fi’zi:k自転車パーツ塗装 完成

fizik36 大変お待たせしました!フィジークのカーボンハンドル、ステム、カーボンシートポストの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。


fizik元々はカーボン地に艶消しクリアー仕上げやマットブラックの仕様で、色を変えて各ロゴは元の通りにと言うご依頼となりました。

fizik37 シートポストは予めフレーム(車体)に挿さる部分を測って頂き、塗装範囲は見える部分のみとしています。

fizik38 ロゴの位置は後ろでも横でも無く斜め!と言う場所に位置していて、何も目印が無かったらかなり難しかったと思いますが、今回塗装しなかった部分から元々あったセンターラインを確認する事が出来たので、そこから水平線を出して基準にしています。

fizik39 元々塗り分けがしてあって爪が引っかかるような段差などがありましたが、サフェーサーで下地を整えていますので滑らかで且シャープな美しいラインに出来ていると思います。

fizik40ステアリングは滑り止めのザラザラとした部分はそのまま残し、やはりこちらもサフェーサーで下地を整えてから塗装しています。全体は艶々に、自然なラインを形成出来ていると思います。

fizik41 こちらもロゴの位置が微妙だったのですが、ザラザラとした部分にセンターラインの印があるのでそれを基準にして元位置を割り出しています。

fizik42 ベースカラーの白はマツダの「アークティックホワイト」(カラーコード:A4D)で、事前に色見本帳をお貸出ししてその中から選んで頂いております(恐らくは車体の色に近い色を選ばれたのかと)。

fizik43 こういった曲がった形状のドロップハンドルを塗るのは初めてで、本塗り時は下側にスプレーガンを入れ難く(と言うか通らなかったです)予想以上に塗り難かったので、今度はもっと高い位置で固定出来るようにセットしようと思います。良い勉強になりました(普通は吊るすのでしょうけど、私的には置いて、出来れば持って塗りたいのです)。

fizik45 そしてアルミ製のステムです。車体(フォーク上部)とハンドルを繋ぐ部品ですね。

fizik46 元の値段(新品価格)はある程度知っているので、これを塗ろうとすれば普通の方はその金額にビックリするのは判らないでも無いのですが、一個だけの塗装では大量生産のそれとは全く違いますのでどうかご理解頂ければと思います。

fizik47ステムの塗装についてはお問合せは多いのですが前記した理由からご依頼に至るケースは稀で、ですので後日施工例として紹介させて頂こうと思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

fi’zi:kカーボンパーツ 本塗り

fizik15 先日サフェーサーを塗っておいたフィジークのカーボンシートポストです。その後熱を入れて完全硬化させましたので、ガイドコートを塗って研ぎ出します。

fizik16全体の表面は#600→#800の耐水ペーパーを使い、細部には布状の研磨副資材(アシレックス)を使って研ぎ出します。

fizik17 ザラザラになっている個所はそのまま残しますので、ペーパーで傷が付かないようマスキングし直します。

fizik18サフェ研ぎが終わったらマスキングをやり直し、台にセットして本塗り準備完了です。

fizik19 ステム先端のパーツは先に裏側にベースコート(白)を塗り、それが乾いたらテープを使って台に固定します。

fizik20 同じくステム本体とシートポストもマスキングをやり直して台にセットしておきます。

fizik11塗装で入れるロゴに関しては、既存のロゴから採寸してデータ化してありますので、それを使ってカッティングプロッターでマスキングシートを作成します。

fizik21 こんな感じでマスキング用のシートが出来上がります。

fizik22 被塗面を脱脂し、本塗り開始です。まずはベースカラーとなる白を塗ります。

fizik23 テープフリーな状態になるまで乾燥させたら所定の位置出しを行い、先ほど用意してあったマスキングシートを貼り付けます。

fizik24 元々ロゴがあった位置などは大体忘れてしまっているのですが、例えば手前の小さい部品は「文字の下部がプレスラインに沿うように」といったメモを残しているのでそれが指針となります。

fizik25元々のロゴの位置は輪郭を基準にして測っていますが、マスキングシートを貼る場合には輪郭ギリギリと言う訳にはいきませんので、貼り付ける場所に合わせ余分を残してカットするようにします。

fizik26後は予め位置を出しておいたラインに合わせてマスキングシートを貼ります。

fizik27 ブレーキキャリパーなどであればロゴを入れる面は決まっているのでそんなに難しくは無いのですが、今回のようにパイプ形状で、しかも微妙な位置に配置されていると結構厄介です(なぜか45度とか・・・)。

ハンドルはマスキングして残しているザラザラの部分に印があったので、それを利用してロゴの位置を合わせています。

fizik28 ロゴのマスキングシートを貼り終えたら全体を養生してそれぞれのベースコートを塗布します。

fizik29 今回はロゴの色をグレーメタリックと小豆色っぽいレッドの2色でご指定頂きました(2色目以降のご指定は別途追加費用が必要となります)。

fizik30 全体をチェックし、問題無ければクリアーを塗って本塗り完了です。

fizik31 ブツ切りの部分はクリアーを塗ったら直ぐに剥がして塗料が馴染むようにします。

fizik32 ステム先端のパーツは上下対称の形に見えましたが、裏側に微かに刻印があったので一応それを基に上下の方向は合わせています。

クリアーは裏側全面には塗っていませんが、フチまではしっかり掛かるようにしています。

fizik33 同じくカーボンハンドルもクリアーを塗ったら直ぐにブツ切り部分のマスキングを剥がしておきます。

fizik34 塗らなかった部分はザラザラとしていたので綺麗に塗り分けるのが難かったのですが、ベースコートの塗装が終わった時点で一度張り替えているのでガタガタも最小に抑えられていると思います。

fizik35後日熱を掛けて完全硬化させ、必要に応じて磨き処理を行って数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

fi’zi:k自転車パーツ サフェ入れ

fizikこちらもお待たせしております。昨年よりお預かりしておりますfi’zi:kのカーボンハンドル&カーボンシートポストです。

先日各ロゴの採寸~データ化が完了しましたので下地作業を開始しました。

fizik1 ステアリングは3か所に滑り止めのザラザラとした部分があり、そこは塗装しないようご指定承っておりますので、ペーパーが当たらないようにし、またサフェーサーも塗らないように致します。

fizik2 同じくシートポストも車体に挿さる部分には塗装を塗らないようにしますので、下地処理とサフェー入れは上の見える部分のみとなります。

fizik4 ただしサフェーサーをいきなりブツ切りにするとそこで激しい段差が出来てしまいますので、サフェーサーの見切りラインは本塗りのラインより少し上に、さらに端のテープを折り返してヒラヒラとするようにして段付きを緩和させます。ちょっと判り難いですかね。

fizik3 ステアリングの方も同様で、こちらの方が判り易いと思います。

この辺は自動車塗装では基本的な手法で、例えば12ミリ幅のマスキングテープの端3ミリくらいを内側に畳んで、粘着しない3ミリ幅の部分を作る、といった感じです。結果マスキングテープは6ミリ幅になります。説明が難しくてすいません・・・。

fizik5 さらにそれを2段階にし、サフェーサーを塗り重ねる毎に剥がして見切りの段差を滑らかにするようにします。

fizik9 一回目のテープを剥がした所がこんな感じです。この時点でサフェーサーは3コート塗っています。

fizik11 さらにサフェーサーを3コート塗り重ね、最後に本物のブツ切りラインのマスキングテープを剥がします。結構面倒な事をしていますが、こうしておけば最終ブツ切りラインに激しい段差が出来ないようになります(それでも本塗り自体がそこでブツ切りにするので多少は出来てしまいますが)。

fizik10 シートポストも同じようにして、本塗り時に見切るラインより少し上側でサフェーサーを塗り終わりました。後のサフェ研ぎでさらに滑らかに仕上げます。

fizik14 そしてこちらはステムです。

素材はアルミで、ロゴがプリントされていた個所をペーパーで研ぎ落とし、さらに全体をサンドブラストで処理します。

サンドブラストを使って処理する場合、メディア(研磨粒子)が当たる面の硬度が違うと切削具合が変わってしまい、ロゴの凸凹がそのまま残ってしまうからです。

後から処理しても構わないのですが、ブラストが当たると良く判らなくなってしまうので最初に行っています。

fizik8 そしてブラスト作業が完了です。

ちなみに全体の艶消し黒の部分は塗装で、艶のある四角い部分とロゴの個所はアルマイトっぽい仕上げでした。一体どういう製造工程なんでしょう・・・(そう言えば以前施工したアルミタワーバーに入ったロゴも同じようでした)。

fizik6 その後リン酸処理を行い、各部を清掃、マスキングをして台にセットします。

fizik7 こちらは裏表塗りたいので針金で吊るしました。ただブラブラするのが嫌なので、最初は置いて裏側を先に塗っています。

fizik12そしてプライマーを塗って完了です。こちらはサフェーサーは塗りません。

またフォークに固定する部分(画面だと上側)については塗装はせず、サンドブラストも当てないようにしています。恐らくここを塗るとシャフトに入らなくなる可能性があって、以前施工したチネリのステムも同様にしています。

fizik13同じくこちらの部品もプライマーを塗って下塗り完了です。

本塗りではベースコート(色)は裏表共に塗りますが、クリアーを塗る時には裏側を台に固定し、クリアーは表面のみの塗装とする予定です。

それでは作業進行次第また紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

fi’zi:k自転車パーツ 作業前準備

fizikこちらも大変お待たせしております。fi’zi:kのステムとカーボン製ハンドル&シートポストです。

fizik11今回はそれぞれのパーツにあるロゴの復元(再塗装)もご指定頂いておりますので、まずは既存のロゴを計測し、それぞれをデータ化していきます。

また今回は実作業が来年からとなりますので、多分休みの内に記憶が薄れてしまっていると思いますので、判り易いよう色分けなどについても記載しておきました。

fizik16先ほど作成したデータをプリントアウトし、

fizik12今度はロゴの位置を測っておきます。

この時の作業は現物を撮影した物を先ほどのIllustratorなるソフトに取り込んでロゴを配置したりもしますが(マイクの場合はほぼこれですね)、今回は直接紙に記していきます。

fizik13ロゴの位置は何かしら起点となる個所が必要で、 それらを決めつつそこからの距離で配置を数値化していきます。

fizik14 シートポストのロゴは場所が微妙(斜め!)だったのですが、幸いにしてカーボンの継ぎ目?のラインが下側の塗らない部分(フレームに挿さる部分)まで通っているので、これを起点に位置を測っておきます。

ちなみにフレームから見える部分はサフェーサーが塗られるのでこのラインも見えなくなります。

fizik15実際に作業が始まるとロゴは消えてしまいますので、頼れるところは撮影した画像やこういったメモのみとなります。数日経てば記憶も無くなってしまいますので(新しく入って来る情報に押し出されてしまうのです・・・)、とにかく後で見ても分かるようにしておいています。

実作業は年が明けてからになるかと思いますが、作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

fi’zi:k自転車パーツ塗装承ってます

fizik先日到着しておりましたイタリアのメーカーfi’zi:kのカーボンパーツ一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

部品は全部で3点、分解して塗装するパーツ数としては合計4点となります。

内容が少々複雑ですのでそれぞれ分けてご案内いたしますね。

fizik8 ベースカラーの色はこちらのマツダ「アークティックホワイト」(カラーコード:A4D)となります。仕上げは全て艶あり、クリスタルクリアーの仕様となります。

fizik9 「fi’zi:k」のロゴは、「fi’zi」までの5文字をこちらのマツダ「チタニウムグレイメタリック」(カラーコード:25G)で、

fizik10「fi’zi:k」の「:k」の部分はこちらのマツダ「クラシックレッド」(カラーコード:A3E)で承っております。

fizik1 ハンドルについては、テープが貼ってある三カ所にはザラザラとした加工が施してあって、その部分はマスキングをして最後まで残す形となります。それ以外の部分をホワイトに、そして下地処理として「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業も行います。

fizik2 ロゴについてはこちらの「:k」をクラシックレッドの塗装で再現します。画像は真上から撮影していて、これと同じようなサイズと位置にします。

fizik3 ステムも同じくベースカラーをホワイトに、ロゴは「fi’zi」の部分をチタングレー、「:k」をクラシックレッドとします。

尚画像はステムを右横から見たような状態で、自転車の前方が画面右側、少し前屈みになっています。

fizik4 反対側はこのようにロゴが逆を向くようになっていて、こちらはロゴを無くしてしまいます。また細かいロゴについても全面ともすべて消す仕上りとなります。

下地処理としては全体にサンドブラストを掛けてプライマーを塗ります。

fizik5 こちらは先ほどのステムから外した部品で、フロントから見るとこのような状態になるかと思われます。

こちらのロゴも「fi’zi」の部分をチタングレー、「:k」をクラシックレッドとします。

fizik6 シートポストについては車体フレームに刺さる部分は塗らないようにし、ベースカラーは同じくホワイト、fi’zi:kのロゴも同じように「fi’zi」の部分をチタングレー、「:k」をクラシックレッドの2色で塗り分けます。

fizik7シートポストの塗らない部分については予めオーナー様に印を付けて頂きまして、具体的には白いラインから約45.5ミリの位置で塗り分けます。右側は塗らない方で左側が白くなります。

作業着手はまだ少し先になりますが、まずは各部のロゴのサイズや位置を採寸し、それを数値化してからの下地処理となります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!