フィアットテールランプ オレンジキャンディー塗装

先日下準備をしておいたフィアットの純正テールランプです。

最終的にはこのようにレッド+オレンジ+スモークとなりますが、これらを一度には出来ないので、まずはウィンカー部分を透過性のオレンジに塗装します。

またオレンジとレッドは重なる部分がある為、それ用に0.5mmサイズを大きくしたマスキングシートを用意しています。

その0.5mm大きくしたマスキングシートの、まずはガイド用のそれを貼ります。位置を調整出来るよう水を使っています。

それに合わせて雌型のマスキングシートを貼ります。

ガイド用として貼った雄型のマスキングシートを剥がします。わざわざこうしているのは位置を出し易いようにです。

オレンジに塗る箇所以外をマスキングし、最終脱脂処理をしたらプラスチックプライマーを塗布します。

続けて「イエロー:オレンジ=5:1」にしたキャンディーカラー(ベースコート)を塗布します。

画像だとイエローにしか見えませんが、これを塗り重ねていくと・・・、

鮮やかなオレンジになります。

場合によってはさらにオレンジを足して赤味を強くさせますが、レッド&オレンジにする場合は敢えて黄色寄りのオレンジにしています。

現状赤味が足りないと感じていても以前から施工しているデータがありますので、私的にも安心して出来ている所があります。これを「長年の経験が」というと、どうしても記憶に頼っている感が否めませんので、私的にはそういう表現は控えるようにしています。思い込みは本当に恐ろしいです。

そして再びプラスチックプライマーを塗布し、最後にクリアーを塗って下塗り完了です!

ちなみに「クリアーを塗らず、オレンジを良く乾かしてからマスキングして、そのままレッド&スモークじゃ駄目なの?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが(もちろん出来ないことはありません)、今回塗っているオレンジにはハードナーを添加しているので、余り時間が経ちすぎるとその上に塗るクリアーが密着しなくなってしまいます。これは同じSTANDOXを使う知り合いの塗装屋さんから聞いた話ですが、「海外のTDSで、ハードナーを入れたベースコートの場合は、最高の接着を得る為に 20℃ 8時間以内と明記してある」という情報を頂いたので、それに倣うようにしています(ただし「日本のデータシートには書いてないので何が正しいのかは良く分かりません。」という後述もあるのですが)。TDS=テクニカルデータシート(使用説明書)の事です。

塗装の場合、「効果は良く判らなくてもとりあえずやっておいた方が良い」といった事が余りにも多く、普通は経験を積めばその分仕事も早くなる筈なのですが、そういった事から実際にはこれが全く逆になってしまいます。深く知れば知るほどそれらをやっておかないと気が済まなくなってしまうので、塗装屋(現場の人間)は貧乏暇なしを絵に描いたような終末が待っています。まあそれも塗装の楽しいところではあるのですが・・・。

この後は熱を掛けてしっかり塗膜を硬化させ、再び足付け処理を行ったら他のテールランプと共に本塗りを行います。作業進行しましたらまた紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!