ポルシェ「CS」エンブレム塗装 完成

先日本塗りを終えていた、アクリル板を切り出して作成していたポルシェ「CS」エンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておき、最後に両面テープを貼り付けます。

元々のサイズから1mm小さくオフセットしたデータを作成し、

レーザー加工機を使って両面テープをカットします。

本来なら50mm幅の両面テープを使いたい所ですが、一般的なそれはレーザーで焼き切ると断面が炭化して煤が残ってしまう為、熱可塑性タイプのこの製品(30mm幅)を利用するしか無い状態です。もし50mm幅でこちらのようにレーザーで綺麗に切れる製品をご存じの方は是非ご教示頂ければ幸いです。

カットした両面テープを貼り付けます。少しでもズレてくっ付くと作り直しになるので、石鹸水を塗った状態で位置を微調整します。

その後よく乾かしておきます。

よくありがちな両面テープの作り方としては、エンブレムにそのままベタッと両面テープを貼り枠に沿ってカッターで切っていく方法ですが、それだとエンブレムと両面テープの輪郭が同じ位置になってしまう為、隙間からそれが見えてとても格好悪くなってしまいます。

ちなみに以前はこのオフセットサイズの両面テープ作成を手作業で行っていましたが、その後レーザー加工機を導入してからは量産品のような品質で制作する事が可能になりました。「手作り感」を払拭したい今の塗装には、これがとても合っていると思っています。

そして台紙を貼り付けて完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々は今回塗装した物は存在していなく、画像下にある小さくて丸味のあった「CS」のエンブレムを基に、画像上の「RS」のサイズと形状に似せた物をアクリル板から切り出して作成しています。

ただカットしたそのままでは明らかに手作りっぽいので、「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業で下地を整え、

その上で艶消し黒の塗装を施しています。

輪郭の形状は下段の小さい「CS」を基にし、

フラットなフォルムは上段の「RS」を参考にしています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

メーカーの開発の方が「こんなのあったっけ・・・?」と思って頂ければ塗装屋としては一番嬉しい限りです。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き有難うございました!

ポルシェ「CS」エンブレム 本塗り

先日下準備を行っていた、アクリル板から切り出して作成したポルシェ「CS」エンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

#800の水研ぎで肌とラインを整え、布状研磨副資材(アシレックスレモン)、#1500の水研ぎでペーパー目を均します。

角は見本となる「RS」のエンブレムを参考に面取りを行っています。

台にセットして本塗り準備完了です。

一部素地が露出した箇所もあるので、念の為プラスチックプライマーを塗布しておきます。

そしてベースコートを塗布します。

このままでも艶消しっぽい状態ですが、強度的には缶スプレー(ラッカー)とさほど変わらない為、

最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

隙間から見ても大丈夫なよう、裏側まで回り込むようにして塗っています。

その後時間が経過するにつれて艶が消えていきます。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

さらにこの後には、一回り小さい両面テープを作成し、そちらを貼り付けておくようにします。以前行ったtodayエンブレムの時のような感じですね。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ「CS」エンブレム 下準備

先日レーザー加工機でカットしたアクリル樹脂製の「CS」エンブレムと、最初に見本としてお預かりしておりましたポルシェ純正エンブレムです。

レーザーでカットしただけでも使えそうな感じがしますが、

実際には断面はガタガタになっていて、またエッジが少し立った状態になっているので、

全体を研磨して均します。

力を加えると折れてしまいそうなので、その辺に注意して作業を行っています(どうせなら2個作れば良かったと後悔しています)。

純正の「RS」のエンブレムを参考に、側面に傾斜を付けてテーパー状にし、角を面取りしてあります。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布します。

続けてサーフェサーを塗布します。

レーザー彫刻した箇所は表面がガタガタで、しかもスプレーではサフェが入り難かった為、1コート目が終わった時点で筆挿しをして埋めてあります。

この後はいつもの様に一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ「CS」エンブレム制作&塗装承ってます

先日到着しておりましたポルシェ純正エンブレムです。こちらのオーナー様は以前より色々な物でご依頼頂いている方で、最近だとポルシェブレンボキャリパーの塗装を承っています。この度もご贔屓頂き誠に有難うございます!

今回はこれらを塗るのではなく、これらを参考にして新たにエンブレムを作成し、それを艶消し黒に塗装する内容となります。

判り易いようオーナー様から頂いた画像を含めて紹介します。

現在着いているエンジンフードのエンブレムですが、どうやらこういった組み合わせは通常存在はしていないらしく(詳しく無くてすいません・・・)、

「Carrera」のエンブレムに対して「CS」のエンブレムが小さい為、大きいCSのエンブレムを新たに作ってしまおう!という内容となります。

先ほどの画像にあった車体に貼ってあったエンブレムがこちらで、大きさが小さいのもそうですが、線が細く、また丸味を帯びた形状になっています。

この書体(輪郭)をそのままに、

こちらの一回り大きいRSのエンブレムにサイズを合わせ、また形状もこれと同じ様に平面的に仕上げます。とは言っても単純に平面では無く、若干のテーパーと、角は若干丸味があり、またRとS(造るのはCとS)の間で一段低くなっています。

作業工程としては、


・小さい「CS」のロゴをトレースしてベクターデータを作成

・それを「RS」のサイズに合わせて拡大、調整

・大きいサイズにした「CS」のデータから、既存のエンブレムと同じ3mm厚のアクリル板をレーザー加工機でカット

・カットして出来た「CS」のアクリル板を、見本と同じ様に成型(CとSの間の凹みを再現し、角に丸味を帯びさせる)

・「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」

・本塗り(艶消し黒を想定しています)


といった内容を想定しています。レーザーでカットして塗るだけならサフェは要らないのですが、結構微妙な形なので細かいラインの成型が必用ですね。

参考までに今までに施工した似たな案件を紹介します。

今回はこちらの内容に近いですね。

「C」と「S」の間はヤスリで削ろうと思っていましたが、そこもデータで作ってレーザー彫刻である程度削った方が綺麗に仕上がるかもですね。もしかしたらサフェも無しで行けるかも知れません。

他にはBMWのエンブレムも作成した事がありました。レーザーでカットしたMDFをベースにしてそれを成型し、シリコーンで型を取って樹脂を流し込んで作っています。こちらのタグ→から全体の記事が確認出来ますので宜しければご参照くださいませ。

自動車業界から離れてしまったので全く詳しくないのですが、きっと知っている人がそのエンブレムを見ると二度見して驚くような意味があるのだと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!