アウディTTミラーカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたアウディTTのドアミラーカバー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は艶のあるシルバーだった物を、

「白に近いシルバー(マット) 白銀色に」との事で、それらしい色を色見本帳から選び、

 艶消しクリアーで仕上げました。

 一部深い飛び石傷は簡易的な補修(ラッカーパテ)で行いましたが、殆ど判らない仕上りになっていると思います(余り使わないで判りませんでしたが、艶ありよりも艶消しの方が判り難いみたいですね)。

 レンズを変えて撮影してみました(20mm→40mmに)。

仕事で使っているカメラは古いのでISOは余り上げられず(250で固定です)、ただ暈して誤魔化したくは無いので被写界深度は出来るだけ浅くしないよう、シャッタースピードは20mmレンズで1/20~1/25、40mmは1/30~1/50といった感じで撮影しています。自作したスタジオでストロボを使って撮影すれば手持ちでもF16以上で撮れるのですが、なんだか実物以上に綺麗に撮れてしまう事があるので最近は殆ど使っていません。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度もご贔屓頂きまして誠に有難う御座いました!

アウディTTミラーカバー 本塗り

 先日お預りしておりましたアウディTTの純正ドアミラーカバーです。

 横に打痕の跡があったので、砥石を使ってある程度削り、ペーパーで均しておきました(今回はサフェ無しです)。

 パッと見は綺麗でも意外と肌の凸凹があるので、コシのある耐水ペーパー#800で肌をカットし、

 ペーパーを掛けにくい隙間は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)とヘラを使って足付け処理をしておきます。

 その後全体をスコッチとナイロンブラシにウォッシュコンパウンド(液状の研磨洗浄剤)を併用して足付け処理を行います。

 内側の汚れも綺麗に落としておきます。

 最後に飛び石傷を、簡易的な修正としてスポットパテ(ラッカーパテ)で埋めておきます。ちなみに先にパテを塗ってしまうと、傷に残ったワックスや汚れでしっかりくっ付いてくれない場合がありますので、足付け処理をして最後に塗っておくのが宜しいかと思います。

 その後台にセットし、最終脱脂清掃を行います。

 ストレス無く裏側も塗れるよう芯棒はワニクリップを併用してしっかり固定しています(塗った後にゴミが乗るのが嫌なのでひっくり返して吊るす事も出来ます)。

 プラスチック素地が露出した個所にプライマーを塗り、ベースコートを塗布します。

 余り変わり映えしないように見えますが、かなり白が入ったあっさりとしたシルバーとなります。

 そしてクリアーを塗布します。

 塗っているのは艶消しクリアーで、垂らすと取り返しが付かない(磨き処理が出来ない)ので塗り方はいつもより控えめにしますが、ただし塗り足りないとムラになったり傷が付きやすい塗膜になってしまう為、しっかりウェットに2コート塗り込みます。

 その後時間が経つと画像の様に艶が消えてくれています。

 オーナー様がご希望されていた「白に近いシルバー(マット) 白銀色」のイメージに近く出来たのでは、と思う次第です。

 しっかりウェットに塗り込むと「ツルン」とした艶消しに仕上がります。

打痕があった部分は、いざベースコートを塗ってみると全然ダメでして、その後さらに研ぎ直して修正しました。余り研ぎ過ぎると元のラインが崩れてしまう恐れがありましたが、こちらも言われても判らない程に仕上がっていると思います。

この後は一晩(以上)自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせていただきますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アウディTTミラーカバー塗装承ってます

 先日到着しておりましたAUDI TT 8J純正サイドミラーカバーです。こちらのオーナー様は先日樹脂製エンジンカバーの結晶塗装をご依頼頂いた方で、その後装着画像とコメントも頂いております。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

 一部には擦り傷&飛び石傷や、

 打痕跡があったりするのですが、全体的に塗膜が綺麗なので今回はサフェでは無くスポットパテ(ラッカーパテ)で処理する事にしました。多少痕が残るかも知れませんが装着されれば殆ど判らない(気にならない)と思いますので問題無いかと思います。

 また色については「白に近いシルバー(マット) 白銀色」と承っておりまして、具体的な色味については頂いた画像の車体色(アイビスホワイト)を参考にお任せ頂きました。

ちなみに塗装屋さんなら判ると思うのですが、シルバー(メタリック)と白は相反する物で、白にメタリックを入れると輝きが出るどころか「黒い点々」が出てしまうのでこれはNGです(ただアウディにそんな色があったような気が・・・)。

と言う訳で、STANDOXの外装パーツ用の色見本帳の中から、そういったイメージに近い色味を探します。

 私的なイメージとしては「メタリックのギラギラ感は控えめに、しっとりとして黄ばみの無いスカっとしたシルバー」と言う事で、

 こちらのFORD 「BRIGHT ARGENT」(カラーコード:M6506G)を採用しようと思います。艶は見本と同じく艶消しクリアー仕上げとします。

こちらは自然光下で見た画像です。

使われているメタリックは中目(MIX590)をメインに、白、黒、メタリックアディティブ(=光輝感を高くするフリップコントローラーで、表面が黒くなり透かしが明るくなる)で構成されています。

派手さや意外性はありませんが、濁りの無い上品な質感なので、白いボディに良く似合うかと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

アウディTT樹脂製エンジンカバー 下準備

 先日2トーンカラーの結晶塗装で御依頼を頂いておりましたアウディTT用の樹脂製エンジンカバーです。

 TFSIの文字はシルバーに塗り直す為、マスキング型を作製します。またこのままだと如何にもプラスチックの成形品といった感がありますので、削ってシャープに整えます。

 紙がズレないようテープで固定し、鉛筆の芯を当てて輪郭を抽出します。

 それをスキャナーで読み込み、画像加工ソフト(Illustrator)でベクトルデータを作製します。当然ですがスキャンしてそのまま使えるという訳ではありません。

さらに今回は結晶塗装の前に文字を塗る為、少し大きめに覆えるよう元の輪郭線から0.5mm程オフセットしました。

 それをカッティングプロッターでカットし、凸文字に仮貼りします。

 こんな感じで庇状に少し食み出た感じになります。良さそうなので本番用のもカットしておきます。

 フォーリングスのエンブレムが嵌る周りにはガムテープの糊か瞬間接着剤が付着したような跡があったので、それらはペーパーで削り落としておきました。弾力性のある物が着いているとそこだけサンドブラストが効かず(柔らかい物には効果が弱いのです)凸凹になってそのまま跡が残ってしまうからです。

 全体にサンドブラストを当てて足付け処理が完了です。結晶塗料にも使われている焼き付け型塗料は最初は密着性が良いのですが、それに頼って下地処理を疎かにすると数年後に全部剥がれてしまったりするので注意が必要です。

その後水洗いをして良く清掃しておきます。今回の樹脂材であるPA(ポリアミド)は吸水性が高く、また表面はサンドブラストで激しく毛羽立っているので水分が飛び難い為、この後は時間を掛けて十分に乾燥させておきます。

その間に凸文字をペーパーで削っておきました。凸文字の中は中空なので削り過ぎると穴が開いてしまうのですが(途中で気が付いて恐ろしくなりました・・・)、いつも通り#120→#180→#240→#320→#400と空研ぎを行い、#600→#800の水研ぎで均してあります。最初に比べると大分シャープになったのが判ると思います。

この後凸文字の天面をシルバーで塗装し、先ほど作成したマスキングテープを貼って結晶塗装を行う、と言う寸法です。他には以前行ったロータスの樹脂製エンジンカバーのように、型を作って後から凸文字部を塗るという方法もありますが、大変過ぎるのでそのような事は誰もしないのが普通です。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

アウディテールランプスモーク塗装 完成

audi14 こちらもお待たせしました!アウディTTの純正テールランプとサイドマーカーレンズも本日完成となります。濃度は「薄目」で承っております。

auditt届いた時の状態です。こちらも中々派手ですね・・・。

audi15 スモーク濃度は「薄め」で、イメージとしては「スモークになっているの判るけど赤味ははっきり残っているので後ろめたく無い程の濃さ」といった感じになるかと思います。この赤味を払拭したい場合は「標準濃度」よりも濃い設定をお勧めしますが、標準濃度からは結構な黒さとなるので視認性等ついては事前によく御検討頂ければと思います。元々電球でしたら高輝度のLEDタイプなどに変更は出来ますが、元々LEDが基盤で入っているタイプはそれ以上明るくするのは難しいと思いますので注意が必要です。

audi16 スモーク塗装を含む「キャンディー塗装」は見る角度や環境によって色の濃淡(明度)が大きく変わりますので、「昼間は良いんだけど夜間は真っ黒」と言うことになりがちですからそういった事も御考慮頂ければと思います。

audi17サイドマーカーもムラ無く綺麗に出来たと思います。この程度の濃さなら灯火の視認性もそんなに影響が無いと思いますので(実際に私は見れませんので予想でしかありません)、それらの事も考えるとスモーク濃度は「薄目」くらいまでに抑えておいた方が無難かと思われます。標準濃度以上を御希望の場合は前記したように電球自体の照度を御考慮下さいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!