SPENGLEカーボンホイール×2 本塗り

spengle11こちらもお待たせしました!下地作業は随分長くなりましたがようやく本塗りまで来ました。いやはや当初予定していたよりも随分と大変な作業になってしまいましたがお陰でヒビ一つ無い状態に到達致しました。

画像はサフェ研ぎの作業で、下地処理でもここが一番重要ですから時間も掛かるところです。とにかくペーパーの番手を沢山使いますからね。

spengle9 本塗りの時はブースの天井からぶら下げて塗ろうかと思いましたが、これだと安定しないので結局サフェーサーの時と同じく鉄棒を通して塗る事にしました。何を勘違いしていたんでしょうか。

spengle10 ベースコートの黒を塗ったら「3分艶」のクリアーを塗ります。当初は「半艶」を予定していましたが、元の状態からすると半艶はちょっと艶があり過ぎてどうもインチキ臭い気がしたので、艶消しと半艶の間をとって今回は3分艶としました。

画像はクリアーが塗り終わった状態で、この光景はいつも通りですね。ここから徐々に艶が消えていきます。

それでは完成までもう少々お待ち下さいませ!

SPENGLEカーボンホイール サフェ入れ

本件とは全く関係ありませんが「超伝導」がいよいよ実用化されるみたいです。マイナス200℃の低温じゃないと成り立たないなんてとても使い物にならないんじゃ無いかと思っていましたが、まさか車のエンジンルーム内でこれを実現するなんて・・・。是非今後に期待したいところです。

spengle7 で、問題の(笑)カーボンホイールです。ようやく形が整って来ました。

再度マスキングをし直していよいよ下地塗装の最後「サフェーサー」の塗布となります。

spengle8ここまでの工程を整理しますと、

旧塗膜(割れたパテ)研磨除去→エポキシサフェーサー塗布→完全硬化→研磨→スプレーパテ(ポリパテ)塗布→完全硬化→研磨→ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化

といった内容で、どれも下地用の塗料となりますが使用している「樹脂」はどれも違う種類の物なのが解かると思います。

「エポキシ」→「ポリエステル」→「ウレタン」

といった感じで、それぞれの樹脂の特徴を活用した下地のお手本通りの使い方ですかね。ちなみにエポキシの特徴としてはまさに強固な塗膜形成(結合)ではありますが、一般的なエポキシ樹脂は紫外線に非常に弱いという性質があるので実は下地での使用しか向きません。

これに似た樹脂としては日本に古来からある天然樹脂の「漆」で、とても丈夫な樹脂である反面エポキシ同様紫外線に弱いので紫外線下では劣化が早いです。長い間土の中に埋まっていた漆器が当時のままの形や色で残っていたりするのはこういう事ですね。酸やアルカリ、熱や湿気には強いのです。

SPENGLEカーボンホイール 下塗り②

spengle6先日塗っておいたエポキシサフェーサーが硬化した状態です。

ひび割れていたパテは全て削り落としていますが、それによってラインはかなり崩れてしまっていますからここからはパテで整えていきます。スポークの根元部分は特にひどくなっているのが解かると思います。

ただホイール全体にパテをヘラで付けるとなると今度は研ぎの作業が大変な事になりますので、今回のような場合は「スプレーパテ」が有効です。これはその名の通りスプレーで吹き付けるパテの事ですね。

spengle4 全体的に表面を軽く研磨して足付け処理をしておいたらマスキングをし直してスプレーパテの準備をします。もちろん良く脱脂もですね。

spengle5そして全体にパテをスプレーします。見た目はサフェーサーと変わりありませんがそれとは全く違って、これは純粋にパテですので樹脂分もポリエステルになります。スタンドックスはこういったスプレーパテも補修システムの中に入っているのです。材料はちょっと高価ですがこれの便利さは一度使うと手放せません。

画像は既に塗り終わった状態でリム部のマスキングテープも剥がしてあります。ちなみにこういった下地の塗装時には見切りラインギリギリでマスキングをするのでは無く、丁度良さそうな「山」のライン部分で見切るのが基本です。この時点でマスキングの段差が出来ても山になったラインの頂点なら研いで平滑にするのが楽ですからね。塗装の基本です。

これで下地の塗装は二回目ですが、まだサフェーサーを塗っていませんのでここからまだもう一回同じような作業があります。その都度「研ぎ」の作業もありますし(これを研ぐのが一番大変です・・・)マスキングも張り直す必要もありますから、下地作業は地味な上に結構大変な作業になります。

が、塗装作業の殆どはこういった下地作業ばかりなので実際にはそんなに苦では無かったりします。手を掛ければ掛ける程良くなっていくのが目で見て解かるので、その点は本塗りよりもこういった下地作業の方が実は楽しかったりするのです。

SPENGLEカーボンホイール 下塗り

spengle2 先日旧塗膜と共に割れたポリパテを削り落としたSPENGLEのカーボンホイールです。

よく脱脂清掃したらリム部分のマスキングをし直して下塗りを行います。

spengle3元の通りにするならばパテを塗り直すところですが、またひび割れが再発する恐れがあるので一旦エポキシサフェーサーを塗って強固な下地を作っておく事にします。

本来であればさらに全体を繊維で覆ってエポキシ樹脂で固めてしまい所でもありますが、そんな事をすると元の形とは変わってしまいますし、掛かる費用も桁違いになってしまい現実的で無くなってしまいますからね。

当初はこのままウェットオンウェットでスプレーパテを行おうとも思っていましたが、ちょっと無茶過ぎるところもあったので自重して一旦ここで止めて強制乾燥する事にしました。理論的には出来ない事は無いと思ったのですが硬化速度が違うとクラックの原因になりますので・・・(危)。

SPENGLEのカーボンホイール 下地処理

spengle

こちらも大分お待たせしておりました。SPENGLEなる自転車のホイール×2です。googleの画像検索してみたら色々出てきました。日本だとマイナーだけど有名なホイールみたいですね。

しかし油断していました。このホイール、損傷は小傷だけかと思っていたら素地が割れています(苦)。正確には割れているのは素材では無くその上に塗られたポリパテですね。よく勘違いされますがポリパテに強度はありません。単に形を成型するだけの物なのでこういった力の掛かる物に使われると良く割れているんです。FRP製の社外品自動車バンパーなどで良く見られますよね。

一度ひび割れた上にパテを盛ったりサフェーサーを塗っても全く意味がありませんので、割れた箇所のパテは素地のカーボン地まで削り落としてしまいます。こういった場合ではダブルアクションサンダーではなくギアーサンダーが便利ですね。シングルサンダーだと削り過ぎてしまうので危ないです。

うーん、なにか大変な予感が・・・。

spengle1ここで翌日(本日)に至ります。3本あるスポークの両端のストレスが掛かる箇所に盛られたパテは結局殆ど削り落とす事になりました。

このままパテを盛るのも芸が無いので、一旦エポキシ系のサフェーサーで下地を固めてから全体にパテを塗り直してラインを修整しようと思います。

ちなみにここまでの途中工程は大変過ぎて写真撮る暇もありませんでした・・・。