ゼンハイザーE945マイク サンプル制作②

先日紹介しました、フルカラー印刷デカールのサンプル用マイクです。タイトルではE945になっていますが、今回施工した方はE935となります。

まずはいつも通りマイク本体とグリルにベースコートの白(VWキャンディホワイト:LB9A)を塗布しました。

印刷された部分を大まかにカットします。

作業風景としてはこの様な感じで、

いつもと違う所としては、デカールを温める為にアイロンを用意しました。今回のマイクの形状は三次元曲面で、これに2次元のデカールを貼ろうとするのは物理的に不可能ですから、ウェスや筆や綿棒を温めてデカールを伸ばしたり縮めたりしよう!という作戦です。

と言う感じでデカールを貼りました。

今回はテストと言う事もあって、通常誰も遣りたがらないような内容=組付けた時に位置がズレがちな2パーツを跨ぐデザインにしています。上手く行かなかった事を想像すると寒気しかしません…。

また通常シールでは難しい折込みの箇所も表現するようにしています。UVプリントでも難しい感じにですね(ただそもそも今回のような円錐形はUVだと難しいと思いますが)。

ただやはりと言うか全面デカールは相当難しく、3時間くらい掛けて何とかしてみましたが、とてもじゃないですが仕事として請けられる(出せる)仕上がりにはなっていません。本当は2本作ろうと思いましたが、一旦ここで作業をストップ、とりあえず1本のみに留める事にしました。

と言うのも、今回作って貰ったデカールはかなり厚みのある物で、これの対策として知り合いの塗装屋さん(GUNさん)が薄くて延びるデカール用紙を持っているとの事なので、次回はそれを使って印刷をして貰おうと考えています。

と言う訳ですが、とりあえず一回目のクリアー塗装を行いました。こちらはいつも通りクリスタルクリアーで、他の御依頼品を塗るついでで一緒に塗らせて貰いました。

グリルのリングは下側だけでは無く、上側にもイラストを入れた方が良かったかもですね。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜が完全硬化後、再度クリアーを塗りました。こちらは常温一時間で硬化する同社STANDOX VOCエクストリームプラスで、この後再度研磨してもう一回クリアーを塗っています。

今回はマイク塗装への一つの挑戦として、完成度はまだ全然低いのですが、とりあえず今週末に出展するデザインフェスタVol.62には展示出来ればと思っています。当店の場合ネット以外で知って貰う方法が無いので、「塗装」というジャンルを広く一般の方に知って貰えればと考えています。

またそちらでは今回のイラストを作って頂いたProject.C.K.さんも出展されるので、一応こちらを見て頂き、次に塗るもう一本のどちらか仕上がりが良い方をお譲りしようと思っています。デザイン料とマイク&塗装費を相殺するような感じですね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。あともう一回削ってタッチアップ&クリアーを塗るので、何とか間に合いそうですね!

レイバック グリルメッキモール&エンブレム 下準備

先日下準備を行っておいたスバルレヴォーグレイバックのフロントグリルメッキモールと前後エンブレムのメッキ枠です。先に紹介したフォレスターのフロントグリルメッキモールと同様の内容なので一緒に塗装しています。

脱脂清掃後、プライマーを塗布しています。

こちらはフロントグリル本体に差し込む爪の部分を塗らないようマスキングしています。かなりキツイ部分だと思われ、ここを塗るとしっかり入らなくなってしまうかも知れない為ですね。

こちらは一緒にご依頼頂いているスバルエンブレムのメッキ枠です。

こちらは元々両面テープがある程度剥がされていましたが、除去しきれなかった物が残っていたので、

シリコンオフ(溶解力の弱い脱脂用溶剤)を塗布して綺麗にしておきます。ちなみに現在進行中のフォレスター用スバルエンブレム(枠一体タイプ)は、この作業でなんとメッキが剥がれてしまいました。これでそれが起きてしまうとこの先どうにも出来ないのが判りますよね。

自動車外装メッキパーツの多くはABS樹脂に装飾クロムメッキが施された物で、もしこれがABS樹脂(プラスチック)では無く「鉄」素地であれば、普通にサンドブラストが行えます。鉄とメッキがしっかり食いついているからですね。

ただし今回のように素地がABS樹脂だと、その上に施されている装飾クロムメッキ(銅メッキ)は厳密には密着していなく、単に全体を覆っているという状態ですので、それにサンドブラストを行うとメッキがバリバリに剥がれて大変な事になってしまう!という事になります。

なので装飾クロムメッキへの塗装方法は今回のようにメッキを残したまま塗る方法と、薬品でメッキを剥がしてしまうというどちらかの方法となります。以前行ったようなメッキパーツをカットして加工するような場合はメッキ層が破かれる事になる為、後者の方法となります。

プライマーの塗装が終わったらサーフェサーを塗布します。

プライマー単体で終わらせても良いのですが(もしくはウェットオンウェットでそのまま上塗りに行く方法もあります)、サフェを塗った方が研ぎ作業が楽ですし、メッキ素地を露出させてしまうリスクが減るので大抵のメッキパーツの塗装ではこの方法を行っています。デメリットは時間が掛かり過ぎる事で、逆に手っ取り早い方法としては「密着剤」(スプレー糊のような物。市販品ではミッチャク□ン等)を使えばほぼ上塗りの時間だけで終わらせる事が出来るのですが、数年後にペリペリと塗膜が剥がれてきたりしたらリピートは頂けなくなりますので(さらには悪評も広がりますので)、塗装の仕事を長く続けるのであれば安易な方法は取らない方がよいかと思っています(塗装を始めて30年を超えましたが大きな問題も無く過ごせて来れました。)。

裏側にもプライマーとサフェを塗っておきます。特にこちらは両面テープが付く箇所なので、塗装が一緒に剥がれた!なんて事は無いようにですね。

ちなみに奥がプライマーを塗り終わった状態で、手前がサフェを塗ったところです。プライマーは防錆や密着性、サーフェサーは防水や充填性といった役割があります。

少し前に現役の自動車塗装屋さんと話をしたのですが、パテの前にわざわざプライマー塗っている塗装屋さんはまだ少ないらしく、未だに鋼板に直接パテを塗っている場面(会社)が多いみたいです。マニュアルを読むと書いてある筈なんですけどね…(ただ最近はプライマー効果のあるウエス=スタンドックス エクスプレスプレップワイプU3000や、そもそもそれらが不要なUVパテ等新しい材料も出ているかも知れないので一概にどうなのかは不明ですが)。

メッキパーツであれば既にラインが出ているので(凸凹していないので)サフェを厚塗りする必要は無いのですが、研ぎの際に角などで下地を露出させないよう余分に塗っておくようにしています。

こちらも裏側にプライマーとサフェを1コートずつ塗っています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダストリーム フロントグリルメッキモール下準備

先日下準備を行っておいたホンダストリーム純正のフロントグリルメッキモールです。

少しタイミングが早いのですが、先に紹介したフォレスターのフロントグリルメッキモールと同様の内容なので一緒に塗装しています。

こちらはクリップ取り付け部はマスキングしています。

クリップ取り付け部は袋状になっていて塗料が入り難くミストでザラザラになってしまうと思ったのでプライマーとサフェは入らないようにしました。

プライマーを塗ってセッティングを置いたらサフェを塗ります。

プライマーもサフェどちらもシンナーで希釈して肌が凸凹にならないようにしています。

シンナーで希釈するとその分膜厚自体は薄くなるのでコート数を多くして対応していますが、その分コート間の乾燥時間=フラッシュオフタイムも多くなる為、トータルのでの時間は長くなります。今回の場合だと塗り始めて塗り終わるまで4時間といったところでしょうか(普通で考えるとサフェを塗るだけでこの時間は掛かり過ぎで、雇われの身だったら陰口を叩かれているかクビになっていると思います)。

裏側はプライマーもサフェも1コートのみで、フチまで塗った際に飛んだミストを馴染ませるような感じとしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。こちらは本塗りはまだ少し先になるかと思いますがどうぞ今しばらくお待ちくださいませ!

フォレスターSJフロントグリル メッキパーツ下準備

先日下準備を行っておいたフォレスターSJフロントグリルのメッキモール上下(アッパー&ロア)です。

予め素地調整を行っておいたメッキ素地を脱脂清掃しプライマーを塗布しました。

メッキパーツの素地調整については極めて基本的な事をやっているだけなのですが、

私だけの力で開発した事では無いので一応作業内容は伏せさせて頂いています。

プライマー肌を荒らさないようシンナーで希釈し、且つこの後の研ぎ作業で下地が露出しないよう3コート程を塗っておきました。

続けてサーフェサーを塗布します。

サフェもシンナーで希釈し、3コート程を塗っています。

裏側は塗る必要が無かったりするのですが、プライマー及びサーフェサーをフチまでしっかり塗り込みたいので、最後の1コートのみ全体を塗って、ザラザラとしたミスト肌をツルンと馴染むようにしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

他のメッキパーツも一緒に塗っていますが、画像が多いのでそれぞれ別けて紹介させて頂きます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ステップワゴンメッキエンブレム塗装承ってます

先日到着しておりましたホンダステップワゴンスパーダの純正メッキエンブレムです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

今回ご依頼頂いているのはこちらの「S」の文字のみで、その他のエンブレムはそのままにしておきます。

今回はこの二つの「S」を、ホンダ純正色「ミラノレッド」(カラーコード:R81)へ、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様で承っています。

尚、装飾クロムメッキはそのまま上塗りをしても十分に塗膜が密着しない為、別途メッキ素地用の下地処理も行います。

ミラノレッドは以前塗装した事例がありますのでそちらを紹介しますね。

こちらはアルファロメオのヘッドカバーですが(ホンダではありませんが)、

ご指定頂いたパントン色見本に近い色と言う事でホンダのミラノレッドを採用しました。

両面テープはそのまま残して再利用する事も可能ではありますが、フチなどの仕上がりが汚くなるので一旦剥がして新たに作成した物を貼り付けるようにします。

尚、両面テープを貼る箇所はフラットでは無く一段凹んだ状態になっているので、それをはみ出さないように貼り付けるようにします。以前施工したBMW ALPINAのエンブレムのような感じですね。

台紙からエンブレムを剥がし、透明なフィルムの両面テープを貼り付け、

それをスキャンしてPCに読み込みます。

この時点ではラスター画像で、このままでは使えませんから、

それをトレースしてベクター画像データを作製し、

レーザー加工機を使ってカットします。

まずは紙をカットして現物に合わせながら細部のデータを修正し、

良くなったらエンブレムに貼ってあった両面テープを剥がして新たに作成した物を当てて確認します。しっかりフチの段差の内側に収まっているのが判ると思います(両面テープのカスはまだ残ったままなので汚いですが塗装作業に入ったらこちらも綺麗に除去します)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!