銅製エフェクトマイク塗装 完成

 先日本塗りを終えていたボディが銅製のエフェクトマイクです。その後熱を掛け、安全な場所で寝かしておきました。

 付属していた部品を元の通りに組み付けします。

 外した端子は予めつけておいた印を見ながら元の位置に取り付けます。

 ステーも組付けて各部を清掃し、

 そして完成です。大変長らくお待たせしました!

最初の状態も紹介させて頂きます。

 元々は銅の素地にクリアーが塗られた状態で、

それを剥がしてプライマー→サーフェサーを塗って表面を平滑に研磨し、

ファイアーパターンのデータとマスキングシートを作成し、

 一旦全面を艶あり黒に仕上げた上で、艶消しクリアーをファイアーパターンの柄に塗装しました。

 パッと見は目立たなく地味なのですが、オーナー様は既に派手なファイアーパターン色の楽器をお持ちとの事で、今回は敢えてこのようにご希望されました。

 密着剤などは使わず、各工程でしっかり足付け処理を行ってから塗装をしていますので、自転車フレームの塗装のように経年でクリアーだけがペリペリと塗装が剥がれてくるような事もありません(フェザーエッジも綺麗に出せます)。

マイク側が艶消し、

コネクター側が艶ありの黒になっています。

 ストロボを使った撮影もしてみましたが、艶消しと艶ありの差が判り難かったので今回は自然光をメインに撮影しました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

銅製エフェクトマイク 本塗り

 先日「艶あり黒」の下塗りを行っておいたボディが銅製のエフェクトマイクです。

 これに今度は「艶消し黒」でファイアーパターンの塗装を行う為、各部品を仮合わせします。

 マスキングシートは予め円周に合わせてデータを作成しておきました。細い本体と、太いカバーに合わせてサイズ(横比率)を変えています。

 この時点では足付け処理は行わず、塗装面にそのままマスキングシートを貼ります。柄がズレないようアプリケーションシート(透明な弱粘着シート)を貼り、石鹸水を使って貼り付けます。

 それに合わせ、横幅が大きくなったカバーの方(画面下マイク側)にマスキングシートを貼ります。

 位置がズレないようネジも仮止めしています。

 マスキングシートの継ぎ目は若干隙間があるので、それに合わせて下側のマスキングシートも修正して作成しました。

 マスキングシートの位置が決まったら蓋を取り外し、合わせ面や断面などをマスキングします。

 このままでは塗装は密着しないので、

 足付け処理を行います。ブツが着いていた部分は#1500で研磨し、全体を#1300相当(アシレックスオレンジ)で空研ぎします。

ただしこれだけではマスキング際の足付け処理が甘いので、

 さらにナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状の研磨剤)を使ってフチまでしっかり足付け処理を行います。

 水で洗い流すとフチまでしっかり親水になっているのが判ると思います。

 その後しっかり清掃し、台にセットして本塗り準備完了です。

 方向に気を付けて脱脂清掃を行います(逆目にするとウェスの毛が断面の粘着部に着いてしまう為)。

 ベースコート(ベースクリアー)は塗らず、直接トップコート(2液ウレタン艶消しクリアー)を塗る為、ハジキが出ないようしっかり脱脂清掃を行います。

 そして艶消しクリアーを塗り、直ぐにマスキングシートを剥がします。

 その後時間が経つと艶が消えていき、本塗り完了です。お待たせしました!

事前に行ったテストでは、ぶつ切りにした艶消しクリアーの段差が激しかったので、

今回はそうならないよう希釈率を少し上げて、スプレーガンも口径1.0mmから0.5mmに変更しました。また二回目のクリアー塗装後直ぐにマスキングシートを剥がしています。

 どうしてもブツ切りの段差は残りますが、事前に行ったテストに比べると断然良くなったと思います。

 尚こちらはマイク側で、反対側のコネクター側にはファイアーパターンが届かないので艶あり黒のままとなります(ですので今回は塗っていません)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。組付け作業もあるのでまだもう少し時間が掛かるかと思いますが、どうぞもう少々お待ちくださいませ!

銅製エフェクトマイク 下塗り

 先日ファイアーパターンのロゴを筐体に合わせデータを修正していた、ボディが銅製のエフェクトマイクです。

 本体の筒に両側のカバーが被さる構造になっていて、クリアーまで塗るとそれらが入らなくなってしまう為(強引にやれば入らない事は無いですが凄い事になってしまいます)、その部分はベースコート(黒)だけにするようマスキングシートを作成しました。

 各パーツを分解した状態で台にセットします。

 本体は素地が露出した箇所があるので、

 スポット的にプライマーを塗布します。

 続けてベースコートの黒を塗り、

 蓋が被さる部分にマスキングシートを貼り付けます。

 そしてクリアーを塗り、マスキングテープを剥がします。

 この後ファイアーパターンの本塗りがあるので、その際にはまた傷が付いてしまう事になりますが、何もしないよりは良いと思いこうしています。

 また完全にピッタリでは無く、クリアーに塗った部分が少し蓋に入るようにしています(装着した状態で境界線が見えるようにしています)。

 現状は艶あり黒に塗った状態ですが、この後ファイアーパターンのマスキングをし、足付け処理もして、艶消しクリアーを塗る事となります。本番はまだこれからですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

銅製エフェクトマイク マスキングデータ作成

 先日下準備を行っていた、ファイアーパターンの塗装でご依頼頂いているボディが銅製のエフェクトマイクです。その後熱を入れてサフェを硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 先にマスキング用のデータを作成しようと思っていたのですが、サフェの厚みで寸法が変わってしまう為、先に研ぎを終わらせておく事にしました。

 サフェ研ぎ後、仮組みも行っておきました。本体と蓋とのクリアランスはかなり狭く、クリアーまで塗ると蓋が被さらない事が判り、この状態で塗るか、または重なる部分はマスキングをして行う事になるかと思います。

最初に紹介した完成イメージのイラストも記載しますね。

画像左側のマイク部分が艶消し黒、アダプターを差し込む画面左側(後方)が艶あり黒となります。

ファイアーパターン塗装の場合、2~3mm幅のラインテープをフリーハンドで貼っていくか、または全面にマスキングテープを貼ってカッターで柄の形を切っていく方法がありますが、今回は「これに合わせてマスキングシートを作る」と言う方法で行います。

 と言う訳で、まずはマスキングシートのデータ作成を行います。

まずは本体側、細い方からです。

本体の直径から外周の長さを求め、まずは予め作成しておいたデータからざっくり切り取ります。

 違和感が無いかを確認します。

 当然ですが、そのままでは繫がる部分はこんな感じで全く合わない状態です。

 それを調整しながら、このような感じでファイアーパターンが繋がるようにします。

ただ同じようなパターンが連続してしまったので、この後デザイン自体を修正しました。

 本体のファイアーパターンが決まったら、次は蓋部分のデータとなります。当然ですが外周が変わるのでそのままのデザインは使えません。

 一回り大きい蓋の直径から外周を求め、それに合わせてデータを拡大します。画面上だとX軸はそのままに、Y軸の値のみを大きくしています。

こういうのがアナログデータだったら凄く大変な筈ですが、数値の変更だけで出来るベクトルデータでの作業はとても助かります。

 とは言っても実際に行うのは現場作業(塗装)なので、何度もトライ&エラーを繰り返してはいます。

 そして完成です。つなぎ目部分もピッタリに処理し、またファイアーパターンもデザインを変更して隣同士が重ならないようにしました。

 先ほどの画像から120度回した状態です。

基本的には繰り返しのパターンですが、どれも微妙に違うデザインになっています(エンドレス柄では無く、一つ一つペンツールで描いています)。

さらに先ほどの状態から120度回した状態です。

黒い部分(マイク側)が艶消し黒、白い部分(コネクター側)が艶あり黒になる予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

銅製エフェクトマイク 下準備

 先日お預かりしておりましたファイアーパターンの塗装でご依頼頂いているボディが銅製のエフェクトマイクです。

 状態としてはクリアーが塗ってあって、素地の銅には意匠の為か皺の凸凹があるので、まず上塗りの前にこれを平滑にします。

 本体の方も細かい凸凹があるので同じように研磨します。

 #120のダブルアクションサンダーで表面を研磨し、#180で均します。

 側面や穴の内の断面にもペーパーを掛けておきます。

 よく脱脂清掃し、マスキングをして台にセットします。

 まずはプライマーを塗布します。

 続けてサーフェサーを塗布します。

ボディに被さる箇所はサフェを薄く塗っておきましたが、それでも元々キツイくらいだったので結局削り落してしまうかも知れません。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

ファイアーパターンについては基となる平面的なデータを作ってありますが、今回はそれを一周して繫がるようにしなければなりませんので、その部分の調整や、本体と蓋との外周の違いなどもデータの調整を行います(または繫がる部分はフリーハンドでのマスキングにするかも知れません)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!