インプレッサ ボンネットダクトカバー塗装 完成

 先日本塗りを終えていたスバルインプレッサのボンネットダクトカバー3点です。最初に外しておいたボルトやクリップを元の位置に戻します。

 外した部品は元の位置に戻せるよう、最初に撮影しておいた画像を確認しながら作業を行います。

 そして完成です。大変お待たせしました!

 色はスバル純正色の「ソニックブルーマイカ」(カラーコード:74F )で、

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 サフェーサーは塗っておらず、製品の素地にプラスチックプライマーを塗ってそのまま上塗りを行っています。

 通常の樹脂部品では余り行いませんが、成型の出来具合と素地の状態が良ければこういう事も可能です。未塗装の樹脂素地バンパーを塗る場合と同じような感じですかね。

 こちらのメッシュ部分は塗装せずマスキングで行っています。

 先に全部青く塗ってから網の部分を艶消し黒に塗ると言う方法もあるのですが、逆アールをマスキングするのも綺麗に出来そうも無かった為、今回はマスキングシートを型から作って採用しています。

 通常は新品部品の状態で白いマスキングシートが予め貼ってあったりするのですが、今回はそうでは無かったので結構これが大変でした。スバル内製工場の方はどうやっているのでしょう?綺麗に出来ているのでしょうか。

 和紙タイプのマスキングテープだと塗料が食い付いてしまうので、こういったバツ切りのマスキングには不向きです(ガタガタになります)。

 マスキングシートは塗料が密着し難いPP(ポリプロピレン)製なので、マスキング際も比較的シャープに仕上がります(と言う程手放しに簡単に出来る訳ではないのですが・・・)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

インプレッサ ボンネットダクトカバー 本塗り

 先日マスキングシートを作製していたスバルインプレッサ用ボンネットダクトカバー3点です。

 一部出来が悪い個所(段差の研ぎ跡が残っていた個所)を#600→#800の水研ぎで均し、

 ウォッシュコンパウンドと#800相当のスコッチを使って足付け処理を行います。スコッチは先日社外記でも紹介していたエベレストのですね。試供品はまだ使っていません。

 最近業界では空研ぎがメインになって来ているようですが、PP素材でここまでの親水性にするにはやはりウォッシュコンパウンドが優れているのでは、と思っています(まあここまでする意味があるのかどうかは判りませんが)。

 こちらも同じようにしつつ、マスキングシート際はスコッチが入り難いのでナイロンブラシも併用します。

足付け処理が終わりマスキングシートを剥がしてみると、素地調整(足付け処理)を行った個所とそうで無い部分とで水の馴染み方が違うのが判ると思います。

 まるで違う素材を組み合わせたようですが、メッシュの部分も枠も同じ一体成型です。単にペーパーを掛けただけや脱脂しただけではここまでの差は出ません(これを簡単にしてしまうのがガスプライマーなのですが、そう上手くもいかないようで色々と問題が出ているようです)。

 フィンや穴の周りは裏側からしか塗れないので、スプレー作業を極力阻害しないよう細身のフレームで固定出来るようにします。

当たりゴムとフチのスポンジ(エプトシーラー)には塗料が着かないようマスキングをしておきました。

 メッシュの部分は裏側もマスキングをして塗料が入らない様にしておきます。隙間が無いように見えて(静電気の作用で)「そこから入るのか!」と言う事がよくあるので、虱潰しに隙間を塞ぎます。

 そして表面にマスキングシートを貼り付けます。

 台にセットし、よく脱脂清掃を行います。最初は一回使い古したウェス(キムテックス)とシリコンオフでウェットに拭き、それを新品の同製品で乾拭きして拭き取るようなやり方となります。キムテックスはてっきりもう時代遅れなのかと思っていましたが、先日一緒にオートサービスショーに行った現役の自働車塗装屋さんも愛用しているとの事で安心しました(笑)。キムテックスについてはこちらのページが判り易いかも知れませんので宜しければご参照下さい。繊維ゴミが出ないので魚の水槽の掃除などにも良いようです(私は使った事がありませんが)。

 裏側に回り込んだ塗料が剥がれないよう、しっかりプラスチックプライマーを全体に塗り込んでおきます。

 まずはベースコートの塗布です。

 色はスバル純正色の「ソニックブルーマイカ」(カラーコード:74F )となります。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

 マスキングシートは二回目のクリアーを塗った直後に剥がしておきました。

 普通の和紙タイプのマスキングテープだとフチがガタガタになりがちですが、今回使ったマスキングシートはPP製で「塗料がくっ付き難い」と言う特性を利用し、ブツ切りマスキング際がシャープに仕上り易くなります(と言う程簡単では無いのですが・・・)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

インプレッサ ボンネットダクトカバー 下準備

 先日お預りしておりましたスバルインプレッサ用ボンネットダクトカバーです。

メッシュ(網)の部分は黒い素地をそのまま残しますので、予めマスキングシートを作製する事にしました。

普通はフチに沿ってこのままカッターで切ったりすると思われがちですが、私が習った塗装ではそう言う事はしてはいけない事の一つですので(直す車に傷をつけてどうすんだって殺される勢いで怒られます)、一旦型を取ってマスキングシートを作製する事にしました。

 剥がしたマスキングテープを水で濡らし、皺が出来ないよう透明なシートに貼り付けます。

それをスキャナーでPCに読み込み、Illustoratorなるソフトを使って線をトレースしベクトルデータを作製します。

 ただボールペンの線自体が太いのと、どうしても転写する途中で誤差が生じてしまう為、後はひたすら「カット→現物合わせ」を繰り返します。

 部品の形は左右対称なので反対側はデータをそのまま反転すれば良いだけだと思っていたのですが、多少違っていたのでそちらも修正と地獄モードに突入です(苦)。

突き詰めるにはあと3日以上の時間が必用そうでしたが、そうなると塗装費の10倍以上のコストが掛かってしまいますので、ある程度の所でストップしておきました。

それでも手(フリーハンド)で貼るよりかは綺麗に仕上げられると思います。

 どんなに薄いマスキングテープでも重ねるとそこで段差が出来てしまいますので、そういった点でこれは最も良い方法だと思います。ただコストが・・・(苦)。

 このマスキングシートは素材がPP(ポリプロピレン)製で、これの特性は塗料が密着し難いと言う事ですから、これを利用してバツ切りマスキングの際も綺麗に仕上がる!と言う算段です。

尚、こちらのシートは足付け処理用で、ペーパーを掛けた後に本塗り用に貼り直します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

インプレッサ ボンネットダクトカバー塗装承ってます

 先日到着しておりましたスバルインプレッサ純正のボンネットダクトカバー3点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 パーツはPP素材の未塗装品で、

一部に修正の跡が見られますが、

その他の素地の状態は良いので、下地作業は足付け処理のみ、プラスチックプライマーを塗ってそのまま上塗りをする予定です。

色はスバル純正色の「ソニックブルーマイカ」(カラーコード:74F )で、クリスタルクリアーへの変更で承っています。

こちらは小さい方のカバーです。

こちらも修正の跡が見られますが(#400~#600の ダブルアクションサンダーで削ったような処理)、大きい方と同様、サフェは塗らずそのまま上塗りを行う予定です。

ネックとしてはメッシュ部のマスキングで、塗り分けは谷のラインで行いますが、ここをラインテープで行おうとすると本塗り時にフチが浮いてしまう気しかしないので、予めマスキングシートを作製して挑もうかと思います。

 裏にはボンネットに固定する為のボルトやクリップが着いているので、

 元位置を記録したら外しておきます。

大きい方のダクトカバーも同様に付属品を外しておきました。フチに貼ってあるエプトシーラー(クッションテープ)は剥がさずマスキングで対応しようと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!