SHURE SM58マイク(レッド&ブルー)本塗り

 先日お預かりしておりましたSHURE SM58ボーカルマイクです。マイク本体は#800相当で研磨し、グリルボールはウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで足付け処理を行っています。

マイク本体は3コートキャンディーカラーになるので、まずは適当なシルバー(具体的にはVWのリフレックスシルバー)で下地を隠ぺいし、その上に画像の粗目メタリック=STANDOX原色 MIX598をコートしています。MIX598は隠ぺい力が弱く、かといってコート数を増やすと塗膜の強度が落ちる為、下塗りを行う事でこれらのデメリットを無くしています。

グリルはメッシュ部を黒で御指定頂いておりますので、まずは全体にベースコートの黒を塗布し、

それが乾燥したらグリル中央のリングを残してマスキングを行い、

マイク本体と同じく粗目のメタリックシルバーで塗装し、

その上に透過性の青=ブルーキャンディー(ハウスオブカラーKK-13 BURPLE) を重ねます。

マイク本体は透過性の赤→紫→青でグラデーションさせます。

本来ならここでロゴ入れ=デカール貼りを行うのですが、丁度ロゴを入れる位置がグラデーションが集中する箇所になって塗装の肌が荒れ気味なので、

一旦トップコート=クリアーまで終わらせる事にしました。

デカールを貼る部分は素地がフラットじゃないとシルバリング(デカールと塗装面との間に隙間が出来る、所謂「密着不良」)を起こしてしまう可能性があり、かといってここでベースクリアーをウェットに塗るとグラデーションさせた箇所の粒子が泳ぐ(戻りムラ)事も考えられ、そうなると全てが台無しになってしまいますから、安全策として一旦トップコートを塗って終わらせる事にしました。

この後は熱を入れて完全硬化させ、再度足付け処理を行い、ベースクリアー塗布→デカール貼り→トップコートクリアーといった塗装を行う予定です。車の塗装屋さんからするとかなり面倒臭そうない事をしている(こんな事をして採算が合うのか)と思われそうですが、場所を取らなく、また納期も気にず、さらには熱を入れるのも他の被塗物と一緒に恒温機に入れて出来るので、2度塗り~3度塗りでもそんなに苦では無くなりました。ただこれは都から借りたお金の返済が終わったというのが一番大きいかも知れませんが。

グリルボールはこちらで完了です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!