ハーレープライマリーカバー 下準備

先日お預かりしておりましたハーレーのアルミ製ダービーカバーです。

一緒にお預かりしているテールランプは現在クリアーの下塗りが終わっていて、それと並行してこちらの作業を進行しています。

表面には筋状の凸凹があったので、それをダブルアクションサンダー#120→#180で研摩して均し、

サンドブラストボックスに入れ、

ブラスト処理を行いました。

ちなみにブラストだけだと元々あった凸凹はそのまま残ってしまうのでこのような工程を経ています。

その後リン酸処理を行い、よく乾燥させた後、

プライマーを塗布します。

続けてサーフェサーを塗装します。プライマーは防錆と密着性に優れた特性がある反面厚塗りは出来なく、サフェはそれ単体では防錆と密着性が弱いですが塗膜の充填=比較的厚塗りが出来るので細かいラインの修正や防水効果が得られます。

この後は一晩以上自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

尚、こちらのプライマリーカバーにはロゴ入れも承っておりますので、

一緒にお預かりしたステッカーをスキャナーでPCに読み込み(左側)、それを基にベクトルデータの画像を作成しています。

似たようなロゴデータは幾つかあったのですが、微妙にカーブが違っていたり線の太さが違っていたりしたので一から作る事にしました(元々その予定でした)。

シールをスキャンして得た画像は所謂ラスター画像と呼ばれる物で、これはドットで作られた物ですから拡大すると画像のように輪郭がぼやけ、新たに作るデータではその境界線をなぞるようにして新たな輪郭線を引いていきます。カクカクしないよう自然で美しいカーブを作るのが肝ですかね。

プライマリーカバーのサイズを測り、それをイラストで作成し、出来上がったロゴデータを乗せてみました。長方形の形の部分が丁度ボルト穴と一直線に揃うような感じになります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハーレーダービーカバー塗装 完成

harley11 大変お待たせしました!ハーレー純正ダービーカバー(タイマーカバー)、艶有り黒の塗装で本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

harley元々装飾クロムメッキが施された物で、一旦これをサンドブラストで表面を荒らし、プライマーを塗って塗装の剥がれない下地を作っています。

harley12 文字の部分に元々塗られていた黒は塗料と言うよりかはゴムのような物で、今回はそれを全部取り除いてから塗装しているので、最初よりも見た目がクッキリとなっていると思います。

harley13それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。既に梱包も終わっていますので早めにご連絡頂ければ本日発送可能です。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

 

ハーレーダービーカバー 本塗り

harley6 大変お待たせしました!ハーレー純正のダービーカバー(タイマーカバー)、無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

画像は先日塗っておいたプライマーで、これに全体に軽くペーパーを掛け、細部はナイロンブラシ&ウォッシュコンパウンドで足付け処理を行ないます。

harley7 マスキングをし直し、台にセットして本塗り開始です。

harley8 まずはベースコートの黒です。

一応今回のはエンジンパーツの一部になりますが、使っているのは耐熱塗料とかでは無く普通の2液ウレタン塗料です。全く問題ありませんのでご安心下さいませ。

時々雑誌やネットで「耐熱塗装じゃないと」みたいな事が書いてありますが、それの多くが誤解でして、もしもそれらが正解ならば、新品のブレンボキャリパーの塗膜や、新車時から付いているヘッドカバーの塗装はあそこまで剥がれる事はありません。殆どの場合は下地や途中工程など作業的な問題で材料のせいではありません。

harley9 と言う訳でクリアーを塗って本塗り完了です。文字が埋まらないように最初の1コート目はその周りを控えめにし、2コート目は全体にしっかり塗り込んでいます。

harley10元々は装飾クロムメッキ仕上げで、そのまま塗っても塗料は密着しませんが(リン酸などの薬品も殆ど効きません)、サンドブラストをガッツリ当てて表面を荒らしプライマーを塗っているので通常の塗膜と同様に密着しています。使っている内に塗装がペリペリと剥がれて来たりはしませんのでご安心下さいませ(塗膜がペリペリと剥がれて来る場合もその殆どが塗料の劣化では無く、下地の問題です)。

それでは完成次第改めて紹介しますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ハーレーダービーカバー プライマー塗布

harley1大変お待たせしました!ハーレーのメッキ製ダービーカバー(タイマーカバー)も作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

現状は装飾クロムメッキが施されていて、そのまま塗装しても塗膜は十分に密着しませんのいでサンドブラストを掛けて素地を荒らします。投錨効果とかアンカー効果とか呼ばれるアレですね。

harley2こんな感じでブラスト完了です。クロムメッキの下にある銅メッキが出ていますが問題ありませんのでご安心下さい。

ちなみにプラスチックのメッキパーツは樹脂(ABS)とメッキ(銅メッキ)で密着はしておらず、あれは単に母材の周りをメッキで包んでいるだけなので今回のようにブラストを当てる事は出来ません。また経年劣化で剥がれて来たりもするので、塗装を前提でどちらかを選べるならば今回のようなスチール素材が良いと思います。またアルミへのメッキはひどい状態の物が多いので全くお勧め出来ません(化成処理が上手くいっていない為かメッキの下で腐食が発生して膨れて剥がれます)。

harley3 見えるのはフチより外側ですが、安全の為少し回りこんで塗装したいので裏側の周りもブラストを当てておきます。時々自動車のPP製バンパー(車は殆どこれです)の耳部分で塗装が剥がれているのを見かけますが、あれはフチまでしっかりとプライマーが入っていないからです。意識して裏まで塗るようにすればああはならないんですけどね。

harley4そのまま置いてしまうと裏側まで塗れないので、本塗りと同様に台にセットして浮かすような感じにしておきます。

harley5サフェーサーを塗ると細かい箇所が埋まってしまうので、今回は薄膜のプライマーのみとしてあります。

来週中には本塗り出来る予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ハーレーダービーカバー塗装承ってます

harley先日到着しておりましたハーレー用のメッキ製ダービーカバー(タイマーカバー)です。ミッションケースの横に着くクラッチカバーのような物でしょうか。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

素材はスチール(鉄)で、その上に装飾クロムメッキが施されていて、さらに凹んだ部分には黒い塗装(?)が施されています。

今回はこちらを艶有り黒のベタ塗りで承っておりまして、ただそのまま塗っても塗料は密着しませんから、全体をサンドブラスト処理をして溝にある塗料を剥がし、さらに全体の表面を荒らしてプライマーを塗装して下地を作ります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!