インクジェットでは無く昔ながらのインクリボンなんですよね。これが「ホワイト」の印刷を可能にしているのです。もう廃盤ですが・・・。

legacy10 ちなみに私の持っている機種は古いタイプなので本来「ホワイト」は使えません。ただこれは「裏技」を使って対応出来るのです(と言うのをネットで色々紹介していました)。

このプリンターの特徴としては、インクリボンのケースに貼られた「バーコード」を読み取る事で各インクリボンの制御を可能にしているのですが、これの「黒」に貼ってあるバーコードシールを「白」のケースに貼り替える事で誤認させ白を使えるようにします。バーコードのシールはわざと剥がれ易いようになっているのでメーカーも暗黙の了解なんでしょうね。自作派のユーザーとしてはこういった所に強い好感を持つので、その後も長くそのメーカーを贔屓していくのだと思います。この辺はさすがアルプス電気です。最近本社も新しくなりましたし(それは関係無いですか。本社は比較的近所なのです)。

ちなみに「白」は二種類あって、同じ位置に印刷出来る「ページ合成」なる機能を使ってこの二種類の白を重ねて印刷します。密着性を良くしつつ隠蔽性を高くしているんですよね。凄いプリンターです(なのに何故廃盤に・・・)。

legacy11そしてプリント完了です。一応予備のものとサイズ違いも作っておきました。実際に工場で何か違うと気付いてもあちらでは作業出来ませんので予め多少のトラブルは想定しておきます。

それでは作業進行しましたらまた紹介しますね。実作業はまだ少し先になるかとは思います。

レガシィ(from北海道)内装パーツ 下地処理

legacy2塗るのはまだ先ですが、各部品のチェックも含めて出来る物は先に下地処理をしておきます。まあ凄い数ですね・・・。

ご依頼頂いた部品の殆どは純正部品に本物のカーボンマットを張り込んで作られた手の込んだ部品で、これを塗ってしまうのはちょっと勿体無いのでは・・・と思いましたが、オーナー様曰く「一旦気になりだしたら気になってしょうがありません。今では私も蛇の皮の模様に見えてきてしまっているのです。」との事でこれらのカーボン部分は全て塗り潰す事となりました。

が!、実際に作業してみて解かったのですが、これについては確かにその通りだったのかも知れません。

legacy4部品を良く見てみるとカーボン表面がどうも変な感じに凸凹しています。どうやらカーボンマットの織り目の凸凹が残ったまま仕上がっているみたいです。

本来カーボンパーツは「型」に張り込んで成型し、そこから外す事で表面は平らにし仕上がっている筈なのですが、これは部品に直接カーボンを貼って樹脂で固めているだけなので繊維の網模様がそのまま残ってしまっているのです。結果、まさにこれが「蛇の革」に見えた訳で、当初これに不快感を感じた奥様の「なにこの蛇の模様みたいなのは。気持ち悪いんだけど」といった事は間違っていなかったのかも知れません。

legacy5 実際に削ってみるとその凸凹さが良く解かります。途中何度も研ぎの工程があった筈ですが、しっかり平らに研いでいなかったのかも知れませんね。

legacy6 もはや軽く研いだだけでは平らになりませんので堅い当て板にペーパーを張って全体を研ぎ直します。多少カクカクしても構うことは無く、ちゃんと目が無くなったら手研ぎで均します。さらに最後は水研ぎで深いペーパー目を消しつつ形を整えます。

legacy7 小物入れ(灰皿?)の部分にはナビのリモコンが埋め込まれていて、それとリモコン受動部は塗らないようにします。ちなみに今行っているマスキングは塗装の為の物では無く足付け処理時に傷が付かないようにする為の物で、本塗り時にはちゃんと貼りなおします。

当初この枠も分解出来ないかと思っていましたが、こちらには接着剤が付いていなかったのでネジと爪を外したら簡単に取れました。想像していたより難易度は低くなりましたのでこの辺も無理なく仕上げられると思います。

その他諸々の部品も無事分解出来まして、ただ一部はサフェーサーなど塗る物もあるので引き続き手が空いた時に下地処理を進めておきますね。もう少々お待ち下さいませ!