アウディR8エンブレム塗装 完成

先日本塗りを終えていたアウディR8の純正エンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、裏側に貼っておいた仮の台紙を剥がし、元々着いていただ台紙に移植します。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物を、

先に左側の「■+R」のパーツをBMW MINI純正の「レーザーブルーメタリック」(カラーコード:A59)でベタ塗りし、

その後■の部分をマスキングして、

「8」と共に艶消し黒で塗装を施しました。

難しかったのがマスキングシートの作成で、

とにかくこれをピッタリにする修正&カットの作業に多くの時間を費やしました。

ただそのお陰もあって、純正と遜色無い仕上がりに出来たと思います。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

艶消し黒は艶ありの場合と同様、ベースコート(黒 )+クリアーの2コート仕上げとなります。これが缶スプレーの一液性ラッカー系の艶消し黒であれば非常に簡単なのですが、2液のクリアーでこの塗り分けをするのが今回とても難しい作業となっています。ただそれ故に耐久性は自動車ボディの塗膜と同様となっていますのでその点はご安心頂けるかと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

アウディR8エンブレム 艶消し黒 本塗り

先日下準備を行っておいたアウディR8の純正エンブレムです。

こちらは先に全体をブルーメタリックの艶ありに塗装後、四角の部分をマスキングし、足付け処理を行っています。

こちらの8の方は元々艶あり黒だった状態から足付け処理を行っています。先に塗ったRの方と同じく樹脂素地と思われますので、プラスチックプライマーを塗っておきます。

こういった箇所をマスキングをする方法としては、小さくカットしたテープ片を一つずつ配置して貼っていく方法が楽なのですが、テープが重なるとそこに隙間が出来て塗り分けのラインにガタつきが生じるので、今回はそれを無くす為の「1枚物のマスキングシート」を作成しています。これが地味に手間が掛かっています。

裏側の両面テープは元々貼ってあった物を活かす方法で、改めて貼り直した台紙に丸めたガムテープを貼り、それをワニクリップで掴んで固定しています。

裏側まで回り込むように塗ってしっかりフチまで色が入るようにします。

まずはベースコートの黒を塗布します。

この状態でも見た目は艶消し黒となり、これで終わりだったら非常に簡単なのですが、

ベースコートだけだと1液ラッカー(缶スプレー)と変わりなく、実用する物(雨風紫外線を常に浴びて洗車等で摩耗する物)としてはそれだけでは強度が足りませんから、

続けて艶消しクリアーを塗ります。お待たせしました!

艶消しクリアーは艶ありクリアーと同様、主剤と硬化剤を混ぜて作る2液型となります。

塗ったばかりの時は艶がありますが、その後数時間すると徐々に艶が消えていきます。

ぱっと見は乾いたように見えますがまだ硬化はしておらず、この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

バツ切りマスキングは塗った直後に剥がす場合が多いですが、今回は完全硬化してから剥がす事にしています。余りにもリスクが高い事と、恐らくその方法でも綺麗に仕上がると思っているからですね。

とにかくワンミスで最初からやり直し(部品の買い直し)に成り兼ねないので非常に気を遣います。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アウディR8エンブレム 艶消し黒 下準備

先日「□+R」のエンブレムに艶ありのブルーメタリックを塗装しておいたアウディR8の純正エンブレムです。

次は「R」と四角の枠部分を艶消し黒に塗るのですが、判り易いよう最初の画像も紹介しますね。

元々はこのような状態で、艶ありの黒を「つや消しの黒」に、そして艶ありの赤を「艶ありのブルーメタリック」します。純正は塗装では無くシールなので難しくは無いのですが、塗装で艶ありと艶消しを混合させるのは非常に手間が掛かり、しかもこのサイズでそれを行うのはかなり難易度が高くなります。正直なところ、塗装屋人生で出来れば避けて通りたい事でもあったりします(なんといってもワンミスでやり直しが効かなくなるので…)。

マスキング用のシートは予め作成しておきましたが、新たに塗ったブルーメタリックの塗装によってサイズが変わっていて、改めて修正し直しました。

そこからさらに0.1mm小さくしたシートを作成します。足付け処理処理用の為の物ですね。

塗り分け用のマスキングシートそのままを貼って足付け処理をすると、どうしてもその際の処理が甘くなりがちですから、その為に少し小さめのシートにしておくという訳です。

最初は布状研磨副資材を使ってある程度研磨し、その後ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行います。

その後、マスキングシートを剥がします。塗装しない部分が艶が残り、これから艶消し黒に塗る部分は艶が消えているのが判ると思います。自転車フレームの塗装などでは塗装工程毎にこの足付け処理をしないケースが多く見受けられ、それのせいで最初は良くても経年でペリペリと剥がれるんですよね。

そして本塗り用のマスキングシートを貼り付けます。足付け処理をした時より0.1mm大きくなっているので、塗装するフチまでしっかり足付け処理がされている!という事になります。塗装屋さんならこのスッキリとした気分が判って頂けるかと…。

こういった細かい作業はいつもは蛍光灯を下まで吊るした明るい作業机で行っていますが、今回は水を使うので流し台の上で行いました。

ただ天気が悪い時は窓からの光だけでは明るさが足りないと感じる事があったので、

新たにここの上にも照明を取り付けました。

近年はLEDが全盛になったからか、元々高価な埋め込み式のHf蛍光灯が破格の値段で投げ売りされているので、ある程度の数を買って明るさが足りない箇所に取り付ける事にしました。手元まで明るく見れて作業がし易く、もっと早くからやっておけば良かったですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アウディR8エンブレム 艶ありブルー本塗り

先日マスキング用シートを作成しておいたアウディR8の純正エンブレムです。

まずは#800→#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン&オレンジ)で全体を研磨します。もしかしたら黒が塗ってあるのかと思いましたが、どうやら黒の着色樹脂素地だったようです。

その後ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行います。樹脂素地の場合は空研ぎだと摩擦熱で研磨粉が溶けてしまい、傷が付くどころか艶が出てしまう!という事態になりがちなので、熱が出難い水を使った研ぎが有効です(またはコスト面は気にせず新しいバフレックスをバンバン使いまくる!と言う方法であれば空研ぎの方が早くて楽ですが)。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布します。

今回はまず「四角の部分」を青メタリックにする作業で、その後「R」と「8」を艶消し黒に塗ります。

ただ同一パーツ上でそれぞれ違う艶にする事を一度には出来ない為(ラッカー等の溶剤揮発型塗料とは違うので)、まずは全体を青の艶ありで仕上げ、完全硬化後にマスキングをして艶消し黒を塗ろうという作戦です。なので今回「8」は塗らず、こちらのパーツのみの本塗りとなります。

ベースコートを塗布します。色はBMW MINI純正の「レーザーブルーメタリック」(カラーコード:A59)となります。

黒の上に下色無しで塗っているので、隠ぺいしているかどうかの判断についてはゼブラカードなどを使うのが一般的ですが、

今はBLACKRABBiTガチャの素体やベアブリックなどを使ったりしています。

こうやって見ると「R」のエンブレムの方が白く(明るく)見えますが、

実際にはBLACKRABBiTガチャ素体の方が白いので、「R」のエンブレムが隠ぺいしていない筈は無いというのが良く判ります。

そして最後にトップコート=クリアーを塗ってブルーの本塗りが完了です。クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は恒温機の中に入れて一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。マスキングシートの糊の跡が着くのは嫌なので、何度かの熱入れと長めの寝かしをしようと思います。

ちなみに隠ぺいの確認の為に塗ったガチャ素体は、

工場内の壁棚に並べて色見本として飾っています。

いずれ月に一回くらいは工場を開放して実際の色見本を確認出来るようにと考えていて(ただし直接ご依頼店頂いての現物確認やお見積もりは今まで通り不可です)、少しずつですが現在そちらも進行中です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アウディR8エンブレム マスキングシート作成

先日お預かりしておりましたアウディR8の純正リアエンブレムです。

まずは工業用ドライヤー(ヒートガン)でエンブレムを温め、

粘着剤が弱くなったところで赤いシールを剥がします。

それを透明フィルムに貼り付け、

スキャナーでPCに読み込み、ベクター画像作成ソフト(Illustrator)を使ってデータを作成します。

そのデータを使い、カッティングプロッターでマスキングシートをカットします。

かっとしたマスキングシートに石鹸水を塗り、シールを剥がしたエンブレムに貼り付けます。

元々貼ってあったシールは恐らく塩化ビニール製で、その特徴としてはよく伸びる事で、剥がした際に変形してしまっていますから、そこから取ったデータは当然形が変わってしまっています。

444それを修正してはまた貼ってを繰り返し、

ピッタリ形が合うようになったらマスキングシートの完成です。

この後まずはこちらのエンブレム全体をBMW MINIの「レーザーブルーメタリック」(カラーコード:A59)の艶あり仕上げで塗装し、今回作ったマスキングシートを貼って「8」のエンブレムと共に「つや消し黒」を塗るようにします。

それでは作業が進行次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!