RB20ヘッドカバー等5点 結晶塗装 完成

大変お待たせしました!先日凸文字部を研磨してシーラーを貼り付けておいた日産RB20エンジンパーツ5点の結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

既存の塗膜は全部剥離し、腐食(錆)が出ていたプラグカバーとタイミングベルトカバーはサンドブラストも行いました。

ぱっと見は黒に見えますが、ブルーパールが入っています。

 付属していたゴムは再利用出来たので元の通りに嵌めておきました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

 実際に装着するともう少し角度がつく(平坦に見える)のですが、イメージが判り易いよう重ねてみました。

 光に当たるとフワッとブルーパールの青味を感じられます。

通常アルミプレートは剥がして新しい物に交換するのですが(曲がるので再利用は不可)、今回はオーナー様のご希望により「そのままの状態で塗装→凸文字部を研磨」と言う方法で行いました。露出させたアルミ素地には、腐食の進行を遅らせられるようクリアーを筆塗りしてあります。

ホースパイプ部も純正っぽい色で塗装しておきました。

 近接画像です。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

RB20ヘッドカバー等エンジンパーツ5点 凸部研磨

 先日本塗りを終えていた日産RB20のエンジンパーツ(プラグカバー)です。

凸文字を#120→#180→#240→#320→#400で研磨し、その後布状研磨副資材で光らせます。

通常はプレートを剥がして塗りますが、今回はそのままで塗装し、凸文字部を研磨して光らせています。段差が薄いので少し不安でしたが、良い具合に出来たと思います。

 最後にクリアーを筆塗りしてアルミ素地の腐食の進行を遅らせるようにします。

そして予め切り落としておいたシーラーを貼り付けます。元々塗られていた(盛られていた)シーラーはシリコーン系なので、同じ系統の物を使用します(それ以外ではくっつきません)。

プラグカバーの凸文字部に塗ったクリアーも硬化させ、同じようにシーラーを接着しておきます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB20ヘッドカバー等エンジンパーツ5点 本塗り

先日裏側のシーラーを剥がしておいた日産RB20のタイミングベルトカバー(上下)です。旧塗膜剥離の為に溶剤槽に浸けますが、その前に平面部分をある程度ダブルアクションサンダーで研磨しておきます。

錆が出ていたのは上面だけに見えましたが、削ってみると全体に発生しているのが判ります。点々になっている部分は塗装前に何か不純物(水等)が飛んだか、使用する塗料またはエアー内に水分か油が混入した物と思われます。どちらにしても錆予備軍で、塗膜も密着していなく、また錆の原因は素地調整不良とプライマーを塗っていない事による物です(工業塗装はコスト削減の為にプライマーを塗らない場合が殆どです)。

ちなみに当工場二階に間借りして貰っている元同僚が言っていましたが(現在は自動車関係のライター&アートディレクター的な仕事をしています)、各メーカーのマニュアル(またはウェブサイト)から「新車時の塗膜補償10年」と言う文言が消えた、みたいな事を言っていました。恐らくは新車に水性塗料が採用され始めた事によって実用上どれくらいトラブルが起きるのかが予想できず、リコールに備えて保険を掛けているのだと思います。起こりえるトラブルとしては塗膜間での密着性不良による層間剥離でしょうか。メーカー内製工場で請負をしている社内外注の方々は大変な事にならないか心配です(ただ実際働いていた方から聞いた話だと上への袖の下次第でその辺は大分贔屓が発生するみたいです)。

その後溶剤槽に浸けおきし、通常であればこの後ワイヤーブラシで擦って再び溶剤槽に戻すのですが、

今回はサンドブラストも承っていますので、そのままブラストボックスに移動し、

 サンドブラストを行いました。

少し前に導入した直圧ブラストのお陰で想定していたより早く作業が出来たのですが、ブラストガンに穴が開くというトラブルが発生した為、今後の作業に支障が出てしまう形となりました(しかし既に新しいガンが届き交換を済ませました!)。直圧は作業効率が良くなるのですが、工具へのストレスが高く、またメンテナンスも必要になるので、ここぞという時に使うようにしようと思います。

タペットカバーの方は溶剤槽浸け置きとワイヤーブラシで旧塗膜は綺麗に落とせました。

油分が落ちるとホースパイプ部分も劣化しているのが判るので、ここも一緒に塗っておこうと思います。

その後リン酸処理を行い、よく洗浄&乾燥させておきました。

ただ放置し過ぎると酸化(腐食)が始まるので早めに作業を行います。

まずはプライマーを塗布します。部品が溶接された箇所はスプレーでは奥まで塗料が届かないので、先に隙間から筆で流し込み、乾かない内にエアーブローをして余分を飛ばし、それをシンナーで拭き取っています。

 プラグカバーとタイミングベルトカバーは裏側にもプライマーを塗ります。

 続けてベースコートの黒を塗ります。

プライマーのままだと見た目が悪いので、ベースコートにハードナーと艶消し剤を少量添加してそれっぽく(新品時のED=電着プライマーのように)しています。

 タペットカバーはプライマー塗装後、ホースパイプ部にそれらしい色を塗っておきました。

純正のメッキっぽい感じになるよう黒にブラウンとホワイトパールを入れて作ってあります。同じくハードナーを入れてあります。

そして本塗り準備完了です。

ヘッドカバーは棚板ごと動かしますが、小物は単品で移動するので木の台に乗せて塗るようにしています。素材が木だと熱々に熱していても素手で持てます。

そして色ですが、今回は黒の結晶塗装に若干量のブルーパールを入れるよう承っています。この時と同じような内容ですね。

パウダーのブルーパールはぱっと見は白い粉末に見えますが、

リキッド(液体)になると鮮やかな青味が出るのが判ると思います。昔は粗目のブルーパールはパウダータイプしか無かったのですが(STANDOXだとギャラクシーブルーパール)、現在はこれのリキッドタイプ(同社PE845)が出たので、パウダーパールの出番はめっきり少なくなりました。が、今回の様に結晶塗装等違うメーカーの塗料で使う場合は重宝しています(粉末の顔料単体で使う分には問題ありません)。

そして本塗り開始です。

結晶塗装は1液の熱硬化型塗料なのでそれ単体では硬化せず、なので塗装後に熱を入れます。

そのまま一日置いてから熱を入れてもチヂレ目は発生するのですが、その場合結晶目にムラが出来たり目が細かくなったり、さらにはチヂレない箇所が発生する事があるので、塗装後直ぐに熱を入れるのが基本となります。後は空気(の流れ)も必要なようで、恒温機のような箱の中で完全に密封して熱を入れた場合も同じようなトラブルが発生するみたいです(当店の場合は最初に赤外線ヒーターを使うのでそのような経験がありません)。画像は右側から結晶目が発生して、熱の伝導によってチヂレ目が左側に移っていくところです。

その後熱を掛け終わった状態です。

140℃で40分くらい熱を掛けているのでマニュアル上では完全硬化しているのですが、後日もう一度恒温機で120℃20分程の熱を掛けておくようにします。塗装後に研磨した事がある人なら判ると思いますが半生っぽい感じで少し柔らかいんですよね。

ぱっと見は黒の結晶塗装ですが、パールで少し明るくなり青味も出ています。

今回はプレートはそのままで、最後に凸文字部を研磨してアルミ地を露出させて光らせます。

 ヘッドカバーです。

メッキが剥がれていたホースパイプ部も綺麗になりました。

この後は恒温機(乾燥炉)で二度焼きを行い、後日凸文字部を研磨します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB20ヘッドカバー等エンジンパーツ5点 下準備

先日お預かりしておりました日産RB20のヘッドカバー、プラグカバー、タイミングベルトカバー(上下)の部品5点です。

その後アルカリ洗浄槽に浸け置きし、シーラーを切り取ります。

とても特徴のある形をしたシーリングで、これを同じように再現するのは難しいですから、形を崩さないようカッターで切り落し、最後に同じ素材のシリコーン系シーラーで取り付けるようにします。

この後はヘッドカバー(タペットカバー)と一緒に溶剤槽に浸けて塗膜を剥離します。

プラグカバーの方も同様にカットしました。

こちらのプラグカバーについては、貼られているアルミプレートをそのまま塗装するので溶剤槽には入れず、再びアルカリ洗浄槽に浸けておきました(アルカリ液でもある程度塗膜は剥がれてくれます)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産RB20ヘッドカバー等エンジンパーツ5点塗装承ってます

先日到着しておりました日産RB20のヘッドカバー、プラグカバー、タイミングベルトカバー(上下)の部品5点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は以前施工した「結晶塗装の黒にブルーパールを入れた」仕様で、参考までにそちらの画像を紹介させていただきます。

ぱっと見は黒に見えますが、光に当たるとブルーパール(パウダータイプ)の青味が出てくる感じです。こちらのページで他の画像も紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

タイミングベルトカバーはスチール製で、

一部には錆が発生しているので、旧塗膜の剥離後にサンドブラスト処理も承っています。

ヘッドカバー(タペットカバー)状態が良く、

ただし現状はシルバーの塗装が施されていますので、こちらも一旦剥離してからの上塗りとします。ぱっと見は判り難いのですが、アルミ素地が見れる部分と比べると色が違うのが判ると思います。

  プラグカバーは一部に腐食が発生しているので、こちらも旧塗膜剥離後にサンドブラスト処理を行います。恐らくですが、塗装が剥がれてそこから腐食したのではなく、腐食が出てそこの塗膜が剥がれていると思われ、塗装の下では全体に酸化が始まっていると思われます。

そして両面テープで貼り付けられたアルミプレートですが、普段であれば剥がして新品に交換となりますが(曲がるので再利用は不可です)、今回はそのまま一緒に結晶塗装を行い、最後に「NISSAN TWIN CAM 24VALVE」の凸文字部を研磨して光らせます。ちょっと高さ(厚み)が足りないかも知れませんが、恐らくは大丈夫だと思います(今までにはもっと薄い場合もありましたので)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!