先日カーボンデカールを貼ったルーフの研ぎ作業を行っておいたBMW1/18ミニカーです。
カーボンのルーフ部には色を塗らないようにする為マスキングし、その両サイドにあるルーフモールには黒を塗ります。
若干ですがカーブになっているのでフチは1mm幅のマスキングテープを使います(テープ幅が細いと曲線の内側が浮き難くなる為)。
よく脱脂清掃し、エアーブローを行ったら本塗り準備完了です。
各部には固まった接着剤を除去する為に研磨してアルミ素地が露出していある個所があり、
そのまま上塗りを行うとトラブル(剥離・腐食・ブリスターの発生)が生じますから、
それらの箇所にはプライマーを塗っておきます。細かい所を繋ぎ合わせていたら結局全体に塗る事になったという感じですね。
その他の外装パーツも
肌調整の際にエッジ部などが露出しているので、
こちらにもプライマーを塗っておきます。
プライマーで肌が荒れたり艶引けしたりするのは嫌なので、揮発の遅いシンナーで希釈し、口径の小さいガン(0.6mm)を使用しています。
ミラー等のパーツにはプラスチックプライマーを塗布しておきます。
まずはルーフモールとウィンドモール部にベースコートの黒を塗布します。
ベースコートにも口径は小さめの0.6mmを使用しています。
続けてバンパーロア部を塗装します。
この時点で色が他に飛ぶのは問題が無く、ただ最初に塗ったルーフモールとウィンドモールにグレーシルバーが飛ばないよう紙を貼っています。
ベースコートが乾いたらマスキングを行います。こちらも1mm幅のマスキングテープを使い、その後6mm幅、12mm幅で空いたスペースを埋めていきます。
リヤバンパーロア部は塗り分けラインが曲線になっていて、「山」のラインは良いのですが、「谷」のラインは1mm幅のマスキングテープを使っても綺麗に貼れないので(内側が浮くので)、こちらは二回に別けて行います。
空いたスペースをしっかり塞ぎ、
続けてボディカラーの塗装を行います。
色はBMW純正のカーボンブラック(カラーコード:416)となります。
カーボンブラックの配合データは幾つかの種類があって、その中でも最もメタリック粒子感の小さい物を選びました。実車に比べて車体が小さくなっている分メタリック粒子も小さくしつつ、正規の配合データを採用するという感じですね。
ぱっと見は黒に見えますが、光に当たるとブルーパールが効いて青味が出る塗色となります。
元々あった肌はしっかり当て板を使って研いで凸凹を無くしています。
そしてバンパーロア部の修正です。
最初のマスキングでどうしても上手く出来ない「谷」のラインを、今度は逆から「山」のラインとしてマスキングをして塗る事で綺麗で自然な曲線ラインに塗装します。尚、ベースカラーは全体には塗らず部分的なスプレーで行うので、最初に塗った仕上がったラインを崩す事はありません。
マスキングを剥がし、各部をチェックします。
カーボンブラックが濃色系なので判り難いですが、ルーフサイドモールとウィンドモール(窓枠)が黒に塗られています。
これでベースコートは完了です。
そしてデカール貼りです。
実車であればクリアーを塗った最後にこれらエンブレムを貼る事になりますが、ミニカー等に使われているデカールはそれ単体では耐久性が無いので、クリアーを塗る前に貼っておきます。
幸いにして今回はサイズの近いプラモデル用のデカールが入手出来たのでそちらを利用します。
水に浸して台紙からデカールを剥がし、専用の接着剤を使って貼り付けます。
左右フロントフェンダーにあるMのエンブレムは、
元々のサイズは今回用意したデカールの小さい方と大きい方の真ん中くらいで、当初はこの小さい方を使おうと思いましたが、
実際に貼ってみると大きい方が良かったのでこちらを採用する事にしました。
反対側です。一気に格好良くなりますね。
そしてリヤエンブレムです。こちらもデカールは入手したのですが、元々貼ってあったM850iのエンブレムに比べてサイズが大き過ぎるので、
元々貼ってあった物と、切れてしまった箇所の代わりに新たに用意したMのエンブレムを組み合わせて、
同じような感じに再現しました。
反対側にあった「Xdrive」のロゴは、
剥がした際にベースの黒い部分が破れてしまったので、当初はそれを別のデカールで作成して再現しようと思っていましたが、
今回のボディーカラーが黒系なので殆どそれが判りませんから、むしろ余分を切ってしまい、
文字だけにして貼り付けました。
トランクバッジはボンネットと同様、新たに入手したデカールを使用しています。
尚、ナンバープレートは別体となるのでそちらは後で作業するようにします。
再びブースに戻り、よくエアーブローして埃を飛ばします。
クリアーに使うスプレーガンは口径0.5mmのタイプで、前回の空冷ビートルの塗装にも使った物ですね。エアーブラシのような微粒子化で、且つスプレーパターンが平吹きに出来るちょっと特殊なタイプです(自動車補修塗装で使うような場面は無いガンです)。
再利用するデカールは流石に怖いので、通常は行わないドライコートを行って様子を見ながら歩を進め、
問題無さそうならいつも通りウェットに2コートクリアーを塗って本塗り完了です。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
各エンブレムも良い感じに再現出来て良かったです。
極力肌が残らないようハードナー、シンナーは遅めのタイプを使用し、
フチに溜らないよう注意して塗るようにしました。
ドアアウターハンドルです。
こちらはドアミラーです。
残るはリヤのリフレクターレンズの透過性赤塗装と前後ナンバープレートの作成、左右フロントフェンダーダクトの艶消し黒塗装ですね。それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!