現在未だ作業が進行中のランドクルーザー用スマート―キーカバーです。
先日ロゴ入れ塗装のテストを行ったのですが、どうにも納得出来ない事だらけでしたので、改めて一からやり直す事にしました。
と言う訳で今回は新たにサフェーサー仕上げの高級色見本(笑)を用意しました。オーナー様からこちらのオーダーも入っていますので、テストを兼ねた本番みたいな感じです。
色自体はスマートキーカバーを塗った時の物を取ってありまして、トヨタ純正色「ホワイトパールクリスタルシャイン」(カラーコード:070)となります。
マスキングするのに色見本が安定しないので、端材をレーザーでカットしてジグを作成しました。
そしてこちらが今回使用するマスキングテープです。いつものマスキング用シートでは無く、普通の和紙タイプのマスキングテープをレーザーでカットしました。
レーザーでカットした理由は仕上り精度の問題で、ここまで小さい物をカッティングプロッターでカットしようとするのは難しいのです。勿論メーカーもここまでは保証していません。
レーザーの難しい所は台紙を切らずに残すところで、これの調整が気温にも左右されるのでかなり難しいのです。前回はこれが上手く行かず、今回使っている物も最初の頃(夏)に作った物です。
と言う訳で色見本に貼りました。冶具のお陰で安定性抜群です(クドイですか。笑)。
そしていよいよ本塗りで(ただしまだテストです)、前回上手く塗れなかった3コートSPFシルバーは同じ轍を踏まない様、その時の見本も用意して挑みます。
ちなみに手前のミニカー色見本と奥のLAND CRUISERの色が同じ色で、本来は真ん中の色見本と同じ濃さ(明るさ)にしたかったのですが、全然黒いのが判ると思います。使っているガンが違うので(最初は口径0.6mmのIWATAで、後がSATAの口径0.3mmです)、黒の上に塗ったSPFシルバーが全然足りなかったみたいなんですよね。
前回と同じく、塗っている加減が判るよう色見本も用意しました。
そして前回は「SPFシルバー:バインダー(樹脂)」=1:15の割合だったの物を、今回は1:4まで濃くしました。ロゴは輪郭を綺麗に仕上げたいので極力膜厚を薄くするよう含有量を上げてコート数を少なくする作戦です。
ただしSPFシルバーの含有量が濃いと上の画像のように「ダマ」が目立ちますから、本来はこうならないよう樹脂で薄めてコート数を増やしてメタル目を均一に細かく並べていく必要があります。今回はロゴの線自体は1ミリも無い程細いのでこれは判りませんから問題はありません。
ちなみにテールランプのスモーク塗装を一日掛かりで行うのはこういう事で、コート数を減らして楽をしようとするとムラとダマが目立ってしまうという訳です。
こちらも下色に黒を塗り、続けて「SPFシルバー:樹脂」=「1:4」を塗布します。それぞれドライコートで2コートずつにしました。
イメージとしては、右奥のホワイトパールをベースに、左手前のブラックメタリックがロゴで入るという感じです。
再び工場の二階に戻ってマスキングテープを剥がしてみました。文字一個辺り2ミリちょっとですが、まるで印刷のよう!と言うくらい綺麗に出来ているのが判ると思います。しかも3コートでです(クリアーはまですが)。
こちらが前回カッティングプロッターでカットしたマスキングシートを使った方です。文字の線にバラつきがあるのが判ると思います。と言っても普通はここまで寄っては見ないのでそんなに粗には気づかないんですけどね。それよりも色が黒過ぎてメタル感は殆ど感じられません。
こちらが今回のレーザーでカットしたマスキングテープを使った方です。全然違いますよね。
ちなみに色味ですが、光が当たるとSPFシルバーが輝くので淡く見えますが、
少し角度を付けると下色の黒が透けるのでこのようにクッキリします。これが3次元的な形だと金属っぽく見えるのですが、今回のような細い線だとそれが表現し難いので、メタリックは少し強調し過ぎるくらいのこの程度で行こうと思っています。
その後クリアーも塗りまして、スマートキーカバーの前にまずは色見本キーホルダーの方は本塗り完了となります。
と言う訳でようやくここで目途が立ちましたて、タイミングが合えば年内には本塗りを行いたいと思います。ただその後にトヨタ極小エンブレムのレジン埋め込みなどもありますので、完成はもう少し先になるかと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!